引き続き、下絵付けの話を、致します。
③ 下絵の具の使い方
) 粉末状の絵の具
粉末の絵の具は、100g単位で、市販されていて、一番経済的です。
(弁柄などの酸化鉄や、鬼板は、1kg単位で、販売されています)
a) この絵の具を、乳鉢に入れ、水を加えて、乳棒ですり潰し、更に粒子を細かくします。
又、水の替わりに、お茶を入れ、お茶の「タンニン」で、素地との接着を、強くする場合も
有ります。特に呉須類は、発色も良くなると、言われています。
b) 絵の具を濃く塗ると、本焼きで、上の釉を、弾く場合が有ります。
これを予防する為に、20%程度の釉(上に掛ける釉と同じ)を混ぜて、撹拌すると、良いです。
・ 絵の具は、若干濃い目に塗った方が、綺麗に発色します。
但し、鬼板の場合には、濃いと黒くなり、薄くなるに従い、茶色に変化します。
薄すぎると、色が飛び、発色しません。
c) 絵の具を、使用しない場合には、埃(ほこり)が入らない様に、乳鉢に蓋をして置きます。
埃が入ると、絵の具に「むら」が出ると共に、釉を弾く事に成ります。
) チューブ入り絵の具
a) 水彩絵の具の様に、直ぐに、使える状態になっています。
チューブより、器(絵皿など)に押し出し、水を加えて、筆などで練り、濃度を、
一定にします。加える水の量で、濃度を調節します。
b) 絵の具が、チューブの中で、固まり、取り出せない場合には、チューブを破り、塊を取り出し
細かく砕いてから、水を加えて、良く練りますと、問題なく使えます。
) クレパスの場合
a) 棒状に成った、絵の具で、直接素地に、クレヨンの様に、描く事が出来ます。
絵の具同士が、混ざり難いですので、重ね塗りをしても、余り問題に成りません。
但し、他の絵の具よりも、薄くなり勝ちで、描いた線が出て、面で表現し難いです。
どちらかと言うと、「あっさり」した感じに、仕上がります。
b) 棒状の物を、砕いて水に溶かし、筆で塗る事も、可能です。
④ 絵付けの技法
絵を描く前にする作業
a) 素焼した作品の、汚れや「ほこり」を、取り除いて置きます。
即ち、削りカスなどが、付着している時には、「紙ヤスリ」を使って、削り取り、その後
きつく絞った、スポンジで、水拭きして、表面を綺麗にしておきます。
b) 素地に絵柄や線を、下書きして置きます。
即ち、墨、赤インク、鉛筆(HB程度の濃さ)などで、決めておいた、絵柄などの、あたりを
付けて置きます。勿論、下書きせずに、直に描いても問題ありません。
・ 間違えた場合には、一度描いた下書きは、消さずに、その上から、書き足してください。
・ 下書きの線は、本焼きで燃焼し、跡が残りません。
c) 筆(刷毛)、絵の具の用意、必要な絵の具を決め、塗る順序も、考えて置きます。
模様によっては、時間が幾らあっても、足りない状態に、成り易いので、前準備は、
早めにしておきます。乳鉢に入った絵の具は、頻繁に乳棒を、動かし、顔料の沈殿による、
色の濃淡が出るのを、防いで下さい。(顔料は金属質が多く、直ぐに沈殿します)
筆も、色の数だけ、用意しておくと、一々洗う手間が省けます。
では、 絵付けの技法の、代表的な物について、お話致します。
) 素描(そびょう) : 筆を用い、手で直接絵を描きます。
a) 筆の種類を選び、絵の具で、紙などに線を書き、線の太さと、濃淡を確認します。
b) 絵の具の濃淡は、3段階程度にし、薄い(淡い)絵の具から、濃い絵の具へと、使っていきます。
薄い絵の具を、数回重ね塗りして、濃くする方法も有ります。
c) 絵の具を塗った所は、手で触らない様にします。触ると、絵の具が剥がれ易い事と、
指に絵の具が着き、その手で、素地を触ると、そこに、絵の具が転写してしまいます。
それ故、作品全体に、絵付けする場合には、作品を持つ位置を、考えながら、絵付けをします。
(特に、呉須は、どんなに薄くしても、発色し易いので注意)
) 塗り: 水で溶いた、顔料(絵の具)を刷毛で塗ります
a) 広い面積を、一度に塗る場合、筆より刷毛が、適します。
b) 紙などに比べ、吸水性が大きく、線が「かすれ」易いです。
そんな場合には、CMC(化学のり)や、透明釉を、少量添加すると、若干改良されます。
又、濃度の薄い方が、線が伸びますので、薄い絵の具を、重ね塗りすることも、効果があります。
尚、 「絵は、窯が書く」と、言う言葉が有ります。
窯出しで、初めてその良し悪しが、解かるもので、描いている最中は、余り心配しない事です。
伸び伸びとした線が、出る様にする事が、「絵付けのコツ」とも言えます。
) 吹き付け(吹く墨): 霧吹き、スプレーガンを用いて、絵の具を吹き付けます。
又は、絵の具を付けた、硬めのブラシで、金網を擦り、絵の具を弾く、「ブラッシング」の
やり方も有ります。
a) 紙などに、模様を切り抜き、素地に貼り付け、その上から、霧を吹いたり、ブラッシング後、
紙を剥がすと、紙をおいた部分に、絵の具が掛からず、周りに、滴が飛び、模様が
浮き出てきます。
) 転写: 転写紙を使う方法で、同じ模様の数物を、絵付けする時や、細かい模様など、
手書きでは、大変な時に使うと、便利です。
以下次回に続きます。
絵付けの技法
③ 下絵の具の使い方
) 粉末状の絵の具
粉末の絵の具は、100g単位で、市販されていて、一番経済的です。
(弁柄などの酸化鉄や、鬼板は、1kg単位で、販売されています)
a) この絵の具を、乳鉢に入れ、水を加えて、乳棒ですり潰し、更に粒子を細かくします。
又、水の替わりに、お茶を入れ、お茶の「タンニン」で、素地との接着を、強くする場合も
有ります。特に呉須類は、発色も良くなると、言われています。
b) 絵の具を濃く塗ると、本焼きで、上の釉を、弾く場合が有ります。
これを予防する為に、20%程度の釉(上に掛ける釉と同じ)を混ぜて、撹拌すると、良いです。
・ 絵の具は、若干濃い目に塗った方が、綺麗に発色します。
但し、鬼板の場合には、濃いと黒くなり、薄くなるに従い、茶色に変化します。
薄すぎると、色が飛び、発色しません。
c) 絵の具を、使用しない場合には、埃(ほこり)が入らない様に、乳鉢に蓋をして置きます。
埃が入ると、絵の具に「むら」が出ると共に、釉を弾く事に成ります。
) チューブ入り絵の具
a) 水彩絵の具の様に、直ぐに、使える状態になっています。
チューブより、器(絵皿など)に押し出し、水を加えて、筆などで練り、濃度を、
一定にします。加える水の量で、濃度を調節します。
b) 絵の具が、チューブの中で、固まり、取り出せない場合には、チューブを破り、塊を取り出し
細かく砕いてから、水を加えて、良く練りますと、問題なく使えます。
) クレパスの場合
a) 棒状に成った、絵の具で、直接素地に、クレヨンの様に、描く事が出来ます。
絵の具同士が、混ざり難いですので、重ね塗りをしても、余り問題に成りません。
但し、他の絵の具よりも、薄くなり勝ちで、描いた線が出て、面で表現し難いです。
どちらかと言うと、「あっさり」した感じに、仕上がります。
b) 棒状の物を、砕いて水に溶かし、筆で塗る事も、可能です。
④ 絵付けの技法
絵を描く前にする作業
a) 素焼した作品の、汚れや「ほこり」を、取り除いて置きます。
即ち、削りカスなどが、付着している時には、「紙ヤスリ」を使って、削り取り、その後
きつく絞った、スポンジで、水拭きして、表面を綺麗にしておきます。
b) 素地に絵柄や線を、下書きして置きます。
即ち、墨、赤インク、鉛筆(HB程度の濃さ)などで、決めておいた、絵柄などの、あたりを
付けて置きます。勿論、下書きせずに、直に描いても問題ありません。
・ 間違えた場合には、一度描いた下書きは、消さずに、その上から、書き足してください。
・ 下書きの線は、本焼きで燃焼し、跡が残りません。
c) 筆(刷毛)、絵の具の用意、必要な絵の具を決め、塗る順序も、考えて置きます。
模様によっては、時間が幾らあっても、足りない状態に、成り易いので、前準備は、
早めにしておきます。乳鉢に入った絵の具は、頻繁に乳棒を、動かし、顔料の沈殿による、
色の濃淡が出るのを、防いで下さい。(顔料は金属質が多く、直ぐに沈殿します)
筆も、色の数だけ、用意しておくと、一々洗う手間が省けます。
では、 絵付けの技法の、代表的な物について、お話致します。
) 素描(そびょう) : 筆を用い、手で直接絵を描きます。
a) 筆の種類を選び、絵の具で、紙などに線を書き、線の太さと、濃淡を確認します。
b) 絵の具の濃淡は、3段階程度にし、薄い(淡い)絵の具から、濃い絵の具へと、使っていきます。
薄い絵の具を、数回重ね塗りして、濃くする方法も有ります。
c) 絵の具を塗った所は、手で触らない様にします。触ると、絵の具が剥がれ易い事と、
指に絵の具が着き、その手で、素地を触ると、そこに、絵の具が転写してしまいます。
それ故、作品全体に、絵付けする場合には、作品を持つ位置を、考えながら、絵付けをします。
(特に、呉須は、どんなに薄くしても、発色し易いので注意)
) 塗り: 水で溶いた、顔料(絵の具)を刷毛で塗ります
a) 広い面積を、一度に塗る場合、筆より刷毛が、適します。
b) 紙などに比べ、吸水性が大きく、線が「かすれ」易いです。
そんな場合には、CMC(化学のり)や、透明釉を、少量添加すると、若干改良されます。
又、濃度の薄い方が、線が伸びますので、薄い絵の具を、重ね塗りすることも、効果があります。
尚、 「絵は、窯が書く」と、言う言葉が有ります。
窯出しで、初めてその良し悪しが、解かるもので、描いている最中は、余り心配しない事です。
伸び伸びとした線が、出る様にする事が、「絵付けのコツ」とも言えます。
) 吹き付け(吹く墨): 霧吹き、スプレーガンを用いて、絵の具を吹き付けます。
又は、絵の具を付けた、硬めのブラシで、金網を擦り、絵の具を弾く、「ブラッシング」の
やり方も有ります。
a) 紙などに、模様を切り抜き、素地に貼り付け、その上から、霧を吹いたり、ブラッシング後、
紙を剥がすと、紙をおいた部分に、絵の具が掛からず、周りに、滴が飛び、模様が
浮き出てきます。
) 転写: 転写紙を使う方法で、同じ模様の数物を、絵付けする時や、細かい模様など、
手書きでは、大変な時に使うと、便利です。
以下次回に続きます。
絵付けの技法
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