わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸でやってはいけない事4(釉は混ぜない)

2011-07-17 21:57:44 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
引き続き、やってはいけない事の、話を続けます。

1) 基本的には、釉は一番綺麗な色や、艶に焼き上がる様に、調整(調合)されています。

  市販の釉は勿論、ご自分で、調合した釉であっても、事情は同じです。

2) 違う色に焼き上がる、二つの釉を混ぜ合わせた場合、絵画の絵の具の様に、その中間色が

   出る事は、ほとんど、ありません。

3) 釉を混ぜ合わせても、釉として使う事は出来ますが、色は確実に濁り、思いもよらない色に

   成ってしまい、大抵は汚い色になってしまいます。

   それ故、釉を混ぜ合わせてから、施釉しない事です。

 ① 但し、棚板に接する部分(糸尻、ベタ高台の底等)に、掛かってしまった釉は、剥がします。

   剥がした色々な釉は、全部混ぜ合わせて、花瓶や壷等の、袋物等の見えない内側に、使用します。

 ② この釉の色は、混ざった釉の種類によって、差がありますが、おおむね、グリーン系に成ります。

   (青織部と青磁釉の中間色に近い)鉄釉が多い時には、黒っぽくなります。

   グリーン系の場合には、作品の表面に施釉しても、割合綺麗な色と成ります。

  注意: 釉には色々な、金属や岩石が含まれています。中には有害物質が含まれている、かも

      知れません。それ故、下水道に流したり、「ごみ」として、処分する事は、出来ません。

      なるべく、釉として、使い切りたい物です。

4) 釉を二重掛けする事は、頻繁に行われています。但し、いくつかの注意点があります。

 ① 二種類の釉の、どちらを先に掛けるかによって、焼き上がりの色や艶が、大きく変わります。

   それ故、二重掛けする際、テストピースで、予め試して置く必要があります。

   基本的には、後から掛けた釉の色が、優先して現われますが、そうで無い場合も有ります。

 ② 光沢の有る釉と、光沢に無い(マット)釉を二重掛けした場合、どちらを先にしても、マット釉は

   光沢が出ます。

 ③ 流れる釉と、流れ難い釉薬の、二重掛け

  ) 流れやすい釉を先に掛け、後から流れ難い釉を掛けると、釉は混ざり合い易く、後からの釉も、
   
     流れます。即ち、後からの釉の色が、はっきり現れません。

  ) 逆に、流れ難い釉を塗り、その上に流れ易い釉を塗ると、流れ易い釉のみが流れ、その下の、

     釉に大きく関与する事は、少ないです。釉同士も混じり合いが、少ないです。

 ④ 二重掛けする事により、あたかも三色の釉を、使った様に見えるます。

   二重に掛かった場所のみ、他の二色の色と異なった色に、焼き上がりますので、あたかも三色の

   釉を使った様に、見えます。

5) 下絵付けの絵の具は、混ぜ合わせると、中間色が出易いです。

   昔は、下絵の絵の具は、呉須と鬼板(酸化鉄を含む)位しかありませんが、現在では、本焼き出来る

   絵の具の色も豊富に、存在します。絵画の水彩絵の具の感覚で、使う事が可能に成りました。

   混ぜる事により、若干、彩度(あざやかさ)は濁りますが、ほぼ中間色が、可能に成ります。

以下次回に続きます。

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