バンコクで6月から2ヶ月間のインターンシップ(就業研修)中の息子。
毎日大学の寮からBTS(高架鉄道)とバスで通勤しており、始業30分前には出勤して仕事を始めている。
最初は現場で作業員として働いていたが、慣れると共にステップアップし、今は現場の管理職の助手として品質管理等の仕事をさせて貰っている。
初日に現場の主任から、「君は入社すると俺の上司にすぐなりそうだな」と言われたらしいが、インターン中に飛び越えて、担当する現場では上から二番目になったそうだ。w
大学生のインターンなので、現場で問題点を見つけて指摘しても口答えされたりするらしいが、黙っていると舐められるので立場上強く言うこともあるそうだ。
納品された物を検査して大幅に欠品しているし雨にも濡らしているのでサインを拒否すると、納品業者が腹を立てて「若い癖に!」と威圧して来て「新入社員だろ。お前、名前は!」と言われたのでそのまま答えると、日本名なので「げ!日本人=会社幹部」と勘違いしたのか、名前の前に「クン」と敬称を付けて呼び出し、態度をコロッと変えたそうで、「俺の名前は水戸黄門の印籠みたいだなw」と笑っていた。
日系企業なので、会議で通訳もするし、時間外勤務もあり、仕事を持ち帰る事もあるそうで、本当にリアルな就業体験をさせて頂いている。
卒業したら今のポストから始めるのでおいでと誘われたらしく、提示された初任給は5〜7万バーツの間と言われたそうだ。
タイで外国語を普通に話せると4万バーツくらいを提示されるらしいが、それより良い評価に喜んでいた。
今の会社へ出入りされる日系企業の方からも4万バーツでどう?と数枚名刺を頂いているそうだ。
インターンシップを申し込んだが回答を頂けるのが遅くて行けなかった会社からも先日電話があり、「何でうちへインターンに来ない?」と言われたらしいが、誘われたので夏休み中にそちらのセミナーにも参加すると言ってる。
声を掛けて頂いているだけで、実際にその条件で就職できるかは卒業してみないと判らないが、どこか雇ってくれるだろうと期待している。
息子の大学の友達も同様にインターンシップをやっているが、目的を持って会社を探し、積極的に研修の申込みをした学生は満足度が高いらしい。
中には実家の家業と同業の大手を希望し、海外輸出のノウハウを盗むと張り切るツワモノも居るそうだ。
特に目的もなく大学から紹介された企業へ行ったり、大学の研究室でインターンシップをやった学生は、ずっと作業員として単純作業をやらされたりで、文句を言ってるのも居るらしい。
息子は興味のある会社へ自分で電話し就業研修のお願いをして受け入れて頂いたが、先生へ希望も伝えず紹介されたままに行ったのでは、受け入れた企業側も学生のヤル気を感じられなかったりで難しいのではないだろうか?
女子学生が友達とペアではなく1人で、大学から紹介されたままに田舎の個人事業者へ泊まり込みでインターンシップへ行き、パワハラセクハラオヤジだったのでスマホで証拠を録音して逃げた話も耳にした。
お父さんは海軍幹部で下士官を連れて軍の車でお嬢さんを迎えに行ったらしい。
「もし俺がお父さんだったら、セクハラオヤジは簀巻きにしてチャオプラヤーだなw」と言うと息子は笑っていた。
息子が一年だけお世話になって止めた大学で同期だった友達が卒業。
私は息子の入学前から、そこでは就職に困ると教えていたが、やはり求人は有っても給与が月1万5千バーツ以下が多いそうだ。大学生の仕送りでも毎月そのくらい必要であり、今度は学生寮ではないので、家賃の高いバンコク等の都市圏では普通の生活が成り立たたない。良い就職先が無いと悩んでいる友達が多いそうだ。
日本だと就職後に企業内で研修育成するので大学で何を学んだかは重視されないらしいが、タイでは学部を指定されたりするそうで、卒業後の仕事に関する専門知識が学べる学部を選んだ方が就職に有利だろう。
外国語が必要な職場で外国語が普通に話せると、給料は月1万バーツ以上違うらしいが、外国語だけとなるとまた厳しいそうだ。専門知識+外国語が有利と聞いた。
あと一週間で刺激的なインターンシップが終わり、息子はまた田舎の実習施設へ。
このままバンコクへ居たいと言ってるが、戻れるのは数カ月先。バンコクで半年学んだら卒業だ。
社会へ貢献できる人になって欲しい。