わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

化粧土2 (亀裂、剥がれ、めくれ対策)

2009-09-27 21:36:37 | 作品の装飾と陶磁器の絵付け
化粧掛けの問題点と、解決方法(対策)の話を続けます。

2) 亀裂が入る。化粧掛けした土が、素地から、剥がれる、めくれる。

 ①  亀裂の原因

   化粧土を、厚く掛け過ぎた時、化粧土に可塑性(水ひの朝鮮カオリンなど)粘土が、多い時、

   化粧土の原料が、細か過ぎる時、化粧掛け後の乾燥が、急乾燥させた場合などです。

 ②  対策

   朝鮮カオリンは、元土を使い、細かくし過ぎない様にする。

   「粉引き」の際には、乾燥を早くしますが、「刷毛塗り」の場合には、乾燥を遅くします。

 ③  化粧土が、剥がれる(めくれる)原因

   化粧土が、素地への付着性が、弱い為や、作品が乾燥し過ぎっている場合が、多いです。

   又、素地と化粧土との、乾燥時の、縮み率に差が有る為です。
  
 ④  対策、
   
  ) 化粧土の付着性を高める為、化学糊「CMC」や、ゼラチン、膠(にかわ)を入れる。

  ・ ゼラチン、膠の使い方: 使う原料の重さの、10倍程度の水を入れ、充分軟らかく成るまで、

    放置した後、「とろ火」で加熱する。この溶液を化粧土(泥)に入れ撹拌する。

    溶液と化粧土の割合は、1:20程度です。撹拌するに従い、粘度は緩く成ります。

  ) 作品が、乾燥し過ぎている場合、霧吹きで、軽く「スプレー」してから、作業に取り掛かります。

  ) 縮み率に差が有る時は、(化粧泥の方が、縮み易い)、化粧土(泥)の粘度が強い場合等で、

     粘度を調整したり、化粧土に、素地の土を混ぜる場合も有ります。

     (但し、色の付いた素地の土は、化粧土の色が変わり、不向きです。)

3) 「ぶく」と「ピンホール」が出る。

   「ピンホール」とは、針で突いた跡の様な、細かい穴です。

   「ぶく」とは、「ピンホール」が、多数集合している、状態の事です。

  ) 原因は、作品の表面に、「ほこり」が付いていたり、化粧泥に、細かい気泡が、

     入って居る場合です。

  ) 対策は、「ほこり」を、払い落とします。

     (水拭きすると、逆に「ほこり」を、擦り付ける事に成りますので、注意)

     化粧泥は、良く撹拌し、気泡を残さない様にします。

  ) 化粧掛けした後、表面に「ピンホール」が有る場合、「木のへら」や「スプーン」の裏側で、

     上から押さえる(又は、軽く擦る)様にすると、「ピンホール」の予防と、作品の「割れ」、

     「剥がれ」、「めくれ」を防ぐ事が、出来ます。

以下次回に続きます。

 化粧土 亀裂、剥がれ対策
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