ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

楽譜準備だけ完了!

2010年03月09日 | 音楽とわたし
高校の音楽教師ダリルから、「いつ練習に参加してくれるかな?」という電話がかかってきました。
「いつって……まず楽譜をもらって練習せなあかんから」と言うと「じゃあ今日取りに来てくれる?用意しとくから」とのこと。早速高校に出向きました。
昨年末のコンサートは、息子Tの卒業式と重なったので伴奏を断ったのですが、仕方がない、なんとかなると思ったコンサートが全くなんともならず、「お願いだから戻ってきておくれぇ~」というダリルの切ない声を聞いて引き受けたのがついこの間のことなのでした。

彼のオフィスに入って行くと、いつもより5倍は愛想のいいダリル。楽譜もちゃんとグループ別に種分けしてくれてありました。奇跡じゃ!
おまけに、「あのさ、今年のコーラスはちょっといつもよりいいんだ。だからこれ全部したいと思ってるんだけど、でももしまうみが、これはしたくないなあって思う曲があったら、別にそれは却下してもいいよ」なぁ~んてことを言ってくれるダリル?!
そんなこと、4年一緒にやってきて、今までに1度も言ってもらったことはありません。
それどころか、どの曲を本番でするのかも曖昧、手当たり次第に楽譜を渡し、それを必死に練習し終わった後で、「あ、それ、やらない」だった彼。
たまにゃ~キャンセルしてみるもんですね~。



もらった楽譜を1ページ毎にコピーして、それを裁断機で横幅をできるだけ細く整え、横長のスケッチブックに貼付けていきます。
この裁断機を買うまでは、楽譜を1枚1枚、定規やハサミで切り取っていました。
曲数が15曲、各曲15ページぐらいあるので、その枚数は半端じゃありません。すごいストレスでした。
今はごっつい刃をエイッと下ろせばハイこの通り!爽快に作業は進みます

まずは明日の男の子の合唱から。曲数は4曲。クラシックありフラメンコありアフリカ民謡あり、とりあえず練習で誤摩化せるぐらいにまではできました。
明後日は混成合唱との合わせが始まります。曲は6曲。まだ1音も読んでいませんが。もう頭が限界です。また明日一夜づけします。
コメント (4)
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当たり前虫

2010年03月09日 | ひとりごと
Dちゃんが、前の部屋に置き残してきた物を取りに行きがてら、数日だけ友人の家に泊まってる。
もうはっきり言うて、彼女がこの家に居るか居ないか、どちらにしても、わたし達にとってさほど大きな差が無くなってきた。
もちろん、たまに、シャワーやトイレを使いたい時が重なって、こりゃ困った!と慌てる時があるけど、そんなん別にどうってこともない問題やし。

Dちゃんもだいぶ落ち着いてきた。感情の起伏も前ほどジェットコースターみたいに上がったり下がったりせんようになった。
たとえいきなり落ち込んだとしても、一日の終わりぐらいには、少ししゃべったり、フフッと笑えたりするようになった。
食欲はまだかなり低いけど、彼女なりに頑張って何かを口に入れようとしてるし、好きな日本食やったらよく食べる。

わたしはついつい、母親気分になってしもて、◯◯するのが当たり前やのに……っちゅう『当たり前虫』がシャカシャカと胸の裏側を這い回る。
例えば、旦那もわたしも仕事が終わって、かなり疲れててもとりあえず何かを作り、食べ終わったら食器を洗う。
Dちゃんは、わたし達が食べたり働いたり片付けたり休憩したりしてる間、台所に籠り、お気に入りのTVドラマシリーズ『ロー・アンド・オーダー』を数十話たて続けに見て、夕飯を終えたら自分の食器をシンクの所に運んでから三階に戻る。
はじめの2日間、それをやられてかなり参ってしもた。
旦那もわたしも、テレビの音が苦手で、どうしても必要な時にだけつけて、それが終わるとすぐに消す。
けど、何話続こうが、飽きるどころか、身を乗り出して見入っている彼女に、テレビをそろそろ消してくれへん?なんて言えへんやんか。
飽きてくれるのを待つしかないな、と思てたら、その2日だけで飽きたようで、ホッと胸を撫で下ろした。

こっちが頼まへん限り、なにも手伝おうとせえへんのは多分、分かってもらいたいことはどんな小さなことでも言葉にして伝えな分かってもらえへんこの国の住民の特色なんやろな。
いっぺんだけ夕飯を作ってくれる?って聞いたら、もちろん!言うて作ってくれてんけど、やっぱり急過ぎたんか、次の日は起きてこられへんかった。
そやし、もうちょっと様子を見た方がええな、とわたしも思い直すことにした。

一昨日の日曜日、旦那とTとわたしと3人だけやということで、夕飯を近くにある、中近東の人達が固まって暮らしてはる町に食べに行くことにした。
そこは安い&美味い&オモロいの三拍子揃た店がいっぱい。3人で食べてもサービスランチ並みの値段で食べられる。
行こうと思たら、Kと一緒に出かけたと思てたDちゃんが家に居るって分かって、ほなDちゃんも一緒にってことになった。
いっつも昼と晩は一緒に食べてるのやから、その日が特別ってことではないのやけど、Dちゃん、「今夜はごちそうさまでした」って言わへん。
わたしの中の『当たり前虫』がまたムクムクと頭を出してきた。こんな時ぐらい言うてもええのに……。Tが言うてるのに……。

わたしにとって当たり前でも、それがその人には全然当たり前じゃないことっていっぱいある。
それを毎日のように思い知らせてくれるのが旦那と息子達。ほんでもちろん自分以外の人達。
自分の当たり前を押し付けたらあかんし、期待し過ぎてもあかん。まずはええとこを見つける。まずは好きになる。
ほんでなによりも彼女のことを、まるでずうっと前から一緒に暮らしてた家族みたいに思う。旦那や息子達がしてるように。

でも、わたし、Dちゃんのこと好き。彼女の心の中の暗い側のことが、1番理解できる人間やとも思ってる。
けど、それやからこそ、なんで?って思てしまうこともある。

ほんまにわたしって、なんぎな性格やわ……。
コメント (13)
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