わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動ろくろ36 (異形の作品を作る)

2020-02-19 14:48:07 | 続 電動ろくろに付いて

前回は楕円の作り方を紹介しましたが、それ以外に、真円でない作品を作る事が

できます。但し轆轤挽した後、何らかの方法で、外から力を加え、変形させる方法を

とるやり方です。

1)平皿を変形させる。

 ① 花皿を作る。

  平皿の縁を内側に立ち上げ、縁に高低差を設け、円周方向にも内外差を設け、

  花びらの感じを出す方法です。

  例えば、等間隔に五か所を立ち上げれば、梅の花の様になります。

  立ち上げる数や、その形に大小や高低を変化させれば、花びらの様子も変化し

  ます。立ち上げるには、轆轤挽直後に指や棒状の物で、外側から内側へ折り

  返す様にします。細い棒(なるたけ円形な物)では押した部分が小さく鋭く

  なりますが、太くて滑らかなカーブを持つもので、押さえれば柔らかい感じに

  なります。

  尚、轆轤挽後に若干乾燥させれば、作品は硬い感じになり、轆轤挽き直後で

  あれば、形がしっかりしませんが、その分柔らかい感じになります。

  棒等の用具を使うと、折り返した際に棒等の痕が残りますが、綺麗になくして

  も良く、そのまま残す場合もあります。

 ② ハート型の平皿や小鉢を作る。

  真円に轆轤挽した作品の一か所を内側に立ち上げればハート形の平皿や小鉢を

  作る事ができます。更に立ち上げた真反対側を、左右から押し付け、やや

  尖った形に変形すれば、より綺麗なハート型に成ります。

 ③ 多角形の皿や鉢を作る。

  真円の皿や鉢の縁を(不)必要な枚数を切り取ります。切り取る角度は自由に

  設定できます。切り取る場合直線でも曲線(弓なり)良いのですが、出来上が

  りの雰囲気は異なります。又隣同士の切り口を合わせて、鋭角にしたり、

  縁の円の一部を残す場合もあります。更に切り取る量に変化を持たせる事に

  より、動的な動きを出す事も可能です。切り取る形も左右対称形でない方が

  より動きが出易いです。

 ④ 花びら風に縁の一部を切り取る。

  例えば、真円の縁を数枚ハート型に切り取り、桜の花の様にする事もできます

  切り取る量を大きくすると、皿として十分広く取れなくなりますので、注意が

  必要です。勿論大皿であれば、気にする必要の無い事項です。

 ⑤ 皿や鉢の一部のみを持ち上げる(変形させる)方法もあります。

  円周の一部を立ち上げ、持ち易い形状にした器を見る事も有ります。

  実用的だけで無く、デザイン的要素を取り入れてた、器にする事も可能です。

 ⑥ その他の注意事項。

  ⅰ) 縁を持ち上げる際、底の近くから変形させれば、皿の中央付近か変形しま

   す。縁の近辺から変形すれば、器の中央部分は、丸皿同様に平らで広い面積

   を得る事ができます。どちらかにするかわ、作り手のセンスに拠ります。

  ⅱ) 底削りの必要な作品は、縁に高低差がありますので、直に轆轤上では削り

   難いですので、シッタ(湿台)を使う必要があります。

  ⅲ) 同型の平皿を作るのは難しい事と、各々重ね難いですので、収納し難い

   事です。尚同型で重ね易い器を作るには、型(土製や木型)が必要です。 


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