七月大歌舞伎 昼の部 21(金)
泉鏡花作品4連発上演~ さ、まずはこちら。
作:T2(1913)年 雑誌「演芸倶楽部」に発表
初演:T5(1916)年 新派 東京本郷座
夜叉ヶ池の麓の村で、撞鐘を守る男(段治郎)と女(春猿)
明け六つ、暮れ六つ、丑満に鐘を鳴らす。
1度でも怠ると、池が氾濫するという言い伝えを守ってる。
ある日暮れ。
旅人(右近)が、一杯のお茶を求めてやってくる。
「お礼は物語で」という百合。
「一昨年の夏、友人が北国に伝承する異(かわ)った、
不思議な物語を集めに出かけたまま、行方不明になった」
旅人はそう物語る。
私の『夜叉ヶ池』との出逢いはこれ →
演出:三池崇史 脚色:長塚圭史 美術:会田 誠
出演/晃 :武田真治
百合:田畑智子
学円:松田龍平
白雪:松雪泰子
遠藤憲一 きたろう 萩原聖人 丹波哲郎
詳しくは → 2004年パルコ劇場
しかもWOWOW!
何~の期待もなしに見てみたら、ビ~ックリ!仰天!玉手箱~
『鏡花の夢幻劇』を具現化するってどえれぇぇぇぇぇぇこと。
舞台人じゃない人が、フツーに喋っただけじゃダメなんじゃないのか!?
そう思って、劇場に足を運ばなかったのに…。
武田真治は、はにかんでる。田畑智子の物言いは硬い。
松田龍平は微妙~な笑いとってるし。
何なの?これで鏡花なのー?
そーなんですヨ川崎さん!(♪A地点からB地点まで♪)
これって!演出力ー!!!!
三池崇史の映画『ゼブラーマン』は楽しかったヨ。
最新映画は『46億年の恋』(8/26公開)朝日のコラムも笑ったヨ。
でも、だからって鏡花は…むむむ。だったのにぃ
演者は何も特別なことしてない…。
ただ、愛・友情・畏怖…。コアな想いをドーンっっと出せばイイ。
そーすると、キチンと鏡花言葉になって、こっちの心に届いちゃう
なんだか3人ともどえれぇナチュラル。
蜷川幸雄が上演した『四谷怪談』(2001/12 シアターコクーン)
あの時の衝撃と同じ~!!ズキューン!!射抜かれちゃいましたー
おっと、こちらは歌舞伎俳優チーム…。
おにぎりを型枠で作ろうと思ってやってみるんだけど、
なかなか形にならない感じ…
あれって「これでもか!」って、ご飯グイグイ詰め込まないと崩れんのよね~。
言葉に心と身体がついて行ってないっつーか…
異空間へ飛びます♪飛びます♪(by坂上二郎)
鯉七(コイで~す)、大蟹五郎(カニで~す)、黒和向鯰入(ナマズで~す)
いいね~”日本むかしばなし”みたいね~。
これ、文楽で出来るっ!?
泉鏡花を文楽でっっええやん!!
夜叉ヶ池の主・白雪姫(春猿)登場ー!
さっすが、ここは”美”で締めてくれるヨ。春猿ちゃん2役目!
剣ヶ峰千蛇ヶ池の若旦那に会いた~い姫サマ。
でも、そんな事したら白山谷は湖になってしまうー。
「三度の鐘が鳴るうちは行ってはならない。人間と交わした約束ー。」
大姥の言葉も聞こえなーい姫サマ。
吉弥さり気なく脇を固めてます!ナイス!
「人の生命のどうなろうと、それを私が知る事か!…
恋に我身の生命も要らぬ」
♪ねんねんよ、おころりよ、ねんねの守はどこへいた♪
聞こえてきたのは百合の声。
恋人の留守に人形抱いて子守唄をうたっているんだ。
「美しいお百合さんか、唄をうたえば紛れるものかえ」
心が静まったお姫サマ。ああ…美しい~
鐘の言い伝えを信用してない村人たちは、
百合を生贄に、雨乞いしようと襲いかかるっ。
「ちょっと待ったーっっ!」
戻ってきた恋人と友人の説得も、
殺気立つ人々には焼け石に水…。
遂に百合は、鎌で自らの生命を絶ち、恋人もまた…。
誰も丑満の鐘を撞かない…。
白雪 姥、嬉しいな
一同 お姫様
白雪 人間は?
姥 皆、魚に。早泳いでおります。田螺(タニシ)、鰌(ドジョウ)も見えまする。
一同 (哄と笑う)ははははははは
白雪 この新しい鐘ヶ淵は御夫婦の住居(すまい)にしよう。
皆おいで。私は剣ヶ峰へ行(ゆ)くよ…。
もう行き通いは思いのまま。お百合さん、一緒に唄をうたいましょうね。
これが『夜叉ヶ池』初体験だったのなら、
満足したと思うよ…。グワ~ン…。
筋書に舞台写真もなかったし…。グワ~ン…。
オープニングが完全暗転なのに、
客がドンドン階段を上がってくる3階B席!
席番が見えなくてウロチョロ。(目の前に立つな!)
間違って座ってたおばちゃん達がバタバタ。(喋るな!)
”演出の都合上ご入場はお控え下さい”って、数分間は入れるな!
じゃなかったら、係員が責任持って客を引率しろ~
こちらのレポもどうぞ
7/7/~31
昼の部 「夜叉ヶ池」 「海神別荘」
夜の部 「山吹」 「天守物語」
ランキング参加中、あなたの清き一票を(笑)
田畑智子さんの百合ってどうなんでしょう? と、なんとなくですが疑問に思ったのでした。
”おにぎり”の例え、上手すぎる! 私は、砂浜で作るお城を想像しました。あやう~いバランスで形が成り立っているのです。
・・・にしても、幕開き、それから白雪姫の登場には清浄な空気が流れてましたよね~。客席も・・・なんとか・・・なると良いですよね。
私はこれが「夜叉ヶ池」の初体験。パルコでの公演のチラシ持ってましたよ。絵が印象に残ってます。その頃は泉鏡花ねえ...状態だったのでした。あと花組芝居での上演も気になるところです。
今月のまず昼の部、春猿、段治郎、海老蔵の成長ぶりに玉三郎丈の育成の成果とみて「海神別荘」のカーテンコールで目頭が熱くなってしまいました。
そして私、鏡花の耽美的な恋愛至上主義の世界に浸るのは好きみたいだと自覚しました。癒されます~。
普段の演目でも気になるぐらいのツワモノでした。周りから苦情がでてもなんのその。。。次の幕間にも遅れて入ってくるし、イヤホンがイドが大音量だし。
でもちょっと離れてたのでよかった
三池崇史演出の『夜叉ヶ池』、ナマ舞台観ました(大阪のシアタードラマシティ)。
武田真治目当てに行ったのですが、ワタシ的には松雪泰子の美しくもエキセントリックな“ひ~さま”白雪姫がかなりツボでした。(あと舞台で台本そのまま読んでた丹波哲郎の万年姥ね。)
で、春猿さんの美しい2役。百合は申し分なく、白雪姫はそのエキセントリックハイテンション面がいく分もの足りないと感じたのでした(当方の白雪姫への勝手なイメージですが)。
『夜叉ヶ池』を文楽で、っておもしろそう!
最初は固いのかなという様子を聞きましたが
終盤になってきてノッてる感じがしました。
真っ暗にするなら入場禁止も考えてほしいところですね。<松竹さんお願いします
>田畑智子さんの百合ってどうなんでしょう? と、なんとなくですが疑問に思ったのでした。
なんとなくどころか、私はOA観るまで「ぐえぇぇ~」でした(笑)。「全然ミスキャストじゃん。」って。
ところが、武田君とのアンサンブルがお見事!お互い不器用な演技(ファンの方ごめんなさい)を包み込む「無言の動作」が美しかったんですよ~。二人の愛の世界がキチンと見えるんですよ~。
>私は、砂浜で作るお城を想像しました。あやう~いバランスで形が成り立っているのです。
OH!「砂の城」いいですね!でも、私のおにぎりは形にならず崩れてしまいました…トホホ。
ぴかちゅう様、まいど!
>鏡花の耽美的な恋愛至上主義の世界に浸るのは好きみたいだと自覚しました。
鏡花ワールドへようこそ!!耽美な世界でくつろぎましょー(笑)
urasimaru様、まいど!
>必殺ビニール袋ばあさん
スッゴイですね!!!!!!!「指名手配」しよう!!係員も「大向こう」を取り締まるより、そっちが先っっ!!
スキップ様、まいど!
WOOOOO~!!三池崇史演出の『夜叉ヶ池』をナマ観とは、羨ましいぃぃぃぃ。
>松雪泰子の美しくもエキセントリックなひ~さま
美しかったですよね。期待通り!って感じで。そうそう丹波哲郎もツボにきました。
>『夜叉ヶ池』を文楽で、っておもしろそう!
同志発見!嬉しいです。
凄く幻想的で凄くグロで美しい世界が描けると思うのです~。上演してぇぇぇぇ。
Ren様、まいど!
春猿ちゃんはイイ経験したと思います。今月の公演は本当に配役に恵まれてヨカッタ。ガンバレ~!
>真っ暗にするなら入場禁止も考えてほしいところですね。
現代演劇なんかではやっている事だから、もっと考えて上演して欲しいです。
お客は夢の時間を求めてやって来ているんだから!例え安い席でも!(苦笑)
夜叉ヶ池の春猿さんは本当に美しかったですね。最初の白髪のシーンの色っぽさは人妻(爆)の私以上でした・・・
>幕間の売店の動線まで違っていて
爆笑~!最近お店を出し過ぎじゃないっすか~?(笑)
>白髪のシーンの色っぽさは人妻(爆)の私以上でした・・・
またまた、爆笑~!!
さて初の「夜叉ヶ池」は芥川比呂志の演出でのもの
だったんですが、ちょうど日生劇場で劇団四季が
アンドレイ・シェルバンの演出の「桜の園」を上演
していたのですね。
そこで「桜の園」の出演者の中で誰が「夜叉ヶ池」を
観にいくか相談になって、結局「ヤーシャが行け」と
いうことになったという冗談を芥川が言ったというの
を演劇雑誌のインタビュー記事で読んだのを思い出し
ました。さすがの演出家ギャグでした。
「ヤーシャが行け!」大うけですっ!!やっぱりワープしたいなぁ。