goo blog サービス終了のお知らせ 

天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

「なは・あかつき」ファイナルラン前夜

2008-03-13 | 鉄道
いよいよ明日。
平成20年3月14日夜、ブルートレイン「なは・あかつき」、ファイナルラン。

明日の夜、京都から、長崎から、そして熊本から最後の碧い夜汽車が旅立つ。
そしてそのまま、旅人の心の宇宙で輝く星になる。

僕も明日は熊本駅から「なは」に乗り込みます。

小惑星探査機「はやぶさ」情報:提供 JAXA宇宙科学研究本部
天燈茶房TENDANCAFEは日本の小惑星探査機「はやぶさ」を応援しています

「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーン
天燈茶房TENDANCAFEは「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーンを応援しています

COUNTER from 07 NOV 2007

「きぼう」宇宙へ

2008-03-12 | 宇宙
土井さん、行ってらっしゃい!

土井宇宙飛行士ら7人のクルーと「きぼう」日本実験棟船内保管室をのせたスペースシャトル「エンデバー号」は、米国東部夏時間3月11日午前2時28分(日本時間2008年3月11日午後3時28分)に、NASAケネディ宇宙センター(KSC)から打ち上げられました。JAXAデイリーレポート 飛行1日目(Flight Day 1)

しかし、この「JAXAデイリーレポート」、土井さんの本日のスケジュールのみならず食事内容まで事細かに載ってるなw
今日は夕食にイワシのトマト煮や天ぷらそば等を食べられたそうです。
僕の部屋の戸棚には、今から20年程前に科学雑誌「Newton」の特別企画として誌上販売されたNASA認定の「宇宙食セット」が入っているんだけど、ドライフルーツと乾燥アイスクリームだ。隔世の感があるな。
それに何より20年前、僕が小学生だった頃は宇宙食なんて滅多に手に入るもんじゃなかったんだよ、それが今では日本各地の科学館のミュージアムショップで簡単に買えるもんなぁ。。。
でもいまだに乾燥アイスクリームはラインナップに入ってるね。あれってそんなに人気があるのかな?

そんな僕は毎年夏のJAXA宇宙科学研究本部相模原キャンパスの一般公開に出掛けて、帰りに熊本行きブルートレイン「はやぶさ」の寝台車で宇宙研生協で買ったお土産の宇宙食をつまみながらビールを飲むのが楽しみなんだが、それも今年で最後になりそう。
ブルートレイン「はやぶさ」も来年以降に廃止されるそうだから。

今週末のJRダイヤ改正前夜、熊本から京都に旅立つブルートレイン「なは」の最終運行列車。
取っておきの宇宙食を持ち込んで、もちろんもう食べられないだろうけどNASAのロゴ入りパッケージを眺めながらしみじみと一杯やろうか…

小惑星探査機「はやぶさ」情報:提供 JAXA宇宙科学研究本部
天燈茶房TENDANCAFEは日本の小惑星探査機「はやぶさ」を応援しています

「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーン
天燈茶房TENDANCAFEは「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーンを応援しています

COUNTER from 07 NOV 2007

ヘッドマーク盗まれる

2008-03-11 | 鉄道
腹立たしく、悲しい事件です。

なは・あかつき ヘッドマーク盗 JR九州が被害届(西日本新聞) - goo ニュース

廃止予定の寝台特急「なは・あかつき」ヘッドマーク盗難(読売新聞) - goo ニュース

「盗難届を受けた福岡県警門司署は、マニアが盗んだ可能性もあるとみて捜査している。」とのことだが、
もし「鉄道マニア」が盗んだのなら、機関車からむしり盗って自分のものにして嬉しいのだろうか?
ヘッドマークは機関車に取り付けられていてこそ輝くものだ。
鉄道が好きな僕には、ヘッドマークを盗んだ者の心理が全く理解できない。
「なは」「あかつき」が有終の美を飾るべきこの時期にヘッドマークを奪われたことに激しい憤りを感じる。
そして、悲しい…

ヘッドマークを盗んだ犯人に言いたい。
「もし少しでも鉄道が好きな心があるなら、今すぐ自首してヘッドマークを返してくれ。」

「なは」「あかつき」のファイナルランはヘッドマークを誇らしげに掲げた晴れ姿で送り出してやりたいじゃないか。

小惑星探査機「はやぶさ」情報:提供 JAXA宇宙科学研究本部
天燈茶房TENDANCAFEは日本の小惑星探査機「はやぶさ」を応援しています

「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーン
天燈茶房TENDANCAFEは「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーンを応援しています

COUNTER from 07 NOV 2007

セルビアは、そして世界はどこへ行くのか

2008-03-11 | 時事
コソボ独立以降、混迷するセルビア。
とうとう首相が辞任し、議会解散・総選挙へ。

セルビア首相辞任 EU加盟めぐり対立激化(産経新聞) - goo ニュース

コソボ独立を支持するEUとの対立姿勢を強める民族主義勢力がセルビアの政権を担うようなことになれば、セルビアは孤立してしまうかも知れない。
今後、セルビア国民がどのような未来を選択するのか、気になる…
そして、数週間メールの返事が遅れているセルビアの友人のことも気に掛かる。
軍人の彼は「コソボのことが心配だ」と言っていた。既にコソボ問題に絡む任務に就いているのだろうか。
どうか無事で、と祈らずにいられない。また、メールを送ってみようと思う。

ところで今日、国際宇宙ステーションに日本の実験棟「きぼう」第1便の保管室を運ぶスペースシャトル「エンデバー」が打ち上げられる(日本時間3月11日午後3時28分の予定)。
日本人宇宙飛行士の土井隆雄さんもミッションスペシャリストとして搭乗、保管室を国際宇宙ステーションに取り付けることになっている。
土井さん、行ってらっしゃい。どうぞ素晴らしい旅を!

「エンデバー」打ち上げ準備進む、天候も良好の見通し(ロイター) - goo ニュース

「エンデバー」は、毛利衛さんが搭乗した「初めて日本人宇宙飛行士が乗ったスペースシャトル」だけど、
毛利さんが「宇宙からは、地球には国境線は見えませんでした」と言っておられたなぁ…


月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)が撮影した地球 提供 JAXA・NHK

この碧い惑星に住む人々が、心穏やかで平和でありますように。
小惑星探査機「はやぶさ」情報:提供 JAXA宇宙科学研究本部
天燈茶房TENDANCAFEは日本の小惑星探査機「はやぶさ」を応援しています

「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーン
天燈茶房TENDANCAFEは「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーンを応援しています

COUNTER from 07 NOV 2007

ブルートレインを追え!地元熊本編

2008-03-09 | 鉄道
写真:熊本車両センターに並ぶ寝台車

ブルートレイン「なは」「あかつき」が廃止される平成20年3月15日のJRダイヤ改正まであと1週間を切りました。

先週も、「なは」に乗って京都まで行ってきたばかりだが、今日も廃止前最後の日曜日だし何だか居ても立ってもいられなくて、熊本駅まで「なは」を見に行った。
…熊本県南部の八代市郊外の我が家から、自転車で。

我が家というか下宿から熊本駅まではJRの普通電車で30分弱かかり、まあ距離にして30キロ位?自転車で行けない距離ではないわな。それに最近、デスクワークばかりで運動不足だし体重もウエスト周りも気になるし、いい運動になる。
という訳で、「なは」の熊本駅到着時刻の午前7時36分に間に合うように、夜明け前の午前4時に出発。県道14号線と国道3号線をゆっくり流しながら熊本駅へと向かう早朝サイクリング。
もう春が近いのでそんなに寒くもなく、問題なく午前7時前には熊本駅に到着したが…
「うう、お尻が痛い。。。弟から借りたこのママチャリ、サドルが硬過ぎるよ!」

ともかく、熊本駅の北側の坂の上にある陸橋へと向かい、熊本駅に到着する「なは」を出迎える。



やはり廃止前最後の日曜日という事もあり、同じように「なは」を出迎えて撮影する人がチラホラ見られた。
さて、陸橋の上で「なは」を出迎えたら、すぐに自転車で熊本駅南側の構内脇道路に向かう。
ここで、熊本駅で乗客を降ろした後、回送列車となって基地の熊本車両センターへと引き上げる「なは」編成を見送る。




かくして、自転車による熊本駅周辺でのブルートレイン「なは」追跡、無事成功。
これがしたくて、わざわざ30キロもチャリンコを漕いで来たんだ、お尻が痛くなった甲斐があったと言うものだ。

さて、八代の下宿に帰って寝るか。
でもせっかく小回りの利く自転車に乗ってるので、ちょっと寄り道。
ブルートレイン「なは」編成が取り込まれた熊本車両センターの中が伺えそうな場所はないか、周辺の公道をウロウロしてみる。



辛うじて熊本車両センター内に留置された「なは」用24系25型寝台客車の姿が見える場所を発見。ここって九州新幹線工事の現場のまん前だな。
向こうにB寝台1人用個室車「ソロ」が停まっているのが見えるが、あれはさっき熊本駅に到着した「なは」編成とは別の車輌。
その奥の方で、回送されてきたばかりの「なは」編成が入れ替え用ディーゼル機関車DE10に推されて移動しているのが見えるが、屋根しか確認できない。
「この場所のすぐ隣に建ってるあの高層マンションの上の部屋からは、『なは』入れ替えの様子の一部始終が眼下に見えるんだろうな。羨ましい!」


ブルートレインの寝台車が並ぶ横で建設中の新幹線の高架橋が完成する頃、ここからはブルートレインの姿は消えている。
寂しい…



帰り道の途中、熊本市の南端の川尻町で「酒蔵まつり」をやっていたよ。
ここは熊本ではお屠蘇として飲まれる「赤酒」で有名な「瑞鷹」の酒蔵。
特別醸造酒の試飲なんかをやってて、ちょっと飲んでいきたかったけど自転車でも飲酒運転は御法度なので残念ながら素通り。

帰り道ではポツポツ雨が降りだしたりしたけど、幸い本降りにはならずちょっと身体がお湿りになったけど無事に昼前に下宿に帰着。
「ああ、お尻が死んだ…今度から、この自転車に乗る時は座布団必携だ!」でも、ブルートレイン「なは」の最後の晴れ姿を堪能できて良かった。

「…だけど、やっぱり列車は乗るものだね。見てるだけだと寂しいよ。」
だから乗ります。今週金曜日3月14日熊本発、ブルートレイン「なは」上り京都行き最終列車。
「なは」ファイナル・ランまで、あと5日。

小惑星探査機「はやぶさ」情報:提供 JAXA宇宙科学研究本部
天燈茶房TENDANCAFEは日本の小惑星探査機「はやぶさ」を応援しています

「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーン
天燈茶房TENDANCAFEは「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーンを応援しています

COUNTER from 07 NOV 2007

ブルートレインを追え!

2008-03-09 | 鉄道
写真:京都駅に入線するブルートレイン「なは・あかつき」

新今宮駅から大阪駅までの170円のきっぷで大阪近郊区間を大回り乗車して、1日がかりで琵琶湖を一回りしてきた僕は、夜の京都駅に到着した。
ここから大阪駅まで、大回り乗車の最終区間を、終焉間近のブルートレイン「なは・あかつき」を追跡しながら移動しようと目論んだ訳だ。

平成20年3月1日 19:30頃
向日町の車輌基地から回送されてきた「なは・あかつき」となる編成は、一旦京都駅構内を通過して東京方に引き上げ、発車時刻の10分ほど前に7番乗り場に据え付けられる。
7番乗り場には既に多くのギャラリーが「なは・あかつき」の入線を待っている。

やがて、ヘッドマークを掲げた機関車EF66を先頭に碧い列車が入線してきた。



たちまち、先頭に立つ機関車や最後尾の客車から切り離される回送機関車の周辺には人だかりが出来て「撮影会」が始まった。それを尻目に、「なは・あかつき」の到着を見届けた僕はすぐに隣のホームに移動、5番乗り場から19:59発の新快速姫路行きに乗り込む。
京都駅の構内を出て行く新快速の最後尾乗務員室窓から、3分後にこの新快速を追いかけるように発車する予定の「なは・あかつき」の機関車の前照灯が輝いているのが見えてすぐに小さくなった。


新快速は僅か24分で新大阪に到着。ちょうど隣のホームから青森行きのブルートレイン「日本海3」号が発車していった。この「日本海」も3月15日のダイヤ改正で2往復中の1往復が廃止削減されてしまう。


20:28、「なは・あかつき」が新大阪に到着。
鮮やかな塗装の座席車「レガートシート」に輝くテールマークを見てから、すぐに大阪方面行きの普通列車に乗車。再び先回りを試みる!


20:41、「なは・あかつき」大阪駅に到着。
かくして、京都・新大阪・大阪の3つの駅でブルートレインを追いかけて、いや正確には先回りして到着を迎えることが出来た。ブルートレイン追跡、成功!
そして、大阪駅到着と同時に、新今宮駅から王寺・奈良・加茂・柘植・草津・米原・近江塩津・近江今津・京都と大回りしてきた大阪近郊区間大回り琵琶湖一周の旅も無事ゴールイン!


20:47、大勢のギャラリーに取り囲まれたブルートレイン「なは・あかつき」は熊本と長崎に向かって大阪駅を発車していく。
行ってらっしゃい。残り僅かな日々、どうぞよい旅を…


「なは・あかつき」を見送ってから、自動改札に今日一日使い倒した170円きっぷを投入。午前10時過ぎの使用開始から既に10時間以上経過しているので、ひょっとしたら警報が鳴るのではないかとヒヤヒヤしたが、何事も無かったかのように機械に吸い込まれていった。
液晶画面に当たり前のように表示された「ご利用ありがとうございました」の文字だけが、僕の今日1日の修行というか苦行というか愚行を慰めてくれているような気がした。


さあ、僕も熊本に帰ろう。
今夜の「なは」は満席で寝台券が買えなかったが、この後遥々東京からやってくる熊本行きブルートレイン「はやぶさ」の寝台券を購入してある。
熊本から来る時に乗った「なは」と同時に京都往復割引きっぷで購入したので、「はやぶさ」の寝台券も京都発になっている。このまま大阪駅で待っていてもいいが、せっかくだから京都から「はやぶさ」に乗りたい。
そんな訳で、再び京都に移動。これもせっかくだから京都までは、大阪23:27発新潟行きの夜行急行「きたぐに」に乗って行くことにする。
「きたぐに」は日本で唯一の寝台電車581/583系を使用する珍しい列車。ちなみにこれが、北陸本線で使われていた「食パン電車」の元になった車輌。そして奇しくも以前、「なは」にも使用されていたことがある車輌。


「きたぐに」には自由席座席車があるので、京都までの片道切符に急行券を追加購入するだけで乗ることが出来る。
この向かい合わせの座席が、実は背もたれを倒し延ばしてから壁に収納された上段を倒すと3段式のB寝台にもなるんですが、想像できますか?


午前零時1分前、京都着。
京都駅はコンコースも駅前広場も真っ暗闇。これから「はやぶさ」が来るのに寂しい…


0:37、「はやぶさ」到着。
「はやぶさ」の車内も既に消灯され真っ暗。暗い中、自分のベッドに辿り着き、すぐにリネンを敷いて寝てしまった。今日は1日中列車に乗ったり追いかけたりでさすがに疲れました。

翌朝、目が覚めると列車はもう関門トンネルを通過して九州内を走行していた。


平成20年3月2日
11:48、「はやぶさ」は定時に終着駅熊本に到着。


3月15日のダイヤ改正以降も「はやぶさ」は運行を続けるが、来年以降に廃止されることが既に決定しているという。
せめてその名を分けた宇宙船、小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還する2010年6月までは走り続けていて欲しかったのだが…
前人未到の小惑星からのサンプルリターンという使命を背負い、満身創痍で地球を目指す宇宙船「はやぶさ」は、今日も静かに飛び続ける。故郷に帰る、その日まで。
「はやぶさ」、3回目の遠日点を無事通過(JAXA宇宙科学研究本部トピックス)

地上の「はやぶさ」も、任務を全うして黙々と走り続ける。最後の終着駅に到着する日まで!

小惑星探査機「はやぶさ」情報:提供 JAXA宇宙科学研究本部
天燈茶房TENDANCAFEは日本の小惑星探査機「はやぶさ」を応援しています

「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーン
天燈茶房TENDANCAFEは「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーンを応援しています

COUNTER from 07 NOV 2007

そうだ、琵琶湖をひとまわりして来よう。大回り乗車で!

2008-03-07 | 旅行
写真:大阪近郊区間の終端、近江塩津駅にて

終焉間近のブルートレイン「なは・あかつき」に乗って京都にやって来た僕は、和歌山のねこの駅長さんに会いに行ってから妹夫婦宅に転がり込んで一晩やっかいになり、さて今日は夜中に京都駅から熊本行きブルートレイン「はやぶさ」に乗って帰るのだが、それまで何をしようかなと考えた。
「そうだ!せっかくJRの大阪近郊区間の中にいるんだから、"大回り乗車"で琵琶湖を一周してこよう!」

ちょっと補足説明しておきます。
JRでは東京(首都圏)・大阪(京阪神圏)・福岡・新潟の近郊に大都市近郊区間というものを設定しており、それぞれの大都市近郊区間内では「大都市近郊区間内相互発着の普通乗車券及び回数乗車券を所持する旅客は、その区間内においては、その乗車券の券面に表示された経路にかかわらず、同区間内の他の経路を選択して乗車することができる(旅規第157条第2項)。」という特例がある。

…要するに、「大都市近郊区間内では自分の好きなルートで乗っていいよ、ただしルートが重複したり同じ駅を2回通ったりは出来ません、悪しからず!」という意味です。と言う事はつまり、うまく遠回りのルートを設定すればとんでもない長距離を初乗りのきっぷで乗車することが出来るのだ。
同じ経路を二度と通れないことや可能な限りの遠回りをすることから「一筆書き」とか「大回り」と呼ばれるこの乗り方は、鉄道ファンの高度な知識とテクニックを駆使した知的ゲームとして、或いは究極の無意味な暇つぶしとして一部好事家の間で知られていたのだが、最近ではどういう訳だか世間は「鉄道ブーム」ということになっているらしくてこの「大回り乗車」もマスコミで取り上げられたりするようになり、認知度も上がってきていると聞く。

前置きが長くなりましたが、今日は夜中まで暇なので、大阪近郊区間を大回り乗車して初乗りきっぷで琵琶湖をひとまわりしてみようかなと思った訳です。

平成20年3月1日
一晩世話になった妹夫婦とちいさなmomoちゃんと別れ、京阪電車で大阪方面へ。
まずは南海のターミナル駅なんばへと向かう(bbsawaさん、鉄道情報のコメントありがとうございます)。


個性派揃いの南海車輌が並ぶなんば駅。ヨーロッパ風の行き止まり式ホームに列車がずらりと並ぶ様は壮観。
中でもひときわ個性的なのが…


関西空港行き、空港特急ラピート。
このデザイン、間違いなく日本一、いや世界一強烈な列車だ!


「レトロフューチャー」がラピートのデザインコンセプトだそうだが、確かにどこかクラシカルで、「子どもの頃に夢見た未来」を感じさせる。
ブリキのロボットのような、或いは小松崎茂の描くイラストのような、とでも言おうか。


こちらは"ズームカー"こと「こうや号」。
ラピートとは対照的に大人しいデザイン。でも高速走行も出来るし山岳路線もグングン登る高性能車輌。

なんば駅で南海の列車達を楽しんでから、一つ隣の新今宮駅へ。
地下連絡通路の「戎うどん」で朝食。昨晩はkamiちゃんmogmog夫妻と一緒にワインで乾杯して大盛り上がりだったせいで二日酔気味だし、軽めに「かけ」を注文するが、これが美味い。流石、大阪。
腹ごしらえも済んだ。南海の改札を出るとすぐ向かいがJR西日本の新今宮駅だ。さて、そろそろ出発するか、「大回り琵琶湖一周初乗りきっぷの旅」!!


とか言いながら、初乗り120円ではなく新今宮駅から大阪駅までの170円のきっぷを購入。これは後で、ある「追っかけっこ」をするため。
自動改札に170円きっぷを放り込んで、大回りの旅スタート!


まずは、10:23発大和路線の区間快速高田行きに乗車、王寺へ向かう。
10:44、王寺着。


王寺から、10:49発の奈良行き普通列車に乗り換え。
空模様が怪しくなり、ポツポツ冷たい雨が降ってきたかと思うと陽が差す。
奈良駅に到着する頃には、すっかり本降りに。まあどうせ駅の改札から出ない(出られない、出たら即アウト!新今宮からここまでの正規料金の差額を請求されてしまうのだ)からいいけど。
しかし、奈良は高校の修学旅行と、社会人になってからも一度大学の友人Iと大仏さんを見に来たなぁ何年前だっけ?
でも今日は大仏さんには会えない。ひたすら遠回りして琵琶湖を目指すのみ!
11:04、奈良着。


奈良からは11:12発の大和路快速で加茂へ。11:29、加茂着。
あれ?加茂駅は以前、大学生の頃に青春18きっぷで日本縦断中に来たことがあるけど、あの頃は何にもない野原の中の駅だった気がするのに、いつの間にかマンションが建ち並んでるなぁ。


加茂駅から先は関西本線の非電化区間になるので、ここからはディーゼルカーの旅。
12:11発、亀山行きに乗車。


関西本線は名目上は名古屋と大阪を結ぶ幹線なのだが、加茂から三重県の亀山までの区間は山越えをする上に電化されておらず、完全にローカル線然とした閑散区間。
美しい雨の渓谷のなかを、ディーゼルカーは走っていく。


13:06、草津線との接続駅の柘植に到着。



柘植駅は無人駅なので、列車を降りる際に運転士氏による乗車券運賃の回収があるのだが、新今宮から170円のきっぷを見せて相手が怪訝な顔になる前に素早く「大回り乗車です!経路は、奈良、加茂、柘植、草津、米原…」と状況説明しかけると「ハイハイ、結構ですよ」とすんなり通してくれた。同じような酔狂な旅をしている同好の士が多いんだろうか?対応が手馴れている。
ただ、周囲の乗客からは思いっきり好奇の視線を注がれたが。やっぱりちょっと恥ずかしいですね、はい。

プラットホームの色褪せた案内板によると、ここは松尾芭蕉の生誕地だそうだ。
兵(つはもの)どもが夢のあとのような関西本線の旅を終えて、13:27柘植発。東海道本線の草津へ向かう。
mogmogが持たせてくれたおにぎりを頬張りながら、途中、貴生川では狸の焼き物で有名な信楽へと向かう信楽高原鐡道のレールバスを眺めて、14:11草津着。天気もすっかり回復。


草津14:28分発、米原行きに乗車。既に4時間近く列車に乗りっぱなしなので、そろそろ乗換えがしんどくなってきた。
いかんいかん、学生時代は青春18きっぷで2~3週間連続乗車してても平気だったのになぁ…やはり三十路を過ぎると体力が…などと愚痴っているうちに、15:16米原に到着。ホームに降りると「寒い!雪が積もってる!!」

こんな寒い時は、身体の中から暖めるに限る…と、ホームの立ち喰いそばに舌鼓。
この米原駅の立ち喰いスタンドは、以前に青春18きっぷのポスターに登場したことで旅行好きの間では有名な店。10年以上前の話なので、最近は知らない人も多いだろうが。


立ち喰いそばで暖まってから、16:03発の新快速近江塩津行きに乗車。
いつの間にか米原から北の交流電化区間も直流に切り替えられて、近江塩津や敦賀まで新快速が直通するようになったんだねぇ。。。何か僕の中では今でも長浜駅のホームで「食パン電車(北陸本線の交流区間へ直通できる、寝台特急電車改造の変り種名物電車)」が乗り換え客を待ってる情景が目に浮かぶんだが。。。


琵琶湖の湖畔を行く新快速、車窓には鉛色の冬空と、雪を頂いた伊吹山。
3月に入ったとはいえ、厳しい冬の佇まい。


余呉湖をちらりと車窓左手に見てトンネルに突入した新快速、トンネルを抜けると左側から湖西線が合流してきて、終着駅近江塩津に到着。
駅構内を大阪行き特急サンダーバードが駆け抜けていく。



「着いた~!」16:35、近江塩津駅到着。
ここが大阪近郊区間のどん詰まり、琵琶湖の北岸の駅だ。
雪の積もったホームに降りると、北へ向かう貨物列車が通過していく。


「本当に新今宮から170円でここまで来れるんだねぇ」
まあ本当に「ただ来るだけ」で、改札を出る事は出来ませんがね。
近江塩津駅から見える風景は、山裾一面の田圃と集落、それに北陸本線と湖西線の線路。そして雪景色、日暮れ空…

どこからか学校の下校時間を知らせるオルゴール放送が聞こえてくる。「♪お手手つないで皆帰ろ、からすと一緒に帰りましょう…」
僕も帰ろうかな。


近江塩津17:11発、近江今津行きは521系という新型車輌か。最近は全国各地で多種多様な新型車両が投入されてるから、全然解からないな。ああ、不恰好だったけど乗り心地が良かった「食パン電車」が懐かしい…
ちなみにこれ、トップナンバーの第1号車輌です。

日暮れの琵琶湖西岸を走り、17:32近江今津着。ここで17:41発京都行きに乗り換え。
大回りの疲れでウトウトしてしまい、気がつくと京都駅に到着するところだった。一日お疲れ様でした、我ながら。
18:51、京都着。

京都駅のホームの立ち喰いスタンドで夕飯。ああ、今日は結局三食共立ち喰いそばかうどんだった。いや、草津線の車内でmogmogがつくってくれたおにぎりも食べたから、今日は4食もしてるぞ、食い過ぎ?
とか何とか言いながら、うどん鶏そぼろ丼セットをしっかり掻き込んで、ホームを歩いていると見覚えのある碧い車輌が入線してきた。
「来た!京都発熊本・長崎行き寝台特急『なは・あかつき』になる回送列車だ!」
さあ、今から大回りの旅の総仕上げ、京都→新大阪→大阪「なは・あかつき」追跡だ!

ブルートレインを追え!

という訳でまだ続きます。


やれやれ、まだ列車に乗るの?byももちゃん

小惑星探査機「はやぶさ」情報:提供 JAXA宇宙科学研究本部
天燈茶房TENDANCAFEは日本の小惑星探査機「はやぶさ」を応援しています

「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーン
天燈茶房TENDANCAFEは「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーンを応援しています

COUNTER from 07 NOV 2007

そうだ、ねこの駅長さんに会いに行こう。わかやま電鉄に乗って!

2008-03-05 | 旅行
写真:貴志駅の駅長「たま」さんを枕にして眠る助役の「ミーコ」さん

平成20年2月閏29日
廃止間近のブルートレイン「なは」に乗って京都駅に到着した僕は、さてこれからどうしたものかと考えたが、結局京都の街に足を踏み出すことなく和歌山へと向かった。
和歌山のローカル鉄道の終着駅にいる、ねこの駅長さんに会いに行くのだ!

ねこの駅長さんがいるのは、JR和歌山駅から分岐するわかやま電鉄貴志川線の終着、貴志駅。
元々、関西大手私鉄の南海電鉄の一路線だった貴志川線だが、路線廃止が検討されたのを機に地元住民が中心となって路線存続に向けた取り組みが展開され、見事に新会社「和歌山電鐡」として再スタートを成し遂げた。
3月一杯で部分廃止される島原鉄道のように、苦境に立たされ、あえなく消滅していく地方ローカル鉄道が多い中で、住民本位の積極的な支援で鉄道が再生した喜ばしいケースである。

そんなわかやま電鉄の名を一躍有名にしたのが、終着駅のねこの駅長さん「たま」。
和歌山電鐡の社長さんが「何か手伝うかと声掛けしましたら、何でも手伝うというので(同社ホームページの「ごあいさつ」より)」貴志駅の駅長に就任した三毛ねこちゃん。ちなみに「たま」さんの母ねこ「ミーコ」さんと、友達?の「ちび」さんも同時に助役に就任しているそうな。
「たま」さんの駅長就任は全国的に話題となり、以来、ねこの駅長さん達に会いに全国からねこ好きの人達がわかやま電鉄に乗って貴志川駅を訪れるようになり、同鉄道の運賃収入アップに大いに貢献しているとか。
最近では写真集も発売された他、その働きぶりを会社にも認められた「たま」さんはとうとう課長職である「スーパー駅長」に昇進したりと、まさに大活躍中のねこさんたちなのだ。

ねこ大好きで鉄道も大好きな僕としては以前から一度会いたいと思っていた「たま」駅長さんたちのいる貴志川駅を目指し、一路和歌山へ。
とは言え、京都からJRで直行してしまうのはつまらない。せっかく関西に来たのだ、関西の個性的な私鉄を乗り比べしながら行く事にする。
という訳で一旦JR京都駅の改札を出て、京都市営地下鉄烏丸線で四条駅へ。
ここで烏丸駅から発車する阪急京都本線の特急に乗り換えて梅田へと向かう。

ブラウンの車体色がシックな阪急電車、乗るのはこれが初めてだが、車内も落ち着いた感じで好ましい。でも余りに落ち着いた雰囲気のせいで夜行列車明けの眠気に負けてすっかり寝入ってしまった。途中、JRの東海道新幹線や東海道本線と並走する区間もあると聞いていたのに車窓を楽しめず残念。


大阪のターミナル駅、梅田に着いた。ヨーロッパ風の行き止まり式のホームが並ぶ、これまたシックでお洒落な駅。
さて、ここから大阪市交通局の地下鉄御堂筋線に乗り換えて天王寺に行こうと思い自動改札を通ろうとするが、地下鉄線直通で買った阪急のきっぷが弾かれて通ることが出来ない。駅員さんに聞くと「お客さん、このきっぷは淡路駅での乗り換え専用ですぅ。どないされます?」(←関西弁がわざとらしく感じるかも知れないけど、こういう感じに聞こえるんですよホント)
どないもこないも、淡路という駅まで戻るしかない。淡路から地下鉄天下茶屋駅行きの直通電車に乗り換え、後は車内の路線図を頼りに適当に乗り換えて、何だかんだでようやく天王寺駅に到着。ああ、面倒くさい。


天王寺からは、大阪で唯一の路面電車が走る阪堺電車に乗り換えて、大阪の街を南下。
阪堺電車の沿線はのんびりした大阪の下町が続く。




のんびり阪堺路面電車の旅の終点、浜寺駅前駅に到着。
この近くに南海電鉄の浜寺公園駅がある筈なんだけど、どこかな?
適当にあたりをつけて歩いていると、マンションの建ち並ぶ通りの奥に見事な構えの駅舎が見えてきた。和歌山市までのきっぷを券売機で購入していると、どこからか正午の鐘が聞こえてくる。


浜寺公園駅には特急は停まらないので、丁度やって来た普通列車に適当に乗車。途中駅で追い越しの急行に乗り換えたら、これが途中駅のみさき公園止まり。結局2回の乗換えで、昼下がりの和歌山市駅に到着。改札脇の立ち喰いうどんで昼食。

さて、和歌山に着いたが、和歌山市内にはここ南海電鉄の「和歌山市駅」とJR西日本の「和歌山駅」の2つのターミナル駅が存在し、「たま」駅長のいる貴志駅へと向かうわかやま電鉄貴志川線はJRの和歌山駅に発着する。南海和歌山市駅とJR和歌山駅との間はJR線の電車が連絡しているが、次のJR和歌山行きは1時間後。
ええい、待つのもかったるい、歩くぞ!同じ市内だ、そんなに遠くないだろ…


しかし、案外遠くて結局30分以上歩いてようやくJR和歌山駅に到着。天気がいいので、歩いてるとああ暑い!


ようやく貴志川線の電車に乗れる。
JR和歌山駅の一番端っこのホームで待っていた、南海時代のままの塗装の電車には、「いちご電車」のヘッドマークが。
和歌山駅を発車するとすぐに沿線は一面の田んぼが広がり、やがて山沿いに走って行く。約30分、楽しい小さな電車の旅を終えて、とうとう「たま」駅長のいる貴志駅に到着!



駅前に出ると、いました!ねこの駅長さん達!
三毛猫の「たま」駅長と、母さんねこで助役の「ミーコ」さんが日向ぼっこ中。



この子が、貴志駅長にして和歌山電鐡課長職のスーパー駅長「たま」さん。
ちなみに終身雇用で、給与はキャットフードの現物支給だとか。


こちらは助役にして駅長の母「ミーコ」さん。
ナデナデしても動じません。肝っ玉母さん。


この日はぽかぽか春のような陽射しだったので、絶好の日向ぼっこ日和とばかりに親子でお昼寝。
「たま」駅長に会いに来たねこ好きのお客さん達に囲まれても、全然気にしません。なかなか大物だ。
それにしても、「ミーコ」さんは「たま」駅長を枕代わりにするのが好きなようで、「たま」さんはいつの間にか母に乗っかられてつぶれてます。

ねこ駅長さん達と会えて遊べて、大いに満足。遥々ここまで来た甲斐があったというものだ。そろそろ夕方だし、さあ帰ろう!
帰りに乗ったのが、これ。「いちご電車」。
行きに乗った電車に付いていたヘッドマークは、この電車のマークだったんですね。

貴志川線沿線の名産品であるいちごをイメージして生まれた「いちご電車」、ねこ駅長と並ぶわかやま電鉄名物である。
ちなみに「いちご電車」のデザインは僕の地元を走るJR九州のエグゼクティヴ・プロデューサーで九州新幹線「つばめ」のデザイン仕掛け人として知られるデザイナー水戸岡鋭治さんによるものなので、何となく地元JR九州の車輌と印象が似ていて親しみを感じる。


車体の側面に路線の駅名を列記するロゴは、JR九州の特急「ゆふ」「あそ」と同じ手法だ。いかにも水戸岡さんらしいデザインです。


車内はこんな感じ。う~ん、暖簾がいかにもJR九州してますねぇ(JR九州の列車は車内に暖簾を下げてるものが多いのだ)。

暖簾の上には、「いちご電車」のサポーターの皆さんの名前が並ぶ。みんなに支えらて走るみんなの「いちご電車」、いいですねぇ。
ねこ駅長といちごの電車がいるわかやま電鉄の合言葉は「日本一心ゆたかなローカル線になりたい」。素晴らしいです。
僕もこのローカル鉄道が大好きになったよ。


和歌山へ戻る途中、ちょっと寄り道。
和歌山電鐡の本社がある伊太祈曽駅で途中下車。ここで売っている「いちご電車グッズ」を、今夜一晩泊めてもらう妹夫婦への手土産に購入。もちろん、ついでに自分用にも購入。「いちご電車Tシャツ」の大人用サイズが売り切れだったのが残念。


伊太祈曽駅構内に停まっている赤い電車は、「いちご電車」と共にわかやま電鉄名物の「おもちゃ電車」。
子供部屋をイメージしたという「おもちゃ電車」、何と車内におもちゃ箱やカプセル入りおもちゃの自販機(あれ「ガチャガチャ」って言うんだっけ?)まで備えているという気合いの入った遊び心満載の電車で、これにも乗りたかったなぁ!
また今度、ねこ大好き人間の妹夫婦やUSACOを誘って、みんなで乗りに来よう。


楽しかったローカル鉄道の旅を終えて、「いちご電車」が和歌山駅に帰って来た。
また今度、遊びに来るね。さよなら、「いちご電車」。

和歌山駅から大阪直通の紀州路快速で天王寺へ向かう。途中、「最近、全然関西空港を使ってないなぁ…僕の人生最初の海外放浪旅行は関空発のアジア経由便だったなぁ、懐かしい。。。」とか思っているうちに、あっという間に天王寺に到着。
「阪堺電車と南海電鉄を乗り継ぐのに比べて、速っ!」

天王寺から地下鉄で淀屋橋に向かい、京阪に乗り換え。
京阪の淀屋橋駅のあまりの狭さに驚き(名鉄の新名古屋駅や台湾国鉄の台北車站よりも狭いターミナル駅があろうとは。。。)、京阪特急のあまりの豪華さに感心し(特別料金なしで2階建て車輌やテレビカーにも乗れるとは!)、到着した妹夫婦宅では出迎えてくれた仔ねこのmomoちゃんに大喜び。



今日は、鉄道とねこ尽くしの一日でした。
明日は何しようかな?
そうだ、琵琶湖をひとまわりして来よう。大回り乗車で!

という訳で続きます。

小惑星探査機「はやぶさ」情報:提供 JAXA宇宙科学研究本部
天燈茶房TENDANCAFEは日本の小惑星探査機「はやぶさ」を応援しています

「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーン
天燈茶房TENDANCAFEは「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーンを応援しています

COUNTER from 07 NOV 2007

そうだ、京都に行こう。ブルートレインに乗って!

2008-03-02 | 鉄道
写真:九州内でブルートレイン「なは・あかつき」を牽引する交流電気機関車ED76

平成20年3月15日のJRグループのダイヤ改正で廃止されるブルートレイン「なは」と「あかつき」。
京都と熊本を結ぶ「なは」は、アメリカ統治下時代に沖縄の早期本土復帰を願い名づけられたという「ヤマトンチュの想い」を背負った歴史的な列車であり、長崎発着の「あかつき」は関西と九州を結ぶ最初のブルートレインとして颯爽と登場した、これまた歴史ある列車である。
九州と関西で永年親しまれてきた名列車も、時代の流れと共に利用客が壊滅的に減少しており、その栄光と凋落に彩られた数奇な歴史を終えようとしている。あと2週間、ダイヤ改正前夜の3月14日に京都と熊本、長崎を発車する列車を最後に、夜の山陽路を走り続けた碧い列車達は消滅する。
「なは」と「あかつき」は今しか見られない、今しか乗れない!乗りたい!乗るしかない!!

「そうだ、『なは』に乗ろう。ブルートレインで京都に行こう!」

という訳で、乗ってきました。

平成20年2月28日 夜


「なは」「あかつき」終焉近しのニュースが大々的に報じられたこともあり、最近では両列車共に「名残り乗車」で大盛況らしい。実際、この週末の寝台券は完売しており、やむなく金曜日に有給休暇を取得して、空席のあった木曜夜に熊本発の「なは」のB寝台下段を購入することが出来た。
仕事を定時で切り上げて、身支度を整えて熊本駅に向かう。この「仕事を終えてからゆっくり旅立てる」というスタイルがビジネスユーズ向けのブルートレインの売りだったのだが、最近ではそんな悠長なことをせずに空路で日帰り出張する場合が殆どだからなぁ…
ともあれ、今夜は「なは」と一緒にじっくり過ごすための旅だ。同様に「名残り乗車」目的と思しき乗客も三三五五と集まってきた。
発車までのひと時、熊本駅のホームに据え付けられた「なは」編成との記念撮影に興じたりと独特の旅立ち気分が盛り上がる。
定刻の20:14、機関車ED76の汽笛一声、熊本駅を発車。一路、京都へと向かう。


今夜のベッド、開放式2段B寝台の下段。
幅70cmの座席兼用ベッドに、清潔なシーツと毛布、枕と糊の効いた浴衣にハンガー。必要最低限の備品と、あとは通路とプライベート空間を仕切るカーテンだけという簡素な設備はいかにも前時代的。
この開放式B寝台の基本的なスタイルは、驚くべきことに設計時の昭和40年代から殆ど変わっていない(但し、当初3段式だったベッドを2段にして居住性を良くする改善は施されているが)。
21世紀になって既に7年と2ヶ月が経過した今夜も、濃厚な「昭和の香り」を漂わせた質実剛健な空間が鉄路の上にあった。


昭和の残り香の一つが、これ。
窓枠に設えられたテーブルのふちに用意された「センヌキ」。ご丁寧に使用方法のイラストまで添えられている。
かつてアルミ缶やペットボトルの飲み物がまだ無かったころは、ビールもジュースも王冠のはまったガラス瓶に詰められて売られていた(らしい。昭和51年生まれの僕も、残念ながら列車に王冠付き瓶入りの飲み物を持ち込んだ記憶は無い。)。
そんな時代のノスタルジックな遺物が、いまだに現役で(というかそのまま放置されて)残されているのだが、このアナクロな「列車の栓抜き」、一度使ってみたいと前々から考えていたんですよ。
で、実際に前回「なは」に乗ったとき、車中に瓶入りビールを持ち込んでそれを実践してみたのだが、これがやってみると実に楽しい。ガッチリつくり付けられたテーブルの栓抜きは使い勝手が良く、王冠が心地良くスポーンと抜ける感触のせいでビールがより美味く感じられる程だ。
そんな訳で、開放式B寝台車に乗るときの秘かな楽しみである「テーブルの栓抜きでのビール瓶開栓」、寝台列車に乗る機会があれば是非お試し頂きたい。せっかくなので、その様子を写真と動画で紹介しておく。

まずはフタのカドをひっかけて…


ビンを上へこじる。
さあ、あとは流れる車窓の夜景を肴に飲もう!列車の心地良い揺れのせいで酔いが回るのも早いのは困ったものだが。



気分良く飲んでいるうちにも列車は鹿児島本線をどんどん北上、21:32に長崎本線とのジャンクション鳥栖駅に到着した。ここで長崎から来る盟友、寝台特急「あかつき」の到着を待ち、30分の大休止。
ミステリ好きな諸兄なら事件のアリバイ工作に利用できないかと考えを巡らすところだろうが、瓶ビールでほろ酔いの僕には格好の酔い覚まし散歩時間だ。
鳥栖駅名物かしわうどんの立ち喰いスタンドが既に閉店しているのは残念だが、それでも夜の冷気が心地良いホームに降りて歩き、ここまで「なは」をエスコートしてきた赤い機関車ED76が任を解かれ切り離される様子を眺める。




それにしても、長年の過酷な長距離走行に耐えてきた「なは」の車輌の傷みの激しさは目に余るものがある。廃止も間近で今更メンテをする必要もないとの考えなのかもしれないが、文字通りボロボロになって去り往く車輌たちに哀れさを感じる。
せめて最期まで、ブルートレインの名に恥じない艶やかな濃紺の車体でいて欲しかったのだが…




やがて長崎から「あかつき」が到着。そのまま「なは」の前方に連結し、一つの編成となって22:07に共に京都を目指し出発する。



「なは」編成の自分のベッドに戻る前に「あかつき」の車輌を歩いてみるが、JR西日本が所有する「あかつき」編成の車内の雰囲気はJR九州持ちの「なは」のそれとは微妙に違いがあることが分かる。
「あかつき」の車中は全体にシンプルなインテリアだが、通路にさり気無く可愛らしいイラストが飾られていたりして細やかな心遣いが感じられ、好ましい。


狭い通路の両側に多数のドアが並ぶ、「あかつき」のB寝台1人用個室「ソロ」。
まさに「走るカプセルホテル」


「なは」にもB寝台1人用個室「ソロ」が連結されているが、こちらはカーペットやパーティションの質感、照明にも「デザインのJR九州」らしいこだわりが感じられ、さながら「走るデザイナーズホテル」といった趣き。
但し基本的な設計や室内の広さは「あかつき」のものと殆ど同じだが。

一通り車内を見て回り、自分のベッドに戻ってダラダラ過ごす。
列車は福岡都市圏に入り、車窓は慌しいウィークデイの夜の賑わいが残っているが、坦々と京都を目指しひた走る「なは・あかつき」車中は既に消灯されてひっそりと寝静まり、外界と隔絶された夜汽車独特の静寂世界となっている。
それでも、僕はまだ寝ない。残り少ない「なは」との夜を寝て過ごすのが惜しい気持ちもあるし、それにまだ九州発ブルートレインの「儀式」が残されている。



23:31、九州最後の停車駅である門司に到着。
ここで「なは・あかつき」は機関車を関門海底トンネル専用の交流直流両用機EF81に付け替え、九州を離れる。
関門トンネルを潜る全てのブルートレインで連綿と行われ続けてきた深夜の駅での「儀式」を、寝ないで待ち続けていた乗客達が暗いプラットホームで見守る。

海底トンネルの湿度と塩害から電気機器類を護る特殊コーティングで身を固めたEF81に導かれて関門トンネルを潜り抜けた「なは・あかつき」は、本州側最初の停車駅下関で東海道山陽本線用の大型直流電気機関車EF66に機関車交換し、いよいよ深夜帯の旅へと入っていく。

九州を離れる僅か10分足らずの間に2回も機関車を交換する「儀式」も無事終り、夜の底の山陽路を駆ける「なは・あかつき」。簡素だが清潔感あるリネンが用意されたB寝台のベッドに横になって暗い車窓を見ているうちに、疾走する寝台車の刻む母胎のゆらぎにも似た心地良いリズムにつられていつしか意識も途絶え、気が付くと夜明け前の海に明石海峡大橋が雄大な姿を現していた。




やがて車窓に朝陽が昇る。
「なは・あかつき」号の迎える、新しい一日。
陽光に照らし出され、夜の闇を纏った濃紺の車体が黄金色に輝く。ブルートレインの最も美しい一瞬。


列車はいよいよ近畿圏に入った。大都市は既に目覚め、いつもと変わらぬ慌しい朝が始まっている。
人知れず夜を駆け抜けて終着駅京都を目指し、神戸と大阪の街並みをラストスパートする「なは・あかつき」を通勤電車が素知らぬ顔でかすめて擦れ違っていく。


平成20年2月閏29日午前7時53分、第32列車寝台特別急行「なは」号と、同じく「あかつき」号は定刻に京都駅に到着した
熊本から762.4キロ、鹿児島・山陽・東海道本線を約12時間で駆け抜ける、一夜の旅路だった。


朝の日差しを浴びる機関車EF66。
毎夜ブルートレインの先頭に立って闇を切り裂き疾駆し続けるが、本来は昭和43年に日本の物流の大動脈である東海道・山陽本線を大重量の高速冷凍貨物貨物列車を牽いて最高速度110キロで高速走行することを使命に誕生した、優雅な寝台特急牽引の任務とは縁のない筈だった大出力の大型機関車。
そんな厳つい野武士のような孤高の機関車にも、心なしか任務を全うした安堵の表情が浮かんでいるような気がした。
「老兵よ、お疲れさま。素晴らしい夜の旅をありがとう、EF66」

「なは・あかつき」は京都駅構内の東京方で入れ替えを行い、京都駅に再入線してから車輌基地のある向日町へと帰って行く。
向日町から迎えに来たもう1輌のEF66に連れられて引き揚げていく「なは・あかつき」編成を見送ってから、僕も京都駅を後にする。
せっかく京都に来たことだし、先日京都在住のbbsawaさんから素晴らしい銀閣寺の写真を見せて貰ったので京都の街を歩いて銀閣寺を見に行きたい気もしたのだが、また今度僕のパートナーのUSACOと一緒に来た時までとって置くことにする。

今日は、「そうだ、ねこの駅長さんに会いに行こう。わかやま電鉄に乗って!


写真:寝台特急「なは・あかつき」 京都駅にて

という訳で、そうだ、ねこの駅長さんに会いに行こう。わかやま電鉄に乗って!に続きます。
小惑星探査機「はやぶさ」情報:提供 JAXA宇宙科学研究本部
天燈茶房TENDANCAFEは日本の小惑星探査機「はやぶさ」を応援しています

「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーン
天燈茶房TENDANCAFEは「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーンを応援しています

COUNTER from 07 NOV 2007

「なは・あかつき」を追え!

2008-03-01 | 実況
大阪都市近郊区間の運賃特例を応用した「大回り乗車」の旅を終えて、京都駅に戻って来た。
「大回り乗車」を合法的に正しく完了させるためにこれから大阪駅に向かう必要があるが、東海道本線の新快速に乗る前に京都駅を出発するブルートレイン「なは・あかつき」を見送る。すぐに先行する新快速に乗って「なは・あかつき」を新大阪まで先回り。
それからさらに大阪駅でも先回り成功。
さて、再び京都駅に戻って、僕の今夜の宿である東京発熊本行きブルートレイン「はやぶさ」に乗らなくては。

大回り遠回りで近畿圏一周

2008-03-01 | 実況
今夜、京都駅でブルートレイン「なは・あかつき」を見送るまでの暇潰しに、「大回り乗車」で近畿圏を徘徊中。
大阪市内から奈良、加茂と乗り継いで、柘植から草津へ。
これから、琵琶湖を一周して京都に向かう。1日中これだけ列車に乗り倒して、運賃は初乗り百数十円、だからやめられないとまらない。但し、駅の改札口は出られないけど。