アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

こまつ座 父と暮らせば 

2008年06月26日 | 演劇


紀伊国屋サザンシアター    6/18(水)    

老若男女入り乱れー
観劇層が広い客席ってなんだか居心地イイ♪

父と暮らせば こまつ座
 作:井上ひさし
 演出:鵜山 仁
 出演:辻萬長 栗田桃子
  

 昭和23(1948)年7月
 広島市、比治山の東側、
 福吉美津江の家。

1件の家。バラック作りの畳敷き。

雷を恐がりながら帰宅した娘。
押入れの中から聞えるのは父の声ー。

図書館で働く娘のもとへ、
原爆資料を借りにやってきた男について。
父親は何でも知っている。
まるでそこにいたかの様に…。

娘の恋心まで見抜いて
成就するように、せっせと励ます父。

アレレ。でもちょっとおかしいよね。
娘が作った料理を「食べれない」って言うし、
何日ぶりかに、ひょっこり現れるし…。
もしや…。

次第に明らかにされる、あの日。
映像も、音響、照明もなく
ただ言葉だけで紡がれるあの時ー。
客席は、すすり泣きの嵐…。

全てはそこで終わり、
そしてそこから始まっていた。

「おとったん」娘が父親をそう呼ぶ。
広島弁で繰り広げられる親子の会話。
地方の言葉って温か~い♪

ノンストップの約80分

”世界初の原爆投下”
その事実と永久に拭いきれない過去。
そんな、
ドンヨリ重い世界を描いてるはず。
なのに、井上ひさしテイストは、
いつものように淡い色合い。

死んだ父親と生き残った娘

「生かされている」
この一言が、心にストンと落ちてきて
涙がグワ~グワ~
肩の荷を、ちょいと降ろしてくれた気がする。

生きるか死ぬかなんて
自分がどうこう決めるこっちゃないんだよね。
判っちゃいるけど、
日々ぬるま湯に浸かってると、魂が弱って困るわぃ。

20数年前、原爆の日に
広島出身の友達に連れられて行ったよ。
目の前にある原爆ドームは、
テレビで見るよりちっちゃくって、ビックリ。

あの戦争体験は親の世代で、
色々と聞いた事があるし…。
テレビドラマやドキュメンタリー。
小学生の頃は、マンガもチラっと。
最近は、昔の白黒映画も観たりする。

ジリジリと照りつける陽射しー
夏になると、毎年思う。
こんな暑い季節に、戦争があったんだな…って。

そうして今も、
原爆症の認定を求めて、戦っている人達がいる。

1994年、戦後49年目の年に誕生した
二人芝居『父と暮せば』
今じゃぁ、
英語・ドイツ語・中国語・イタリア語・ロシア語に訳されて、
上演されてるんだって。

パンフ(the座)をめくると、見開きに写真が。
青い空と緑の中に、果てしなく続く白い道ー

 エノラ・ゲイはこの地から離陸した
 (略)
 狙いすました目標は 広島市の中心、相生橋。
 離陸時間は 1945年8月6日 午前1時45分。

人間のやったことって…っったく!!

詳しくは → こまつ座
ランキング参加中、あなたの清き一票を(笑)
にほんブログ村 演劇ブログへ



15 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
恥ずかしいんですが・・・ (はぎお)
2008-06-26 13:34:15
こんにちは。
恥ずかしながら、まだ未見です。映画も録画したまま。ぜひ拝見したいんですが・・・
たしか「こまつ座」には「紙屋町さくら町ホテル」という同じテーマを扱った作品があった記憶があります。
忘れてはならない記憶、この作品をはじめ「演劇」という一つのジャンルでもずっと残ってほしいと思います。
「こまつ座」と言えば、去年「ロマンス」を見る予定だったんだけどなぁ(T_T)
返信する
私も恥ずかしながら… (かしまし娘)
2008-06-26 16:14:46
はぎお様、まいど!
私も初めて観ました。映画も本もまだだし。…でもたぶん、そっちは観たり読んだりしないと思う。
ズギュンとハートに当たったので、もうういいです(笑)
「紙屋町さくら町ホテル」といい何といい。今までハマルのが恐さに(笑)観てこなかったので
知らない作品ばかりです。
「演劇として」本当にそうですね!!
「ロマンス」…そうでしたねぇはぎおさん…。WOWOWで観ましたが、
やっぱり私には「こまつ座」としての興行の方が、ツボにキュっと入るみたいです。
返信する
まずはDVD借りてきます。 (やたけたの熊)
2008-06-26 20:41:14
「父と暮らせば」観られる機会があったのに、逃してしまって今にいたってます。”観たい”と思ったら、どんなことをしても観るべきですね。そう思います。反省・・・
初演のときお父さん役は、すまけいさん、やなかったですか?

>人間のやったことって…っったく!!
ほんと、永遠の問題です。
返信する
わたしは (花かば)
2008-06-26 21:15:46
広島に6年おって、その時代を生きた人をたくさん知ってます。
伝えたい人と、伝えたくない人。その葛藤に歯痒さを感じますが「経験のない青二才が」っと思います。
でも、何度見ても(DVD)ですが涙がでます。
井上ひさしさんの、方言の使い方のうまさにしたをまきます。
返信する
唯一の国 (ハヌル)
2008-06-26 23:08:29
私は広島へ行った事がなく原爆ドームも資料館へも
訪れたことがありません。
人は永遠には生きられないとはわかっていても人道的に
それを絶たれるというのはなんとも不条理。
原爆という恐ろしいものを経験した唯一の国として、
二度と繰り返さないためにずっと伝えていく義務があるのだと思います。
いつか機会があれば観たいです。
返信する
♪♪♪ (かしまし娘)
2008-06-27 11:17:58
やたけたの熊様、まいど!
私もテレビ(WOWOWだったかな)で観る機会があったのに、無視してしまいました。
舞台の想いが少し薄らいだら観てみます。
色んな方が演じている様ですよ。
すまけい・梅沢昌代/前田吟・春風ひとみ/辻萬長・西尾まり


花かば様、まいど!
重い記憶はなかなか口には出来ないものですよね。
体験者の「いかされている」という想いは、生半可なものではないと思います。
私達は、あの日の様子を映像で見ることは出来ますが、
空気や風、色や匂いはそこにいた人でないと判らないもんですよね。
昨今は記念日にテレビで特集する事も稀になり、風化を感じます。
だからこそ、舞台で残っていく事は貴重なのですね。
次回公演「闇に咲く花」これも行く気満々です!
http://www.komatsuza.co.jp/kouen_new/index.html


ハヌル様、まいど!
憲法第9条の精神は、あまり世界中に届いていない気がします。
今生きている私達には、何が出来るのか自問自答してしまいますが、
とりあえず「父と暮らせば」の宣伝をしてみました!
こまつ座初心者なので、他の作品のことは判らないのですが(コラコラ)
いつか機会があれば観て下さ~い。
返信する
九条の会 (やたけたの熊)
2008-06-27 12:25:16
吉田玉男師匠、桂米朝師匠は、憲法第9条を守り生かそうとする「九条の会」発起人に名を連ねておられました。
きのうの夕刊に、「京都九条の会」茂山千之丞さんたちが立ち上げたと出てました。
ほうとうに頭が下がります。

>今生きている私達には、何が出来るのか自問自答
その気持ち、よく分かります。私もそうですから。
返信する
戦中、戦後 (かしまし娘)
2008-06-27 15:49:37
やたけたの熊様、まいど!
馴染みのある舞台人の方々が声を発すると、身近なものに感じられます。
戦中派にとってはリアルですが、
その後の世代との溝が、なかなか埋まらない気がするので、
1人でも多くの戦後派のハートを、揺さぶれますように。
返信する
難しいけど (花かば)
2008-06-27 21:36:28
井上ひさしさんの「子どもにつたえる日本国憲法 」を子供に伝えたいです。
返信する
タイトルもいいです (藤十郎)
2008-06-28 07:58:13
花かばさん同様、私も4年広島にいましたので、「さくらホテル」ともども感慨があります。
広島弁もそこそこいけます(笑)。
広島は太田川デルタの平地ですが、比治山や江波山のような小山があってなかなかおもしろい地形ですね。
「父と暮らせば」のタイトルもいいなぁ。
おもしろうてやがて哀しい井上さんの戯曲は、私にとっては手習鑑のようなものです。
ありがと、ありました。
返信する

コメントを投稿