歌舞伎座 昼 11(日)
これまでのお話は → 大序 三段目
四段目 扇ヶ谷塩谷判官切腹の場
遂に訪れました”今日のその時”
白小袖、無紋の上下死装束で、判官は座に直る。
九寸五分を前に置く力弥(梅枝)
力弥の後ろ姿と判官の瞳。
客席にも沈黙と緊張が広がる…。
梅枝は、なんて儚い雰囲気なの~。
QOO~
立てッ立つんだジョー!
じゃない 力弥ー!
判官、肩衣を退け、両肌を脱ぎ、
切腹の用意を整えて…
判官 力弥々。
力弥 ハッ。
判官 由良之助は。
力弥 いまだ参上つかまつりませぬ。
√ 三方ひき寄せ九寸五分押し頂き、
判官 力弥々。
力弥 ハッ。
判官 由良之助は。
力弥 ハッ。
いまだ参上つかまつりませぬ。
判官 存生に対面せで、残念なと申せ
グッッッ!腹へ突き立て…
由良之助!走って来たぞ~!
襖の向こうから諸士達30人以上
ドバババッッ!!!
人海戦術は歌舞伎の華
歌舞伎座の舞台を埋め尽くす。
この人達、一人々の心が伝わってくる
この瞬間はいつもジ~ン…
判官 この九寸五分は汝へ形見。
この短刀を以て我が存念を
判官と由良之助のアイコンタクト…
菊五郎!1日に2回も腹切ってるヨ!
大奮闘だ!音羽屋~!
先月の化け猫も
だけど、こ~いう菊五郎もまた
遺骸は駕籠に乗せられて、
顔世御前達と菩提寺へ…。
さ~て、
残った家来たちはこれからど~すっぺ?
男女蔵ど~する?
「城を枕に討ち死にだー!」
「敵は師直ただ一人」
由良之助はそう言った。…んだよね。
あれ?
「敵は本能寺にあり」
…なわけないな。
幸四郎が出てくると
♪さぁ眠りなさい~♪(by聖母たちのララバイ)
あのテーマソングが脳内を駆け巡り、
気がつくと
同 表門城明渡しの場
光明寺から帰って来た力弥達を
由良之助が必死に押し止めようと…
なんで言うこと聞いてくんないんだ。
「俺も切腹してやるー!」
叫ぶ由良之助!
…これでもダメか。じゃあ必殺!
「御遺言を忘れたか」
キリリッと睨んじゃうヨ。
力弥チーム、すごすごと去って行く。
独り佇む由良之助。
弓張提灯は、文楽の方が大きいね。
でもって、
歌舞伎は紋を切り取ったりしないんだ。
そのまま折畳んで、懐に入れて…
門がスーッと遠くなる。
”引き道具”
ズルズル後ろに下がるのだ。
上方式は、書割り。
パタン。門の上半分が下に倒れる。
と、そこにはさっきよりも小さな門が!
これで距離感を演出ー!
文楽もこれ。
幕外でたっぷり!
由良之助の孤独な戦いが始まるのだな…。
幕
三段目の後にある『裏門』ってのを観た。
勘平とお軽が、ちょこっとウフッと会ってる間に、
中では大事件!!
塩谷判官閉門のうえ網乗り物で帰っちゃったって!
ガビ~ン…
目の前真っ暗な勘平。
武士ならこーいう時は…刀の柄に手をー。
お軽は「とにかく私の里へ」
お軽 「鳩サブレをお土産に」
勘平 「鎌倉だけにな」(アホ~)
幕
道行旅路の花聟
富士の御山も見えるよ。
ここは戸塚の山ん中。
勘平(梅玉)とお軽(時蔵)
この2人の静かなムードが
不思議~。
いつもは円広志が来ちゃう場面なのに
おめめパッチリッッ!
伴内(翫雀)が家来をた~っくさん連れて
やってきた。
花四天の大立廻りって、なんて美しいのー
勘平は伴内を追っ払って、西へ西へー。
幕
『元禄忠臣蔵』でその実録をご覧頂いて、
この『仮名手本忠臣蔵』では、
歌舞伎芝居の面白さや醍醐味を
味わって頂けると思いますね。 (by吉右衛門/筋書より)
♪ザンス、ザンス、サイザンス♪(byトニー谷)
『元禄忠臣蔵』で、
これ以上グサグサ来る『忠臣蔵物』なんて
あるわけね~。って溺れちゃったしさ。
今回の『仮名手本忠臣蔵』は、
大好きな『九段目/山科閑居』もカットされてっしさ。
イヤイヤモードで行ったわけヨ。
ところがどっこい
主から脇まで、超豪華メンバー取り揃え!
スーパーフォーメーションで、私の心にハットトリック
ガンガンぶち込まれちゃって、
開けちゃ~ならないパンドラの箱
『1等席に座りたい病』が発病~
誰か~救急車呼んでくれ~
つづきは → 番外編”華麗なる一等席