ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

そんな殺生な……。

2009年03月09日 | ひとりごと
今日はスコット&エミリー&マイケルの3兄妹弟を教えに行く日でありました。
覚えてくださっている方、いらっしゃいますでしょうか?
そうですそうです、わたしがレッスン中に「ビッチ」という言葉を言った、というトンデモない話を信じている家族のおうちです。

とりあえず、いつものように3人それぞれを個別に教え、特にエミリーを教えている間は禁句封印パワー全開にして、無事にレッスンを終えた所で、
よし、言うぞ、絶対に分かってもらうぞ、と決意も新たに、支払いのチェックを用意してくれている母親のニーナに話を切り出しました。

「ニーナ、先日夫から聞いたんやけど、エミリーの目の前でわたしが『B word』を言うたって話……でもあれ、絶対にそんなこと有り得へんことで」
「な~に、まうみ、そんなこといいのいいの」
「いや、全然よくなくて、神に誓っても言うてないっていうか、もし万が一言うてたとしても、そういう意味じゃなくて、あの」
「だから、ほんとにもう、いいんだから」
「でも、もしかしたら、オズの魔法使いをその日は歌ってて、それでウィッチのWをヴィと発音しちゃったかもしれんくて、それでその……」
「え?そう?そっか……あ、でも、もしそうだとしたら、それはエミリーには内緒ね」
「へ?」
「だってね、エミリーの態度が良くないのだもの。そうでしょまうみ。彼女になんとか音楽を楽しませてあげようと、いろいろ手を替えて工夫してくれてるのに、彼女のあの日の態度ったら……、だからね、ビッチだった彼女にビッチって言って当然よ、そうでしょ!」
(思いもよらない展開に、ただただ唖然とするのみ)」
「あの日ね、彼女、レッスンの後わたしの部屋に飛び込んできて、えらい勢いでこう言ったのよ、『マァム!まうみがわたしにビッチって言ったぁ~!』って。それ聞いてわたし、こう思ったわ。まうみ、よくぞ言ってくれましたって。だってそうでしょ、生徒として失礼だったでしょ。もう小さな子供じゃないんだもの。だからこう言ってやったの。『あんたのあの態度じゃ、そう言われて当たり前だわ』って」

なんてこった……
発音の違い云々などで言い訳してる場合じゃなかったのでした。
ほんとに、いったい、どこでどうこんがらがって、こういう誤解が発生したのか、答はリスが隠した木の実ぐらいに見つかりにくくなってしまいました。

ニーナにガンガン説得されて、結局わたしは、のらりくらりと態度の悪かったあの日のエミリーに堪忍袋の緒がキレて、彼女に向かって「ビッチ」と言った、ということになりました。

ちがうねんけどなあ……そんなこと思た覚えも言うた覚えもないねんけどなあ……
けど、世の中には、全く身に覚えの無いことを言うただのしただの、周りから言われて、いくら潔白を訴えてもてんで信じてもらえない状況に陥った人なんて、星の数以上いるんでしょうね。
まあ、この程度で済ませてもらっていることに感謝した方がいいのでしょうか