わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
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釉の失敗と対策 6 (釉の着色)

2009-02-03 16:42:01 | 失敗と対策
8) 釉に予想外の色が付いた。

  本来の色(予想した色)と違う色に、焼き上がる事は、一般的に(普通に)起こる事です。

  特に、酸化炎と、還元炎で焼成した場合では、その色の違いは、大きく変わります。

  同じ酸化炎(又は還元炎)で焼成しても、毎回色は、ある程度変化します。

  ただその変化が、許せる程度の物かどうか、と言う事です。

  許せない程度の物ならば、その対策を考えなければ、成りません。

  ・ 尚、天然の各種灰を使う釉は、逆にこの変化を楽しむ物とも、言えます。

 ① 釉が黒ずむ場合。

   燃料で焼成する窯では、燃焼時に、煤(すす)が出ます。

   普通は、高温に成ると、煤は燃え尽きてしまいます。

   しかし、「さや鉢」に入れて焼成したり、還元が強すぎた場合に、ガス中に煤が残り、

   釉の表面に残り、釉を黒く汚す場合が、有ります。

   対策:

    a) 煤が出ない様に焼成する。

      700℃~850℃の範囲で、酸素を多く供給し、煤の発生を抑える。

    b) 最高設定温度より30℃~50℃低い温度に成ったら、(SK-7、8では1200℃程度)

      還元焼成でも、酸素を多量に供給し、釉の表面の煤を、焼き尽くします。

 ② 釉の原料に問題がある場合。

   a) 釉に不純物が混入していた。

     特に、鉄分が入ると、色が付き易いです。

     又、鉄分は、釉からだけで無く、素地(土)中の鉄分も、影響します。

   ・ 透明釉でも、鉄分を、幾らか含んでいます。

     酸化焼成では、黄色気味に、還元焼成では、青味掛ります。

   b) 自分で調合した釉の場合、亜鉛華や、カオリン等が、鉄と過剰に反応し、

     色が付く事があります。 (鉄はこれらと反応し易いです。)

 ③ 窯の冷まし方による、色の変化

   急冷と、徐冷では、同じ釉でも、色や質感が違います。

   a) 急冷は、釉に透明性と、光沢を出します。

     織部釉などが、代表的な物で、「ゆっくり」冷やすと、濁り易いです。

   b) 徐冷は、艶消しや、不透明性を与えます。

     志野釉などや、結晶釉などが代表的な物です。

     志野は、「しっとり」した、肌触りに成ります。

 陶芸釉薬の失敗と対策 

釉の着色
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