『寿式三番叟』の後はいよいよ…MY眼目♪
2014年11月3日(月・祝)
歌舞伎座 11時 3階B席:7列下手サブセンター
吉例顔見世大歌舞伎
初世松本白鸚三十三回忌追善
昼の部
井伊大老 (いいたいろう)
井伊大老邸の奥書院より桜田門外まで
井伊大老:吉右衛門
お静の方:芝雀
昌子の方:菊之助
薩摩浪士 有村次左衛門:歌昇
水戸藩士 斎藤監物:種之助
水戸藩士 佐野竹之介:隼人
老女雲の井:歌女之丞
中泉右京:桂三
水無部六臣:錦之助
長野主膳:又五郎
仙英禅師:歌六
「双肩に高麗屋(幸四郎家)と播磨屋(吉右衛門家)を
背負っていた人で、『私は君たちに先代の芸を渡すための役者なんだ』
と折にふれて言っておりました。
兄には幸四郎の家のもの、私には吉右衛門の家のもの。
両方に分けて教えてくれました」と実父白鸚を評する(吉右衛門インタビューより)
吉右衛門は、祖父(初代吉右衛門)の家に養子に行った身だから、
実父のことはあまり語らないよね。
こういう話を読んだのはこれが初めてだぁ。
そうして、追善で扮するのは井伊大老!
白鸚の当たり役っっ!
吉右衛門にピッタンコぉおお!!
2006年に観た時、脳みそバァアアアン!!
ウルウルきたぁあああ…ぅ。
2008年国立劇場で『大老』として観た時も脳みそバァアアアン!!
ウルウルきたぁあああ…ぅ。
三度観られる時が来ようとは…。嬉しいぃ♪
昭和31年(1956)3月、八世松本幸四郎(初世松本白鸚)の井伊直弼、
六世中村歌右衛門のお静の方、八世市川団蔵の仙英禅師などの配役で、
明治座において初めて歌舞伎として上演されました。
特に直弼とお静の方は、それぞれ白鸚と歌右衛門の当たり役となり、
上演を重ねました。(筋書より)
白鸚父ちゃんも、むちゃくちゃカッコよかっただろうなぁ。
豪快な中に繊細さがあったんだろうなぁ。
序幕
第一場 井伊大老邸の奥書院
直弼の正室・昌子(菊之助)がぁ。
柔らかくて涼やかだぁ。菊ちゃんって本当にステキだぁ♪
後の場面で「昌子は妬かないから」
そう直弼(吉右衛門)がお静(芝雀)に言うんだけど、
ほんとうにホンワカしてるよぉ♪
だから、「御姫様(おひいさま)だと言うのです」
侍女達にそう言われちゃうんだけどね。
っていうのはね、
実は、お静が生んだ鶴姫の容態が悪くて、
お殿様に見舞いに来て欲しいって、何度も遣いが来てるのね。
「それは大変!」昌子は心配してるわけよ。
「殿様会いたさに嘘を言ってる」って侍女達は思ってるわけよ。
本当かもしれなけど、直弼には行けない理由が…。
そこここで命を狙われているのさ。
夜の闇に紛れて刺客に刺されるかもしれないのさ。
例えば…ウォ!駕籠が襲われたりっっ!
未遂に終わったぁ。知らせを聞いて、
嗚呼、全員安堵…。ほ…。
第二場
桜田門に近い暗い濠端
駕籠を襲ったのは水無部六臣(錦之助)。
幼友達なんだって…。
なのに今はこんな関係に…。
吉右衛門VS錦之助
台詞と台詞でガチンコ勝負っ!キャァア♪
直弼の口から語られた真実とは…。
六臣もお客さんも…エェエエエエ!!!!
マジ!マジでぇええええ!!
どんな事かっていうと…うぅう。書くと長いからなぁ。
ほんまか!ただ面倒くさいだけなんじゃないのかっ。
そんじゃぁ…短く言うと…
国状を説き、勅諚の真実を語る直弼。
こんな感じ(コラコラ!)
とにかく六臣は体から力が抜けて…。
今まで何をやっていたのか…ぁ。ガックリだ…ぁ。
第三場 元の奥書院
帰宅して寛ろぐ直弼の元に届いた知らせは…
鶴姫危篤っ!!
行きたい!でも身動きが取れなぁいぅ。
「私が替わりに」昌子、立候補!
「そうか、そうしてくれるか」
直弼(吉右衛門)のがイイわぁああ。
ジンジンくるぅぅううう♪
安政の大獄
心を鬼にして進めるこの政策に、直弼の心が揺れる。
長野主膳(又五郎)に、
自ら行った政治に誤りがあることや、
虚しい心を語っていると…。
六臣が切腹し…。
そうして、鶴姫もこの世を去ったと…。
第二幕
第一場 井伊家上下屋敷お静の方の居室
安政七年三月二日、この日は鶴姫の命日。
お静の方(芝雀)は、訪ねてきた仙英禅師(歌六)と、
懐かしい彦根の埋木舎の話しに…。
んでもって愚痴るぅ。
「殿様が来てくれないんだもぉん」
屏風の和歌に目が止まった禅師。
「これは誰が?」
「殿様が」
「いつ?」
「7日程前に」
オヨヨ。さっきさぁズぅぅっと殿様と会ってないって
言ってたよねぇ。グハハ
禅師は、さっきからちょっと考え込んでたんだけど、
お静の方の無邪気さに、”カワイイ人だ”と笑顔に♪
お静の方またまた重大発言!
「尼になる」と言い出した。
禅師がOKすると「やっぱやぁめた」
お静の方の言葉に、”素直な人だ”またしても笑顔に♪
「殿様の御成!」
直弼が娘の命日を忘れるわけがなかろぉ。
桃の節句の宴を始めるよ。
腰元達も、向こうでドンチャンしていいよぉ。
外は雪…。
後ろにド~ンっとドデカイ雛壇。
その中に慎ましくて小さな一対の人形を見っけ!
何でしょ、あれ…。
お静の方が手にしたのはあの人形。
そっかー、思い出が詰まった雛人形だったのか…。
2人は彦根時代の、今よりもっともっと気楽だった頃を
お酒を酌み交わしながらしみじみ語り合う。
妻はお前独りだけだと言われ、
直弼の本当の心を…深い愛を感じるお静の方。
広い部屋の中、2人っきりで寄り添う姿に…
うぅぅ…ウルウル…ぅ
キッチー(吉右衛門)の大きな懐に抱かれる、
芝ジャッキー(芝雀)!グッときたぁあああ♪
「政道を預かる者は皆、捨て石なのだ」
「来世は間違っても大老にはなるまい」
現実の鉄の覚悟と、平凡に生きたかった夢。
人としての井伊直弼を穏やかに見せるね…ぇ。
LOVE 吉右衛門
第二場 桜田門外
翌3月3日…。雪の中。 桜田門外。
声だけが聞こえて、行列はまだ見えない。
ザザザッッ!浪士達が走り出て来たっ。
下手から籠が現れて…グオォオオぉお!!
やられたぁぁぁああ!!
「大義を忘れるな」
深くて恐ろしい言葉じゃないか…。
「台詞劇も最初は辛抱です。台詞の中に音楽があります。
そういう風に作品が出来ているんです。」
うんうん。以前吉右衛門が言ってた通りだぁ。
今回もステキな言葉の音楽にレロレロぉぉ♪
なかなか掛からない演目だけど、
いつか、きっと、絶対、また演って欲しいぃいい!!!
吉例顔見世大歌舞伎
初世松本白鸚三十三回忌追善
平成26年11月1日(土)~25日(火)
昼の部 寿式三番叟 井伊大老 熊谷陣屋
十一月のGINZAKABUKIZA 木挽町広場 (2014.11.23記)
2006年歌舞伎座 井伊大老 (2006.4.12記)
2008年国立劇場 大老その1 (2008.10.28記)
2008年国立劇場 大老その2 (2008.10.29記)