前回の記事へ貼ったこの問題。
○Fe(NO₃)₃→○Fe₂O₃+○NO₂+○O₂の○へ数字を入れて化学反応式を完成させれば良いのだが、娘は解説を読んでも意味が解らないと言う。
酸化数を使って解いているらしいが、私はタイ語が分からないし、グーグル翻訳を通しても意味不明で、簡単な方法があるのに面倒臭い方法で解くのは大嫌いなので、読む気が起きない。w
「あのさぁ、このくらい元素の数を数えれば出来るだろう!」と言うと、「最近の入試は難問無しのスピード勝負だから、簡単で最速な方法をお願い♥」だと。
『○Fe(NO₃)₃の○へ1を入れても良いが、Fe₂O₃はFe₂だから、1Fe₂O₃とすると計算が楽になる。
そうするとFeが2個だから2Fe(NO₃)₃とする。
2Fe(NO₃)₃→1Fe₂O₃+○NO₂+○O₂
Fe(NO₃)₃へ窒素Nは3個。
2Fe(NO₃)₃だからNは6個あるから、6NO₂となる。
2Fe(NO₃)₃→1Fe₂O₃+6NO₂+○O₂
最後は酸素Oの数。
2Fe(NO₃)₃→1Fe₂O₃+6NO₂+aO₂としてaを探そう。
Fe(NO₃)₃のNO₃へ酸素Oは3個。
(NO₃)₃だからOは3×3=9個。
2Fe(NO₃)₃だから9×2で18個。
1Fe₂O₃は3個。
6NO₂は6×2で12個。
aO₂は2a個。
18=3+12+2a
a=3/2となるだろ。
2Fe(NO₃)₃→1Fe₂O₃+6NO₂+3/2O₂
分数になったから、2を掛けて
4Fe(NO₃)₃→2Fe₂O₃+12NO₂+3O₂
これをちょっとメモしながら頭の中でササッとやるのが普通だろ?』
…なんて説明してやると、「それならこれは?」と次の問題。
○NaOH+○CoCl₂+○H₂O+○Na₂
O₂→○Co(OH)₃+○NaCl
の○へ数字を入れて化学反応式を完成させる問題。
『あちこちにあるOとかHがないCoCl₂に着目して1CoCl₂とすると、1Co(OH)₃になる。
○NaOH+1CoCl₂+○H₂O+○Na₂
O₂→1Co(OH)₃+○NaCl
1CoCl₂はClが2個なので、それを使うNaClは2NaClとなる。
○NaOH+1CoCl₂+○H₂O+○Na₂
O₂→1Co(OH)₃+2NaCl
1Co(OH)₃へOが3個とHが3個。
2NaClへNaが2個あるから…
aNaOH+1CoCl₂+bH₂O+cNa₂
O₂→1Co(OH)₃+2NaCl
とすると、
Naを数えてa+2c=2
Oを数えてa+b+2c=3
Hを数えてa+2b=3
この連立方程式を解くと、
a=1 b=1 c=1/2なので
1NaOH+1CoCl₂+1H₂O+1/2Na₂
O₂→1Co(OH)₃+2NaCl
2を掛けて
2NaOH+2CoCl₂+2H₂O+1Na₂
O₂→2Co(OH)₃+4NaCl
係数1を消して、
2NaOH+2CoCl₂+2H₂O+Na₂
O₂→2Co(OH)₃+4NaCl
で完成。』と教えてやった。
ここで怒りが込み上がる私。
「お前さぁ、学校とか塾で何を勉強してんの?入試まであと一週間もないのに、こんなのが解けないってどういうこと?」と責め立てるが「だって、こんな風に説明してくれる人が居なかった…」と言い訳する娘。
私「じゃあ友達はどうしてんの?」
娘「仮の数字を入れて元素を数えてる」
私「全部そんな事をしてたら時間掛かるじゃん。」
娘「だから、パパは早い解き方を知ってるかな?って思って…」
そう言えば息子も高2の時に化学反応式が書けないので教えてやった。
日本なら私の様な底辺高(私の時は普通科だったが、余りにも進学実績が酷いからか、今は職業校になってしまった。w)でも理系なら苦労せずに解ける問題。
息子も娘も進学校なのに、どうなっているの?
それともうちの子供だけ解けない?
娘が学校で使う化学のノートを見たが、私が見たことも無い公式を多用して答えを導くばかりで、基本的な考え方がしっかり説明されてない様子。(娘が授業中にぼ〜っとして、説明を聴いてないかも知れないが…www)
こんなレベルで第一志望の医学部なんて通ったら奇跡。w
志望を変えるか浪人だなと思っているが、毎日夜遅くまで頑張る娘の前では口が裂けても言えない。www
もうこれで大丈夫だと思っていると、「これはパパの方法で解けないよ」と新しい問題を持ってきた。
○CrI₃+○H₂
O₂+○OH⁻ →○CrO₄²⁻+○IO₄⁻+○H₂O
の○を数字で埋めれば良い。
1CrI₃とすれば、Crが1つとIが3つなので、
1CrI₃+○H₂O₂+○OH⁻
→1CrO₄²⁻+3IO₄⁻+○H₂O
となる。
1CrI₃+aH₂O₂+bOH⁻
→1CrO₄²⁻+3IO₄⁻+cH₂O
とし、Hを数えると…
2a+b=2c ---①
Oを数えると…
2a+b=4+12+c
2a+b=16+c ---②
①-②
c=16
1CrI₃+aH₂O₂+bOH⁻
→1CrO₄²⁻+3IO₄⁻+16H₂O
HやOを数えて式を作っても、両方共2a+b=32と同じ式になり、解を求められない。
え〜い糞!面倒だけど解答を読んで酸化数を利用して解くか!
グーグル翻訳を通すと大体の意味が理解出来た。
他に方法が無ければ面倒でも読むしかないので頑張る。w
○CrI₃+○H₂O₂+○OH⁻
→○CrO₄²⁻+○IO₄⁻+○H₂O
へ1つずつ酸化数を書き込むと、
酸化数は、
Crが+3 →+6と+3 しており、
Iは-1→+7と+8している。
1つのCrI₃の反応で、酸化数は3+8×3=27増しており、27個の電子が奪われている。
この電子を受け取るのが
H₂O₂のOで、酸化数は-1→-2と1つ減っているので、1つのOで1つの電子を受け取っている。1CrI₃+○H₂O₂+○OH⁻
→1CrO₄²⁻+3IO₄⁻+○H₂O
H₂O₂にはOが2つあるので、27/2個のH₂O₂があれば、1つのCrI₃から奪われた27個の電子を受け取れる。
1CrI₃+27/2H₂O₂+bOH⁻
→1CrO₄²⁻+3IO₄⁻+16H₂O
2倍にして
2CrI₃+27H₂O₂+2bOH⁻
→2CrO₄²⁻+6IO₄⁻+32H₂O
Hを数えて
27×2+2b=32×2
54+2b=64
2b=10
2CrI₃+27H₂O₂+10OH⁻
→2CrO₄²⁻+6IO₄⁻+32H₂O
高校でこんな解き方をやった記憶は全く無し。(恥)
底辺校なので、「どうせ分からない」と教師が教えなかったか、私が熟睡してしまって睡眠学習から漏れたか?(大恥w)
年齢を四捨五入すると還暦になる今頃になって、高校化学の問題をパズルの様に感じて少しだけ面白くなってきた。
若い時に勉強すれば良かったのにね。www
週末の19、20日は頑張れよな!