ロス疑惑AGAIN!またまたとっ捕まった三浦氏。護送される彼の、すっかり薄くなった頭髪が、わびしく寒々しい。こんな爺さんになって、また牢屋入りなんて。罪を犯したにせよ犯してないにせよ、業の深い人生ですよねえ。
職場の後輩によると...こないだ偶然、彼の友人(既婚者)が見知らぬギャルとモスバーガーでイチャついてるところを見てしまったとか。“モス疑惑”が発生中です。
お松の独り市川雷蔵映画祭③
「炎上」
先日他界した、市川昆監督作品。原作は、三島由紀夫の代表作のひとつ「金閣寺」。
貧しい田舎寺の息子・溝口吾市は、徒弟として京都の驟閣寺に入る。吃音に悩み強烈な劣等感をもつ吾市は、心のよりどころにしている驟閣寺が、戦後になって俗塵にまみれていくことに耐えられなくなり...
実際に起きた金閣寺放火事件の犯人、その心の闇を描いた作品。陰鬱でドロドロした重苦しい内容、という先入観がありますが...少なくとも私には、原作も映画も、そんな感じはしない。特に映画のほうは、どんどん自分勝手に独りでコワレていく吾市のキャラ&錯乱言動が、サイコサスペンスちっくで面白いです。
この作品のスゴいところは何といっても、絶対に今の地上波では放送不可能な内容と表現。ど○り、か○わ、き○がい、といった言葉が、まるで作品のキーワードのように使われています。しかも、それらは徹底して嘲笑われ、残酷で皮肉な役割を担っているのです。時に滑稽にさえ見せて、今の映像世界では表現できない人間の偽善や苦悩を炙り出しています。
吾市の苦悩や葛藤や悲しみは、誰も理解できないのでは。映画も原作も、放火に至った彼の内面を、読者や観客に解かってもらいたい、なんて意図はないようです。その不可解さこそが、作品の面白さになっています。とにかく、吾市の“誰も僕のこと解かってくれない!”な独りよがりな思い込み&暴走っぷりは、なかなかヤバくてある意味笑えます。
ど○りをバカにする周囲(母親まで!)ですが、吾市が思いつめるほど意地悪さとか悪意は全然ないんですよね。すごく軽い感じ、親しみさえこめてる。でも、吾市にとっては針の一刺しのように痛い。自分では何でもない言葉が、他人には深刻な刃になることもあるんだよな、と反省。
吾市が、シャイで繊細なわりに結構キツい性格なところが、返って救いにもなってます。ど○りつつも誰にでも激しく口答えするし、自分をバカにしたり蔑ろにした人間に、陰険な方法で仕返しするところも、歪んだ笑いを誘う。海軍兵士の剣に小刀で傷をつけたり、老師の愛人の写真を新聞にはさんで渡したり。病んでる~!
吾市に同情できないのは、彼が恨んだり憎んだりする人々が、みんな基本的に善人ばかりだからかも。吾市をイヂメるどころか、みんな親切で屈託がない。彼らの善いところは見ようとせず、無神経で俗悪な面ばかり気に病んで憎悪する吾市くん、ちょっと神経が細かすぎるというか、性格が歪みすぎ。
とはいえ、見ていて可哀想だなあ、とも思える吾市くん。あまりにもピュアすぎたのね。汚い池には棲めない魚みたいな男の子。でもまあ、いちばん可哀想なのは、そんなイタすぎるピュア青年に見込まれる驟閣寺ですよねえ。穢れるくらいなら僕の手でいっそ~!と燃やされちゃう、無理心中?の被害者だもん。
吾市を熱演した市川雷蔵が、ほんと素晴らしい!初の現代劇だとか。映画会社の反対を押し切って演じ、見事に代表作にした雷蔵の役者魂、あっぱれですよね。時代劇の華麗でクールでニヒルな彼とは別人みたいに、純朴で脆くてパラノイアな見た目と演技。当時27歳?ほとんど素に近いのでしょうか?すごく若く見えます。クリクリ坊主だからか、子供みたいな顔。黒目がちのつぶらで虚ろな目と、ど○りの京都弁が痛ましくも可愛い。
老師役の中村鴈治郎、母親役の北林谷栄が名演。二人の悪気のない俗っぽさが、ちょっとシニカル&コミカルで笑えます。内翻足の友人・戸刈役、仲代達矢も強烈なインパクト。若い頃の仲代先生、濃いけど男前ですね。吾市と同じ徒弟・鶴川くん(良い子!彼がそばにいたら、きっと吾市もあそこまで追い詰められなかっただろうに)の喋り方が、何か笑えます。
白黒映画なのに、どこかスタイリッシュでモダンな感じがするのは、やはり市川監督の持ち味でしょうか。あらためて、ご冥福をお祈りします...
映画では名前を変えられた金閣寺。京都に4年間も住んでたのに、一回しか行ったことがない私です。
↑頑張ったな!と三島先生に頭なでなでされる雷蔵
この作品、リメイクは不可能だと思うけど、もしTVドラマでされるとしたら...
吾市・・・瑛太
戸刈・・・高岡蒼甫
鶴川くん・・・福士誠治
・
吾市の母・・・宮下順子
老師・・・江守徹
実際にも何だか精神不安定っぽい危うさ脆さが、吾市にピッタリな感じの瑛太。坊主頭も意外とイケてそうだし。斜に構えて偏屈そうなイケメン、といえば篤姫の亭主こと高岡くん。ちょっと若い頃の仲代先生に似てる?
職場の後輩によると...こないだ偶然、彼の友人(既婚者)が見知らぬギャルとモスバーガーでイチャついてるところを見てしまったとか。“モス疑惑”が発生中です。
お松の独り市川雷蔵映画祭③
「炎上」
先日他界した、市川昆監督作品。原作は、三島由紀夫の代表作のひとつ「金閣寺」。
貧しい田舎寺の息子・溝口吾市は、徒弟として京都の驟閣寺に入る。吃音に悩み強烈な劣等感をもつ吾市は、心のよりどころにしている驟閣寺が、戦後になって俗塵にまみれていくことに耐えられなくなり...
実際に起きた金閣寺放火事件の犯人、その心の闇を描いた作品。陰鬱でドロドロした重苦しい内容、という先入観がありますが...少なくとも私には、原作も映画も、そんな感じはしない。特に映画のほうは、どんどん自分勝手に独りでコワレていく吾市のキャラ&錯乱言動が、サイコサスペンスちっくで面白いです。
この作品のスゴいところは何といっても、絶対に今の地上波では放送不可能な内容と表現。ど○り、か○わ、き○がい、といった言葉が、まるで作品のキーワードのように使われています。しかも、それらは徹底して嘲笑われ、残酷で皮肉な役割を担っているのです。時に滑稽にさえ見せて、今の映像世界では表現できない人間の偽善や苦悩を炙り出しています。
吾市の苦悩や葛藤や悲しみは、誰も理解できないのでは。映画も原作も、放火に至った彼の内面を、読者や観客に解かってもらいたい、なんて意図はないようです。その不可解さこそが、作品の面白さになっています。とにかく、吾市の“誰も僕のこと解かってくれない!”な独りよがりな思い込み&暴走っぷりは、なかなかヤバくてある意味笑えます。
ど○りをバカにする周囲(母親まで!)ですが、吾市が思いつめるほど意地悪さとか悪意は全然ないんですよね。すごく軽い感じ、親しみさえこめてる。でも、吾市にとっては針の一刺しのように痛い。自分では何でもない言葉が、他人には深刻な刃になることもあるんだよな、と反省。
吾市が、シャイで繊細なわりに結構キツい性格なところが、返って救いにもなってます。ど○りつつも誰にでも激しく口答えするし、自分をバカにしたり蔑ろにした人間に、陰険な方法で仕返しするところも、歪んだ笑いを誘う。海軍兵士の剣に小刀で傷をつけたり、老師の愛人の写真を新聞にはさんで渡したり。病んでる~!
吾市に同情できないのは、彼が恨んだり憎んだりする人々が、みんな基本的に善人ばかりだからかも。吾市をイヂメるどころか、みんな親切で屈託がない。彼らの善いところは見ようとせず、無神経で俗悪な面ばかり気に病んで憎悪する吾市くん、ちょっと神経が細かすぎるというか、性格が歪みすぎ。
とはいえ、見ていて可哀想だなあ、とも思える吾市くん。あまりにもピュアすぎたのね。汚い池には棲めない魚みたいな男の子。でもまあ、いちばん可哀想なのは、そんなイタすぎるピュア青年に見込まれる驟閣寺ですよねえ。穢れるくらいなら僕の手でいっそ~!と燃やされちゃう、無理心中?の被害者だもん。
吾市を熱演した市川雷蔵が、ほんと素晴らしい!初の現代劇だとか。映画会社の反対を押し切って演じ、見事に代表作にした雷蔵の役者魂、あっぱれですよね。時代劇の華麗でクールでニヒルな彼とは別人みたいに、純朴で脆くてパラノイアな見た目と演技。当時27歳?ほとんど素に近いのでしょうか?すごく若く見えます。クリクリ坊主だからか、子供みたいな顔。黒目がちのつぶらで虚ろな目と、ど○りの京都弁が痛ましくも可愛い。
老師役の中村鴈治郎、母親役の北林谷栄が名演。二人の悪気のない俗っぽさが、ちょっとシニカル&コミカルで笑えます。内翻足の友人・戸刈役、仲代達矢も強烈なインパクト。若い頃の仲代先生、濃いけど男前ですね。吾市と同じ徒弟・鶴川くん(良い子!彼がそばにいたら、きっと吾市もあそこまで追い詰められなかっただろうに)の喋り方が、何か笑えます。
白黒映画なのに、どこかスタイリッシュでモダンな感じがするのは、やはり市川監督の持ち味でしょうか。あらためて、ご冥福をお祈りします...
映画では名前を変えられた金閣寺。京都に4年間も住んでたのに、一回しか行ったことがない私です。
↑頑張ったな!と三島先生に頭なでなでされる雷蔵
この作品、リメイクは不可能だと思うけど、もしTVドラマでされるとしたら...
吾市・・・瑛太
戸刈・・・高岡蒼甫
鶴川くん・・・福士誠治
・
吾市の母・・・宮下順子
老師・・・江守徹
実際にも何だか精神不安定っぽい危うさ脆さが、吾市にピッタリな感じの瑛太。坊主頭も意外とイケてそうだし。斜に構えて偏屈そうなイケメン、といえば篤姫の亭主こと高岡くん。ちょっと若い頃の仲代先生に似てる?
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