ここまでタダで作った家

写真の建築途中の家。普通に造ればここまで数百万バーツはかかると思うが、実は１バーツも払ってないと近所で噂になっている。
それでは、どうやってここまでタダで造ったかだが、設計図を工務店へ渡して材料費・工賃込みで工事をし、竣工後に全額支払う契約をするだけである。材料費を込みで工務店へ工事を依頼すると、タイの多くの業者は材料の質を落として多くの利益を確保しようとする。そして適度に工事が進んだところで施主がチェックを入れると、設計図で指定したより質が低い建材が使われているのが分かる。そこで作り直しを要求するが工務店は材料を買い直すと赤字になるのでそのままで許してもらおうとする。しかし施主はあくまでも設計図通りを要求し譲らない。そこで工事が中断し、業者は材料費だけでもと請求するが壊して持ち去れと言われる。壊すとまた手間賃が掛かるのでそのままにし、施主は別の業者を呼んで工事再開。それを３回繰り返してここまで出来たそうだ。
タイはいい加減なように見えて契約社会だ。契約書を作ると、それをひっくり返すのは困難だ。タイの個人が使うような建築会社はいい加減な業者が目立ち、お金を持ち逃げするような悪質な業者も多い。消費者の無知を利用して先に多目の支払いをする契約書を作って、途中で逃げてしまうのだ。逃げても契約書通りだから言いに行くところも無い。こちらの施主は、後払いの契約をしてここまでタダで作らせたそうで、それなりに力を持った人なのだろうが、これはもう御立派としか言いようが無い。

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