アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

7月 歌舞伎座 海神別荘

2006年07月28日 | 歌舞伎

 
七月大歌舞伎 昼の部  21(金) 

泉鏡花作品4連発上演~ さらにこちら。

作:T3(1914)年 雑誌「中央公論」に発表
初演:S30(1955)年 新派 歌舞伎座

ハープの音色が心地好い~!!
海の底の底。これが竜宮城なの…?
乙姫サマはいないけど…。
この世の人とは思われぬBeauty公子の住む処。
琅玗(ろうかん/半透明で暗緑色・青碧色の美しい宝石)殿
美術と衣装に天野喜孝ワールド炸裂ッッ!!

その世界にスッポリハマッてる~海老蔵~
H12(2000)年の日生劇場とは打って変わって、
チャーンと公子サマになってる~海老蔵~
WOOO~!!嬉しやな~!!
もーデビルマンとは呼ばせまじ。
って、私と友人が衣装見て、そー呼んでただけなんだけど。
あの時、ツボにかすりもしなかったんで、
ほんとーはじぇんじぇん観る気なかったんだヨ。
3階B席をGETできたもんで、来てみたら…


海底の美しい公子(海老蔵)が、人間界の美女(玉三郎)をお嫁さんに迎える。
♪1・2・サンバ 2・2・サンバ お嫁 お嫁 お嫁サンバ♪(by郷ひろみ)

美女の父親は、様々な海の幸を要求したという。
その1つ1つを律儀に報告する沖の僧都(猿弥
うーむ。イイ味だしでる~
前回は左団次でね。台詞が危なかった。
あの橋田壽賀子ドラマの様な長セリフは、若くないと覚えられんの~。

美女の道中を見てみましょー。
「あれだ、あれだ。あの一点の光がそれだ。お前たち見ないか」
ハ~イ。嗚呼、侍女に加えて欲しい~

出た~!!黒潮軍団~ッ。
パタパタ~。マントはためいてますッ。
前回は、玉三郎が集めたイケメン集団だったんだよなー。
キョエェェェェ!
美女は白いドレスに身を包み、白い龍に乗っているゥゥゥ。
ホントは跨ってるんじゃなくて、台の上に乗ってるのね。
その周りを軍団が囲んでるんだけど…
う…美しい~。ビジュアルOK!!

女房 貴女、お草臥(くたびれ)でございましょう。
    一息お休息(やすみ)なさいますか
笑三郎
~!ステキ~!抑えた美はこの人に限るね!

馬の上に人を乗せるのは、人間界で”引き廻し”と言~のか?
調べておくれヨ、博士(門之助)-。
呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ~ン。本棚も脇からヒューっと出た!

公子が本を捲ってみると…
「これは白紙だね」
予備知識がない人には写らないらしいんだ。
「恥入るね」
グワッハッハッハーッ!!天真爛漫ーッ!!
キュートな海老サマ~公子サマ~

”おさん茂兵衛””八百屋お七”の例を出す博士。
人間界を学んだ公子。

鏡花作品って「貴方の生きてる世界ってどーよ?」
いつも、そう聞いてくるよね。

美女が来るまでの暇つぶしは”双六”。
サイコロ振りながら、ドンドン飽きてくる公子サマ~。
ガッハッハーッ!場内大うけ!

その隙をついて、鮫がーッ!!
侍女の1人が見るまに…ア~レ~。
「俺の力は弱いもののためだ。生命に掛けて取返す。ー鎧を寄越せ」
キャ~!すずしい言葉だねー。
あ、こりゃ『天守物語』(夜の部)の台詞だったじぇ。

お待たせ~。やっと美女と御対面~。
公子は優しく迎えたつもりなんだけど、
彼女はショックを隠せましぇんー。でも、立ち直り早っ!

「今の私を親に見せたいわー」
「貴女より財宝を選んだ、若い妾を選んだそんな人に何を今更会いたいのか」
「情愛があるからよ」

公子 人は自分で活きれば可い、生命を保てば可い。
    しかも愛するものとともに活きれば、少しも不足はなかろうと思う。
     

人間には蛇にしか見えない。っつーてんのにー。
公子の苦しみが判らない人だな~。
ほんじゃ行って来いよっ!
あ~戻ってきて、泣いてるよ~。「魔法のせいよー」
もう、公子怒っちゃったじゃんか!

公子 どこまで疑う。(憤怒の形相)お前を蛇体と思うのは、
    人間の目だと云うのに。
    許さんぞ。女、悲しむものは殺す。


舞台を観るたびに戯曲読むんだ。
そーすると、前とは違う何かが浮かんだりする。
鏡花という、深~くて広~い海から小さい泡がプクッとね。
触ろうとすると消えちゃう。
だから、ホケラ~と眺めるだけ。
鏡花と私、そーいう関係

大きな錨を柱にして縛られる美女。 
殺し、殺されようとした時、初めて2人の心が通じ合う。

でも…”白い龍”が気になって仕方がな~い。
主役放ったらかしで、上手にズ~ムインっ!
日生劇場では現れなかったんだも~ん。
う…動いてる!頭から腹からシッポまで、ゆ~っくりゆ~っくり…。
生きてるヨー(いやいや
両サイドに黒潮騎士がいるでしょ。あの人達が動かしているのヨ。
え~!?マジ~!?(おいおい


あの~大向こうさん、
この劇空間で何故に声を掛けてるんでしょう?
歌舞伎座でやる物は全て歌舞伎…。
だから「成田屋っ!」と掛けるのは当たり前?空気読めヨ

緞帳降りて、アンコールがー!ヒェー。
その最中、係員が2人で右往左往。
”大向こう禁止令”が出てるらしいけど、注意すんのか?
視界に入ってくるんだヨ!ジャマ!
ワ~ッッ!フラッシュが~!!宝塚か~!
興を醒まされてプンプンッッ

玉三郎の描いたゴージャスな世界と対極にある、
清閑の地”を築くには、紀伊国屋ホールの空間がちょーどイイ。
 レポはこちら → 伝統の現在NEXT2 『海神別荘』


 市川海老蔵主演 映画『出口のない海』
  ネタバレなしっ!のレポ → 試写会
ワイドショーでも「竹内まりあの歌が完成」と題して予告編が!
   またまた胸キュン…。

こちらのレポもどうぞ
7/7/~31
  昼の部 「夜叉ヶ池」 「海神別荘」
  夜の部 「山吹」 「天守物語

ランキング参加中、あなたの清き一票を(笑)
にほんブログ村 演劇ブログへ



14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大向こう禁止令? (喜の字)
2006-07-27 22:28:45
出てたんですか!?今日夜の部見に行った時に「成田屋!」って遠慮がちに声がかかったら、劇場の人が「○○はやめてください!」ってかなりの声で言うんですよ。でも肝心の「○○」が聞こえなかったので、写真撮影でもしたのかなあと思ってました。その前に「澤瀉屋!」とか「笑三郎!」とかも(これも遠慮がちに)かかってたので、きっと係の人が「今度こそ注意してやる!」とスタンバイしてたんでしょうか。ちょっとした剣幕で驚きました。



私は歌舞伎座の舞台で海老蔵見たら「成田屋」ってかけたくなっても当然だと思いますが。それがそんなに嫌なら他の劇場でやればいいと思います。
返信する
唯美主義!! (ぴかちゅう)
2006-07-28 01:56:00
「海神別荘」は舞台装置もハープもすごく良くてウットリとただただ美しさを追求する海老・玉ワールドを満喫しました。カーテンコールもあっていつもの歌舞伎じゃないのを逆に楽しんでいました。大向こうも自粛して欲しいと座頭さんからの要請があったらしいです。ただし、大向こうの会の方へのお願いだったらしいので個人さんまでは及んでいないはずときいてましたが、劇場の職員さんまでが注意するというのはちょっと行き過ぎのような気がします。何があったんでしょうね。

今月の観客は従来の月とは本当に違いました。さんま御殿から興味を持ってくれたような方も大勢来ていたんじゃないかと思います。私が観た日も席を間違っている人を入れ替えるのに後ろが煩かった(T-T)頭の上にお団子をつくった若いお嬢さんが如何にもお芝居って初めて~風にいらっしゃいました。お団子頭上禁止令出したかったです。でも最近若い子に寛容になってきた私、許すからこれからもちゃんと歌舞伎座来いよな~の念を送ってました。



そして私、鏡花の耽美的な恋愛至上主義の世界に浸るのは好きみたいだと自覚しました。癒されます。30日はいよいよ夜の部、楽しみが増してます(^O^)/
返信する
美女と侍女 (スキップ)
2006-07-29 06:16:16
かしまし娘さま

できることなら公子さまに思われる美女になりたいところですが、玉サマを向こうにまわしてそれはあまりにもおこがまし過ぎるので、私も侍女の端っこに加えていただきたいと思います。

この舞台はストーリーも衣装も装置も音楽もその他もろもろ、ほんとにファンタジー。



その世界をそこなうような無粋なことはやめていただきたいものですよねぇ。
返信する
マントが素敵♪ (Ren)
2006-07-29 09:10:47
海老蔵さんの公子は生まれつきって感じがして

本当によくお似合いで素敵ですよねぇ。

マントに鎧に厚底ブーツ、コスプレ心も大満足。

黒潮騎士のみなさんも素敵☆

白龍馬がちゃんとゆらゆらしてるのもよかったです。
返信する
それは「天守物語」の時のことでした (喜の字)
2006-07-29 11:11:49
コメントした場所が「海神別荘」の所だったので、誤解を与えてしまったような気がします。



係りの人が掛け声かけた人に注意したのは夜の部の「天守物語」の時でした。私は「海神別荘」は見ていないので、大向こうがどれくらい不適当なことなのかわかりませんが、「天守物語」は歌右衛門もやっていることで歌舞伎に近いと思いますし、掛け声くらいかかっても不自然ではないのにと思ったわけです。
返信する
TB・コメントありがとうございます (かしまし娘)
2006-07-31 13:18:40
喜の字様、ぴかちゅう様、まいど!

大向こうに注意するのにかなりの声で!なんかね~。夢から覚めちゃうのは、3階席のみって事だし。

「安かろう悪かろうそんな事もあるだろう」って事なのか!!

喜の字様、コメント欄の件大丈夫ですヨ。「海神別荘」でも係員が指差し確認しながらウロチョロしてたから!

他の劇場でやればイイって意見に納得です。

アマチュアの大向こうにお達しが届いていないなら、座席に「声掛け禁止」の紙を置いておけばいいのに。宝塚のバウホールでは「録音・撮影禁止」のして置いてあります。他の劇場の事ももっと勉強して!松竹っ。



スキップ様、まいど!

あ、美女には立候補する気もなかった(笑)

2人で、そ~っと侍女として加わりましょう。沢山いるからバレないと思います(笑)

新しい道中歌を作って披露すれば気に入ってもらえるはず!それとも特注のサイコロを捧げようかしらん…。

半か丁かの世界も教えて差し上げたい。マージャンもいいかも…。ファンタジーな世界じゃなくなるぅぅぅ。



Ren様、まいど!

>マントが素敵♪

怪しい感じでヨカッタ(笑)フィギュア欲しいっす!マントヒラヒラさせて独りで(笑)遊ぶのにぃぃ。
返信する
二つのTBありがとうございます。 (dream)
2006-07-31 23:49:43
かしまし娘様へ

二つのTBありがとうございます。

「画像がステキ~。」なんて言われて嬉しいです。

春猿さんは、玉三郎様を尊敬されていらっしゃるので、「今回は・・・似ている」と言うようよりも「今回も・・・似ている」と言った方が合っていますね。

夜の部の「天守物語」では、富姫と亀姫がそろって後ろを向いて内掛けの背を見せた立ち姿の美しいこと。二人とも背が高く、細身で雰囲気が似ていて綺麗でした。

母は「玉三郎様&海老蔵様のコンビ」と聞いて、ちょっと心が揺らいでおりましたが、7月は暑さも重なり、結局は歌舞伎ではないから・・・と言って観劇はしませんでした。(※ホント勿体ないです)何となく、お客様の年齢層も若かったような気がします。

返信する
歌舞伎じゃない (かしまし娘)
2006-08-01 16:28:01
dream様、まいど!

こちらこそTB・コメントありがとうござます。

>結局は歌舞伎ではないから・・・と言って観劇はしませんでした。

鏡花ワールドを堪能出来た人は楽しかったのですよね(私もその1人)。観劇した友人のお母様は「…玉三郎の舞踊が観たかったわ」と言うことでした。あまり楽しめなかったのでしょうか…(苦笑)「”新派”が上演すれば良いじゃん」って声も聞きましたし。「一気に4本」っていうのがネックかも~。

「歌舞伎か」「そうじゃないか」…。賛否両論ですかね…。

返信する
こんばんは♪ (真聖)
2006-08-01 22:10:49
かしまし娘さん、海老蔵くんの公子はこの世のものとは見えないほど美しかったですね。



彼の右側から見た横顔は彫刻のように綺麗です



あのマントは「妖怪人間、ベム」(←古い!)に似てないこともない!と舞台写真見てハタと思いました~
返信する
歌舞伎じゃない(その2) (喜の字)
2006-08-01 23:25:30
「歌舞伎」が「賛」で「歌舞伎じゃない」が「否」というわけではないと思いますが、好みの問題ですよね。でも劇場正面の「七月大歌舞伎」の垂れ幕は「あれをかけるか?」と思いました。…そうして「山吹」はありゃ新派だろうと私も思います…。
返信する

コメントを投稿