福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

こころと体2022(91) 睡眠(5) 早寝早起きの歪みが睡眠不足として現れた

2022年11月22日 04時41分59秒 | こころと体
 早寝すれば、早起きしても寝不足にはならないはずである。

 しかし、私は後期高齢者になった。私のようにam1:00ないし2:00に起床するといった生活が、徐々に新たな歪みをもたらし始めている様だ。おそらく加齢による身体的変化が背景になってストレスに対応でき難くなっているのだろう。

 「睡眠不足症候群」というわかりやすい状態がある。
 私の外来にも、昼間の過剰な眠気を訴える患者さんが少なからずいる。しかし、それらの患者さんは必ずしも、睡眠時無呼吸症候群などの異常状態とは限らない。 単純な「睡眠不足」の場合もある。

 私もこのような状況に陥り始めた。要するに、日中の眠気が徐々に強くなってきている、ということ。昼間に微睡をとる必要が出てきた。

 私は睡眠に関する悩みはない。入眠は実にスムーズ、途中覚醒もない。ただ習慣的に夜間の睡眠時間が6時間前後になっているだけ。

 自身の睡眠不足の状態をESS (エップワース眠気尺度)に当てはめてみる。
 ESSは、1991年にJohn MWによって作成された8項目からなる尺度で、主観的な日中の過度の眠気を判断できる。英国胸部疾患学会のガイドラインで眠気の評価に使用することが推奨されており、世界各国で使われている。

 以下の項目について「うとうとする可能性」の強さを0-3点で評価するもの。私の状態を当てはめてみた。11-15点は予備軍、16点以上は重症、との判定になる。

1. すわって何かを読んでいるとき(新聞、雑誌、本、書類など) 2点
2. すわってテレビを見ているとき             1点
3. 会議、 映画館、劇場などで静かにすわっているとき             2点
4. 乗客として1時間続けて自動車に乗っているとき                    3点
5. 午後に横になって、休息をとっているとき                             3点
6. すわって人と話しているとき                                                   0点
7. 昼食をとった後 ( 飲酒なし)、                                                  3点
8. すわって手紙や書類などを書いているとき                             0点
                          合計14点

 要するに、私は重症により近い「睡眠不足症候群」に相当していた。

 日常的に読書や思考の後で一区切りつくと、急に眠くなる。身体活動の後も同様ですぐに眠くなる。
 それが最も顕著なのは嘱託医として働く中通総合病院の外来担当日である。外来時間は4-6時間と不定であるが外来を終了した途端に強烈な睡魔が襲ってくる。もう何もしたくないない。飯川病院にて1.5時間ほど午睡をとる。

 何10年も続けてきた外来でどうしてこんなに疲弊するのか??
 患者の対話とカルテの電子化の影響であろう。
 私の外来に通院している患者は高齢者が多いがそれなりに不安が強く救いを求めてくる。その診療内容は「常に慰め、時に治療する・・」であるが、これが疲れる。
 この疲弊はカルテの完全電子化以降のような気がする。高齢の医師にとってはカルテの電子化は辛い。ちょっとした入力の誤りでも容赦なく拒絶される。

 私は電子カルテの奴隷となっている。だから疲れるのだ。


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2 コメント

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Unknown (FUKUDA)
2022-12-01 07:00:11
 無事に退院され、原様の経過が順調そうで、その点ではお喜び申し上げます。

 「電子カルテの入力に躍起になって、患者をほとんど診ない医師と出会いました。
 常に医師の視線がパソコン画面に向いていて、患者の話は合間に聞くものの、ほとんど患者と向き合わない医師の存在を目の当たりにして、これで外来対応がこなせているのか?と多少不安になりました。こういう医師に限って、患者自身の訴えよりも検査データに重きを置きそれにこだわるのか??なる印象も抱き、多少の不信感すら抱かされたものです。」

 上記のご心配は全くその通りと思います。

 私の場合、ディスプレイは患者と私の間に置いています。したがって画面を見ることで患者が視野から消えることはありません。私の入力内容はリアルタイムに患者も見れる状態にあります。そのため「変換がおかしい、間違っています」、「スペルがおかしい」、とかいろいろ言われます。そのこと自体でも会話が進みます。
 検査結果も全て供覧します。他の医師の記述部分を除き、必要な内容はプリントをさしあげています。

 だから、私にとって電子カルテ化で苦情を言われたことは一切ありません。むしろ患者は楽しんでいます。
 
 実際には、画面に向かって「お大事に」、という医師がいるという笑い話にも頷けます。

 コメントありがとうございました。
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今回の膝複雑骨折にて入院中に。 (原左都子)
2022-11-24 09:36:05
その電子カルテの入力に躍起になって、患者をほとんど診ない医師と出会いました。
その入力能力の程は素晴らしいのですが…
常に医師の視線がパソコン画面に向いていて、患者の話は合間に聞くものの、ほとんど患者と向き合わない医師の存在を目の当たりにして、これで外来対応がこなせているのか?と多少不安になりました。
そういう医師先生に限って、患者自身の訴えよりも検査データに重きを置きそれにこだわるのか??なる印象も抱き、多少の不信感すら抱かされたものです。
とにかく無事に自宅に帰っております。 未だ全治3か月の身であり、1年後には膝の金属(針金)除去手術もありますが、とりあえず自宅で寛ぐ身です。
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