梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

家族の継承

2011-10-18 10:40:41 | 雑記
今私の会社にCADの勉強をさせて欲しいと他の会社から頼まれて来ている女性が居る、
20代の後半で大学を降りてから教師の免許を取り数年勤務したが教育現場の難しさとモンスターペアレント、そして教師社会の特異さに精神的に付いていけず退職、暫く保母をしていたらしいが此方も仕事が少なく臨時から中々抜けられない事もあり手に職を付けたいと知り合い経由で勉強をしようと思ったそうだ、
その彼女の妹さんが介護の仕事をしているらしい、我が家の長男も介護士である事から少し話をした。
介護の仕事はかなり時間が不規則で体力もきついがその割りに給料は実に少ない、
しかし彼女の妹は「この仕事が好き」だそうで明るく頑張っていると言う、息子の話や彼女の話から本当に高齢者問題は大変な問題になってしまったと言う話題に成った、
彼女の祖母は90歳を超えて他界したがその前10年近く痴呆の症状が出て自分の娘(彼女の母親)の顔も解らなくなったと言う話になった、
我が家の義理の母も他界する前3年ほどは娘の顔が解らなくなって居た、徘徊、後追いとなりやむを得ず施設に預かってもらおうと言っていた矢先に家で転倒し股関節骨折から寝たきりになってしまい結局特別擁護老人施設に入事になったのだが、未だに「施設に入れよう」とした決断が2人の傷になっていた、結果的にその遠い施設には入る事は無かったのだが親を見離すという事が悔恨の思いになっている、
「しかし、あの苦労は子供にはさせられないからどちらかが欠けたら施設に入る位の用意だけはしておかないとね」と言うと彼女は「そう言う親が増えたんですが、其れはおかしいと思う、子が親を見るのは当たり前の事で其れを苦労と思う事のほうがおかしいと思います」と言う、
「親の方がそう言う考え方をしても子供は其れを有難いと思うとは限らない、やはり子供が親を見る事が出来る様な社会にならなければおかしい」と言われた、
確かに今まで永い間家庭は親子数代が同じ家に暮らし、順番に育ち、没していった、
だからこそ子供の教育も家事の分担も上手く言っていたのだが昭和の後半から「核家族化」が進んできて今其れがスタンダードの様な状況に成ってしまった、
地方から仕事が無くなり仕事を求めて都会に若者が流れてしまい、生まれた地域で生計を立てるのが難しくなった事も大きな原因だが此れだけ核家族化が進行しているのは日本だけの様な気がする、
「日本は家系社会」だと言われたが実際今の日本は世界にもまれな世代断絶の家庭構造だ、
若い彼女に言われ自ら「子供に苦労を掛けたくない」と思うのは僭越な独りよがりだったかも知れない