タイ・ウドンタニは数日前から気温が下り、朝はTシャツ1枚では厳しくなった。
タイは四季が無いと言われる人が居られるが、乾季から寒季へ入った。
タイにも乾季→寒季→暑季→雨季と四季がある。(メンカーム説)www
で終わりだと思っていたが、息子から聞いた会社の話は、私が見聞きした日本の企業と様子が違ったので紹介したい。
あまり細かく書くと、息子の会社や息子自身が特定されるので暈して書くが…
息子が働く会社は、タイの財閥系企業グループへ属しており、グループ内へいくつかある上場企業の子会社だが、その子会社がグループ内の一部門を担当し、いくつかの孫会社をまとめて企業グループを作っている。
息子から話を聴いて最初に驚いたのは社長の年齢で30代前半。
それなら創業者一族だろうと訊けば違うそうで、欧米の有名大学卒らしく、高級スポーツカーで通勤。
息子は、新卒後に社会人経験が1年しかなくてもマネージャーで採用されたが、前職の経験を活かした新規分野なので社長直属。
部下は既存の社員が配属されるのではなく、欧米式に自分で採用して良いと言われたので、募集し自ら面接して採用。
リアルに顔を合わせての会議等が無い時は出勤不要だそうで、パソコンとネットがあればどこでも仕事は出来るが、社長からオーダーが出ると、解決するまでは土曜も日曜もなく、夜でも会議をしたりだそうだ。
仕事でバンコク周辺を移動する時は、会社の運転手付きアルファードが使え、タクシーを使わなくて済むので快適と喜んでいた。
前職の日系企業と比べると、新卒2年目なのに責任が大きな仕事を任され、仕事はハードで大変だが、それなりの評価と待遇を受けて会社から大切にされているのが判る。
私も経験したが、日系企業なら育成プランがあり、新入社員は様々な業務の経験を重ね、数年後に担当を決められて本配属されるのでは?(今でもやってる?)
タイの大学を卒業して日系企業へ就職した人達がそうやってステップを踏んでいる間に、タイ企業へ就職した人達は、大学で学んだ専門分野の知識を持つ人として分野を限って採用され、業務を経験して専門家となり、数年で管理職へ昇格し待遇へ大きな差がついたらどうだろう?
採用後に社内で経験を積ませて育成しようとする日系企業と、 専門知識がある人を即戦力として採用するタイ企業との方針の違いだろうが、タイの労働市場で日系企業の人気が無い報道を見る度に残念に思っている。
前の会社の社長から息子へ「待遇を見直すので戻らないか?」と電話があったそうだが、「どんなに待遇が良くなっても、約束を守れず社員を大切にしない会社で働いては駄目!」と教えておいた。
先進的な経営と日本では評判の企業だが、タイ企業と比べると社員の権限も待遇も足りない気がする。
私も日本で二十年間会社員をやっていたので、日本式の経営や雇用へ利点が多いのは知っているが、日本のやり方を社会構造が異なるタイへ持ち込んで、日本と同様の効果が得られるとは限らないだろう。
会社の意思決定には会議を積み重ね、社員は専門を問わずに採用して時間を掛けて社内で育成。
「ウサギとカメ」の童話ならカメが先にゴールするが、現実世界なら足が早いウサギが先にゴールするのではないだろうか?
求職しても企業から相手にされない爺な私が言っても説得力は無いけどね。www