わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動ろくろ38(風船、管作り2)

2020-02-27 15:00:43 | 続 電動ろくろに付いて

前回の続きです。

② 管作り。

 ドーナツ状の形を造る方法です。即ち、円形で中空ので筒(管)を作ります。

 このドーナツ型から、一部を切り裂いたり、穴を開ける等して、好みの作品に

 仕上げます。普通の轆轤挽とは、若干異なる方法で行います。

 管の直径や太さを自由に調整可能です。作り方は以下の通りです。

 ⅰ) 手を使い土でドーナツ状の円を作ります。

  この段階では、中空ではありません。一本の紐状の土の両端を繋げても良いの

  ですが、繫ぎ目に空気が入らない様に注意します。出来れば一塊の土から切れ目

  のない、ドーナツ状に出来ればより良いです。

 ⅱ) 上記ドーナツ状の土を轆轤に載せ、轆轤挽して綺麗な形にします。

  轆轤に載せ、上部より円周上を拳固で軽く叩き、轆轤に密着させます。

  轆轤を回転させ、内側、外側、真上を抑え込みます。管の径が太い場合には、

  布や皮を使い抑え込みます。

  綺麗とは、太さが一定で、内外の円弧が同心円に成っている事です。

 ⅲ) 綺麗なドーナツが出来たら、円周上の真上から指を使って、溝を掘る様に

  し内外を二等分します。尚、一方を肉厚にし左右の合わせ目を真上にしない

  方法もあります。当然底になる部分の肉厚は必要です。

 ⅳ) 内外の土を上部に薄く延ばし、円弧の形に変形させます。

  即ち、外側は( の形に、内側は )の形にします。円弧の大きさは作品に

  応じて変えて下さい。円弧上の溝は狭いですので、指が1~2本入る程度で

  作業、ややは難しくなります。

 ⅴ) 両方の円弧の側面を左右から圧し、溝の上部を塞ぎます。

  轆轤を回転させながら、左右の円弧を少しずつ接近させます。

  一気に塞ぐのではなく、少しづつ接近させ溝跡がない状態にします。

  ドーナツが歪(いびつ)の場合、溝の隙間が均一にならず、一か所が接着した

  り点々とくっつく事もありますので、綺麗なドーナツを作る事と、溝も

  綺麗に掘り込む事が大切です。尚、手指で行う事も有りますが、布や皮を使う

  場合もあります。空気が完全に閉じ込める事が出来れば一安心です。

  中の空気が漏れなければ、ある程度変形する事もできます。

  例えば、四角い管を作る事も可能です。  

  塞ぐ前には、筒の内側の水はスポンジ等で綺麗に吸い取っておきます。

  又、ある程度乾燥したら、中の空気を抜く使い小さな孔を開けておく必要が

  あります。

 ⅵ) この管から、好みの作品を作る。

  管の断面を円にするには、底も円に削り出す必要があります。上面と下面の

  形状を同じ様に削るのは、意外と難しいです。

  この状態では、使いものに成りませんので、一部を切り欠いたり、断面を切り

  Uの字型にして、音叉形の花器を作る事もできます。又、ドーナツの内側に

  平たい板を取り付け、何らかの、飾り物に仕上げる事も可能です。

  更に、ドーナツの一部に水道ホースの挿入部を設け、ドーナツの上面に数か所

  の孔を開ければ、噴水を作る事もできます。この形状をどの様に使うかは、

  あなたのアイデア次第です。勿論、円を立てて使う事も出来ます。

以下次回に続きます。 


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