まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

愛という名の毒

2007-10-18 | 日本映画
 広島カープのエース黒田博樹が、ついにFA!ああ~クロ~!行かないで~!
 と嘆く私にダミアンが、新井も阪神に行くかもしれんでぇ~と。ガビョ~ン!新井くんまで~公私ともに兄貴と慕う金本を追って阪神入りするというのは、もう噂の域を超えてる?この二人がいなくなったら、カープ終わりじゃん!
 でも、裏切り者!と罵ることはできない。だって、実力のある者がより高みを目指すのは、悪いことではないし、応援したいから。たとえそれが、自分を育ててくれた母親を殺すに近いことだとしても...
          
 赤ヘルじゃなくなったら当然、創建ホームのCMの二人も見られなくなるんだろうなあ。クロ&新井くんの創建体操、おちゃめで大好きだったのに...寂しいなあ(ローカルネタでスンマセン)。
 こーなったら、メジャーからイチローと松井を引き抜くしかない!頑張れカープ
 
 「配達されない三通の手紙」
 野村芳太郎監督、原作はエラリー・クイーンの推理小説「災厄の町」。
 山口・萩の名家に渦巻く愛憎、そして発生する殺人事件!
 お話や事件の謎は、土曜ワイド劇場をゴージャスにした感じです。情緒ある萩の名勝が、たっぷり登場して観光気分を味わえるところも、土ワイ的な旅情ミステリー。
 キャストが豪華でシブい!
 次女と結婚寸前で蒸発、数年後に突然戻ってくる男の役に、タカさまこと片岡孝夫(現・仁左衛門)。
 ああ~タカさま、やっぱ素敵やわあ。優しそうで可愛い悪人ではないけど、あまりにも弱すぎる性格から、女たちを破滅に導いてしまう運命のダメ男タカさま。みんなに迷惑&不幸をもたらす男なんだけど、ぜんぜん憎めません。可愛さあまって憎さ百倍!とばかりに、彼を追い詰める女たちの粘着ドロドロ愛や、彼を貧乏な卑しい男と見下し威圧する舅の冷厳さ、色男へのヤッカミとしか思えないブサイク刑事(ちょっと若い蟹江敬三が好演)の厳しい取調べのほうが、よっぽど憎たらしい。よってたかってタカさまをイヂメないで~!って感じです。とにかく、オドオド悲しそうなところが、みんなのS心をソソってイヂメられるタカさま。ほんと哀れで可愛いです。ヤケ酒で酔っ払って女に甘えるタカさま、キュートすぎる♪自分につきまとう執着女に『チクショー!こ、殺してやる~!』と取り乱したり、刑事に『僕は知らないよ~!やってないよぉ~!』と哀訴したりするところは、「わるいやつら」とほぼ同じで、結局は最大の被害者な役のタカさまなのです。
 あまりにも愛が深く強すぎたため、ブっこわれてしまう女たちの狂いっぷりが、毒々しくも悲しいです。
 タカさまと結婚する次女役の栗原小巻が、かなり狂った熱演。はじめっから静かにイッちゃってて怖い。ラスト近くに大爆発します。
 タカさまの妹と名乗る女、松坂慶子が最高!取り澄ました名家の人々を嘲るハスッパ&アバズレ言動が、痛快です。でも、すごく悲しい役。当時の彼女、ホントに美人ですよねえ。妖艶って感じ。後姿だけですが、ヌードも。
 当主役の佐分利信の、威厳と貫禄も強烈。タカさまをビクビクさせる(タカさまの怯え顔が、萌え~)鬼舅オーラ。怖い~!けど、娘たちには優しいパパ。屋敷に居座るパラサイトなアバズレ松坂慶子にも寛大。紳士なんですね。
 ぎゃぼ三女の婚約者である検事役で、渡瀬恒彦も登場♪つねぴー、男前タカさまとは、同い年だとか(44年生まれ)。
 あと、小川真由美、乙羽信子(この映画の脚本は、御主人の新藤兼人)、神崎愛、竹下景子、小沢栄太郎、北林谷栄と充実した顔ぶれ。探偵的役割が、なぜか日系アメリカ人の青年なのも、面白いです。
 旧家の殺人事件ものといっても、溝渕正史みたいなオドロオドロしさがないのは、西洋の小説が原作だからでしょうか。DVD特典で、初めて動くエラリー・クイーンを観ました。でもエラリー・クイーンって、実態は2人組じゃなかったっけ?
 上流社会の人々って、閉鎖的だけど鷹揚としてるというか、寛容というか。基本的には人が好い。アバズレ松坂慶子の傍若無人で下品な言動に目くじら立てたりせず、のんびりと面白がってる様子とか、まる~い雰囲気に気品や余裕を感じます。屋敷のセットも、ちょっと陰鬱さを帯びた優雅さ。韓ドラのケバケバと品のない成金とは、やっぱ違います。
 
 
 

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