ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

ガラス工芸と伊賀焼の夕げ

2009年03月12日 | 友達とわたし
昨日の夜から、旦那の大学時代からの友人アンドリューが遊びに来ました。
彼はもともと物書きさんで、この5年間はガラス工芸専門雑誌の編集を手がけています。
身長が2メートル以上もあるので、挨拶のハグをする時勝手が違い、いつもわたしはどぎまぎしてしまうので、彼はそれを楽しみにしていて、
ヨーロッパ式の二度キスなんかを加えて、更にどぎまぎするわたしをからかうのが趣味な、意地悪アメリカンです。
彼と旦那は、会う約束をしてはどちらかがキャンセル、というのがあまりにも何回も続いていたので、では、週末しかだめ、という観念をいっちょ破ってみようではないかということにしたそうです。そこで決まったのが昨日の水曜日……。
いいけどね……でも、わたしはその日は7人も生徒がいるので、全く手伝えないと先に宣言しておきました。
初めは、旦那とアンドリューでなにか料理を作ろう、という計画になっていたのに、日が近づくにつれてなにやら怪しい雰囲気が……。
やっぱ彼女(近々一緒に住もうと決めた女性)も連れてこようかなあ、あ、やっぱ彼女はだめみたい、あ、ボク、その日は7時半ぐらいに着くかも。あ、それと、泊まろっかな~なんちゃって……。
いいよいいよ、ボクちゃんの好きなよお~にしなはれや~。
ということで、仕事が早く終わる旦那がひとり、夕飯作りに精を出す、ということになり、いきなりとても素晴らしいラム料理を作ってくれました。

新鋭のガラス工芸作家いちかわえつこさんの作品や、他の日本人の優れた工芸作家の話を熱く語るアンドリュー。
特に、いちかわさんの作品はとても斬新。熱く熱したガラス玉や水飴のような紐状のガラスを分厚い紙の上に垂らしたり押し付けたりして、
草書の習字のような、または墨絵のような作品を作っています。
創作の様子はこのビデオで→http://www.vimeo.com/1713273
作品はここで→http://www.davidsongalleries.com/artists/ichikawa/ichikawa.php


他にも日本の作家がたくさん紹介されていて、彼らから送られてくる英文を編集する時のアンドリューの苦労話などと聞きながらパクパクむしゃむしゃ。

お酒に強い彼は、旦那のグラスにガンガンワインを注ぎ、もちろん断りたくない旦那はゴクゴク飲み、気がついたら日本酒まで飲み始めてるふたり……。
ちょっとぉ~大丈夫?と目で忠告すると、「だってさあ、よう君の作品で日本酒を飲ませてやりたいと思ってさあ」などと苦しい言い訳をする旦那。
確かに、よう君(友人の伊賀焼陶芸家)の盃で飲む酒は格別。酒が盃と唇の間を通り過ぎるまさにその瞬間に、ザラッとした心地良い土の吐息が混ざります。
その盃は、同じくよう君の大ファンであるわたしのピアノの師匠が、旦那へのプレゼントとして買ってくれた物なのだけど、毎回どちらがその盃で飲むかもめるセコい夫婦のわたし達。旦那いわく、まうみがこれで飲みたいと思うのが間違ってる、らしいですが……。
ちょっとここによう君(谷本洋氏)の作品を載せておきます。うちの盃はまた違う機会に。



ちなみに、彼の個展が、6月/大阪阪神百貨店、8月/四日市近鉄百貨店、11月頃/大阪阿倍野近鉄百貨店で開催されるそうです。お近くにお住まいの方はぜひぜひ、直に手に取って(触ってもええのかなあ)味わってみてください。

斬新を極めたガラス工芸と土がトックントックンと息づいている伊賀焼、どちらもひとの手によって創られたもの。ああ~好き好き!