わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

粘土2(土を探す、採取場所)

2010-01-29 17:17:09 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
地元(郷土)に有る土を使い、作品を作ってみたい方も、多いと思います。

例え、その土が、陶芸に不向きであっても、木節粘土や、他の土と、ブレンドして、使える様にする事も、

可能かも知れません。

粘土はどの様に、探したら良いかを、参考までに、述べたいと思います。

1) 粘土の採取は、土の取れる場所を、知ることから、始めます。

   それには、以下の方法が、考えられます。

 ① その土地で、過去に、屋根瓦や、レンガが作られていたか。又炭焼きが、行われていたかを、

   調べます。瓦やレンガは勿論、粘土が原料であり、炭焼きの窯も、粘土で造りますので、

   近くに粘土は、ある(あった)はずです。

  ・ 郷土の歴史書、博物館(郷土館)の展示、図書館や、土地の人の、言い伝え、噂などで、

   情報を得ます。

 ② 縄文土器や、弥生時代の集落があった地域なら、その近辺の、博物館や学校、社会教育施設

   等に、何らかの、手が掛かりが、見つかるかも知れません。

   又、遺跡の発掘調査も、しているはずです。その調査結果の報告書が、あると思われる、

   教育委員会などに、問い合わせてみるのも、一つの方法です。

 ③ 足で歩いて、粘土層が露出している場所を、探します。

   関東の場合は、関東ローム層が、広がっていて、「板橋粘土層」、「川口粘土層」、「常総粘土層」

   などの粘土層が、あちこちにあり、実際に昔は、土器作りに、使われていました。

   具体的な方法としては、

  ) 川沿いを探す

    流れる川は、土地を削る作用(浸食作用)が有りますので、川沿い(上流近く)には、

    地層の観察できる露頭が、多くみられます。

    護岸工事が、行われている場所などで、観察したり、下流の水の淀んでいる、川底などで、

    見つかる可能性も、あります。

  ) 崖や切通しを探す

    崖になっている場所も、土が露出していますし、山間部や丘陵部には、道を切り開く時に

    切通しができ、地層が露出しているのが、観察できます。   

  ) 採石場や工事現場を探す

    工事現場や採石(粘土)場などでも、地層は観察できます。

    見学する際には、見学できるか、事前に連絡をいれ、承諾を受けましょう。

    又、大規模なトンネル工事などで、粘土が大量に、産出される場合も、有ります。

  ) ハイキングや、森林浴などで、野山を歩き回る時に、偶然見つける場合も、有ります。

     あたりを、見回して、注意しながら、歩きます。

 ④ その他

  ) 良い粘土がある土地は、そこに生える木を、見るだけで、わかるそうです。

    即ち、草は、生い茂っているが、大きい木が育たない所、木が真っ直ぐに、生えず、斜めに

    傾いた所には、粘土質の土が有る、とのことです。

    粘土質の為、水を透さ無ず、根を十分に広げられずに、大きく育ず、傾いたりするとの事です。

  ) 更に、カタツムリが多く、生息する場所にも、粘土質の土が、有るとの、説もあります。

    その根拠は、カタツムリは、陸に上がった、巻貝の仲間ですので、貝殻の原料の、カルシウムが

    必要です。粘土には、多少なりとも、石灰(炭酸カルシウム)を含みます。

    それ故、カタツムリが生息する場所には、粘土が存在するとの説です。

2) 採取した土は、そのまま使える事は、ほとんどありません。

   不純物を取り除いたり、可塑性を持たせたり、耐火温度を調る、焼成テストなど、やるべき事は

   多いですが、ここでは述べません。

   その気に成れば、幾らでも資料(情報)は、集められます。
   
尚、公共の土地や、私有地の土を、無断で掘り出す事は、禁じられています。

  大量に、掘る時は、必ず、許可を得るようにした方が、良いでしょう。

以下次回に続きます。

 粘土を探す
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