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同床異夢

2016年11月16日 16時01分05秒 | これからタイへ住む人へ~私の失敗談
日本へ居た頃の私の仕事はITエンジニアって奴で、当時の日本ではエロ写真を見たりの遊びで使われていたインターネットが仕事で使われ始め、設備は凄い勢いで増えて行き、初期不良もあるので故障も次々。夜も休日も呼び出されては働いた。一気に会社の業務は増えたが人材の育成が間に合わず、私は基幹ネットワークの担当だったが、プロバイダ部門の故障まで呼び出されたりもした。
それなりの評価も頂いてやりがいも有ったが、クタクタになって帰ると、飯も作らずにブアブア(退屈)言ってる妻で、内助の功ってのも無かったので、これはとても続かないと思い、花粉症など他にも理由があったので退職と移住を計画。それからタイへ土地を買ったり準備を始めて二年掛けて退職した。
団塊の世代が多い職場だったので、私が逃げた後は一回り上の先輩が最年少になり、仕事が集中したのか鬱病を発症して自殺。逃げなければ私だったかも知れない。

タイへ行ったらのんびりする積りで妻と話し合い、妻の了承を得ていたのだが、タイで実際に暮らして経済的に問題になったのは子供の教育費と車の維持費と医療費。
タイで暮らして妻が始めたのは、食品店と園芸店で月に1〜2万バーツの利益はあったので、食べるには困らなかったが、子供は集落の公立校にしか行けず最低の教育。私が住む集落で地元の公立校へ行かせるのは貧困家庭であり、学校の担任から可哀想だから街の学校へ転校させろと言われるくらい。字の正確な読み書きは難しいし、算数も掛け算辺りから怪しくなっていく。街の学校へ行かせれば、一番安い学校で年間1万バーツ。高いところで5万バーツくらいらしい。
車は遠出しなければガソリン代くらいは払えるが、年一回の税金と保険代の約2万バーツが払えない。2500ccの4ドアピックアップで、税金が年間4000バーツ程度、自賠責保険が千バーツ以下、任意保険がチャンヌン(一級)で、運転者限定を付けて1万五千バーツ前後。日本と比べて飛び石の窓ガラス破損が多いし、日本で20年間無事故だった私でも何度も事故。保険へ入らないなんて危なくて絶対に薦められない。
病院は妻が公立病院不信で私立総合病院へ行きたがったが、風邪で2千バーツ、高熱で入院すれば3万バーツ、骨折で手術すれば10〜20万バーツとなり、とても家業の収入では払えない。
移住前に、タイへ行っても普通の生活をしようと妻と話していたのだが、私が思う普通の生活とはタイの庶民の暮らしであり、妻が思う普通の生活とは、日本と同様の暮らしだったのでタイでは中間層だったのだ。同床異夢とは、このことである。

私が暮らしていた十年前の日本は、中間層=庶民だったと思うが、タイでは今でも中間層は庶民より数倍所得がある人達。庶民がやる商売を農村で細々とやっていたのでは、子供を街の学校へやったり、自家用車を維持したり、私立総合病院へ行ったりは出来ないのだ。
それから我が家の大騒動が始まり、収入を増やそうと農場を作ったり、羊歯の栽培実験を繰り返したりで、今まで来ている。零細な農園である我が家の家業には、昼も夜も無く、週末の休みも無い。働き詰めの妻を見ていると、辛くても私が会社員をやってた方が楽だっただろう。
子供を街の学校へ行かせ、車の維持費も何とか出るようになったが、いちいち風邪を引いたくらいで私立病院へ行くような余裕は全くない。風邪や軽い下痢くらいは、私が薬局で買った薬で済まし、他の病気や怪我は国立病院で治療するようになった。

タイは物価が安く、低所得でもそれなりに暮らせるイメージがあるようで、ブログのアクセス解析を見ると、タイでの生活費や学費で検索して来られる方が多いが、タイの物価が安いのはそれだけ質が低いのであって、日本と同質の物が安いのではない。安い物で済まそうと思えば、どこかを我慢しなければならない。物なら使えなくなれば買えば済むのだが、子供の教育には期限があり、勉強できるのは今しかない。ここを安く済ませてしまうと、後から泣くのは子供であり、貴方だ。我が子との同床異夢は悲惨な出来事を引き起こすだろう。

タイで10年生活した私から、移住前の私に言いたいのは、安易な計画で移住しないこと。タイは階級社会であり庶民的な生活をすれば安く過ごせるが、学校や病院の質には大きな格差があるのを理解しなければならない。どのレベルで生活するか家族としっかり話し合うべきだ。リスクが大きいので子連れの移住なんて避けるべきだろう。


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