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まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

カメラを止めるな

2019-11-04 | 北米映画 15~21
 「ディザスター・アーティスト」
 俳優志望の青年グレッグは、演劇クラスでトミーという奇妙な男と出会い親しくなる。俳優として成功する夢を抱いてロスに移り住む二人だったが、チャンスはめぐって来ずくすぶった生活を余儀なくされる。トミーは自ら監督と主演を務める映画を製作しようとするが…
 ジェームズ・フランコ監督&主演作です。公開当時アメリカでは好評を博し、フランコ氏はゴールデングローブ賞の主演男優賞を受賞。オスカー候補も確実視され、まさに絶好調のアゲアゲ状態だったのが一転、過去のセクハラモラハラを蒸し返され、フランコ氏はゲス野郎として糾弾され窮地に陥ってしまったのでした。「よこがお」のヒロインも真っ青な、まさに絵に描いたような一寸先は闇、好事魔多し。フランコ氏の場合は身から出た錆なのですが、あまりにも悲惨な転落ぶりには同情も禁じ得ません。大好きな俳優なので、本当に残念です。報道されたことが本当なら責められても仕方ないけど、最近の厳格すぎるポリコレは映画も世の中もつまらなくしてるな~とも思います。スターやセレブなら何をしても許される時代はとっくに終わったことに、フランコ氏はもっと早く気づいて自重すべきでした。ユルいところも彼の魅力ではあったけど。残念なことになってしまったけど、この作品でもフランコ氏は俳優として、そして監督としての才能を感じさせる仕事をしてます。彼の初監督作「ジェームズ・フランコVSエイプ」も、なかなか才気が光る珍作でした。

 後にカルト映画なったトンデモ駄作「ルーム」が、いかにして作られたかを描いているのですが、とにかく主人公のトミーが見た目もキャラも変で笑えます。エキセントリックとか不思議ちゃんといったありがちな変人ではなく、かなり痛々しいというか、笑っちゃいけないような電波系の変人なんです。言動から察するに、ちょっと発達障害のある人なのかな、とも。他人の意見はほとんど耳に入れず、ほぼ自分のことだけ。空気を読まないというか読めないアスペルガーの典型。映画監督なんて、わがまま、独りよがり、自己中心的な人ばかりだと思うけど、その暴君さをパワハラだモラハラだと騒ぎ立てることもできますが、支離滅裂すぎる演出や言動を繰り返すトミーにはそれが何となくできない、というグレッグやスタッフの困惑や狼狽が、気まずい笑いを誘う。初監督作もそうでしたが、フランコ氏はイタい電波系コメディが好きみたいですね。私も好きです。ラストのプレミア上映、失笑と嘲笑が巻き起こる「ルーム」の全貌もイタすぎ、でもそれがしだいに喝采に変わっていく展開。本人は必死なのに、はたから見ると滑稽になってしまうことって、すごく皮肉。それが爽快な笑いになってるところが秀逸でした。

 天才とき◯がいは紙一重と言われてますが、純真とおバカも紙一重。トミーやグレッグ、そして「ルーム」のスタッフ&キャスト全員、何かが抜け落ちてるようなピュアな人たちばかりで、大丈夫?!と心配になりつつもほのぼのと温かい気持ちにさせてくれます。フツーならすぐに時間と労力の無駄と気づくはずなのに、傑作になると信じて悪条件にも悪環境にもめげず、一生懸命に真面目に明るく仕事に励む彼らが、見ていてとても羨ましくなりました。ひとつのことに無心に命を賭けるって、すごく崇高だな~と。ハリウッドでは、コネも実力もない凡人はまさに底辺人間扱い。それでも一寸の虫にも五分の魂とばかりの奮闘は、あきらめ人生を送ってる私の心に刺さりました。
 トミーとグレッグの友情も、イタいけど微笑ましく心温まるものでした。見た目といいキャラといい、フツーなら絶対関わりたくないと思うトミーに、常に優しく明るく忍耐強く、無茶ぶりされても怒ったり逆らったりもしない、底抜けに善人なグレッグってまさに天使だった。トミーはそんなグレッグに明らかに友だち以上の感情を抱いてるのが、笑えないほど痛々しかったです。BL映画としても面白かったです。

 まるで宅八郎な髪型といい、電波な言動といい、ジェームズ・フランコがトミー役をキモさ炸裂で珍演してるのですが、ふとした瞬間に見せる愁いに満ちた表情とか、やっぱ男前であることは隠せてませんでした。すごいゴリマッチョなフルチン姿も披露。喋り方と声も珍妙で、イタい奇人をキモ可愛く演じてます。グレッグ役は、ジェームズ・フランコの実弟デイヴ・フランコ。何となく似てるけど、そっくり兄弟!でなない。知らない人が見たら、兄弟とは気づかないかも。デイヴは兄ちゃんに比べると、すごく明るく健康的な感じ。ヒゲ顔が可愛くてカッコよかった。
 スタッフの一人で、フランコ氏の盟友セス・グリーンも出演してます。その他、シャロン・ストーン、メラニー・グリフィス、ザック・エフロン、「ウェディングバトル アウトな男たち」で共演したブライアン・クランストンなど、チョイ役のゲスト出演者が豪華でした。それにしても。トミーっていったい何者だったのでしょうか。素性といい謎の大金持ちぶりといい、正体を謎のままにして終わったのも巧い演出だったけど、やっぱ気になります。

 ↑業界から抹殺されたのかと思いきや、以前と変わらずじゃんじゃか働いてるみたいで安堵!
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レオ&ブラピ キネマの天地

2019-09-20 | 北米映画 15~21
 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
 1969年のハリウッド。かつては主演スターだったが、今はTVドラマの悪役で食いつないでいる落ち目の俳優リック・ダルトンは、自分のキャリアに悲観的でアル中気味、演技にも支障が出る始末だったが、スタントマン兼世話係のクリフ・ブースに支えられ何とか仕事を続けていた。そんな中、リックの隣家に新進気鋭の映画監督ロマン・ポランスキーとその妻シャロン・テートが引っ越してくるが…

 クエンティン・タランティーノ監督待望の新作は、レオナルド・ディカプリオ&ブラッド・ピットという超大物スターの競演!リック&クリフというフィクションと、カルト教団によるシャロン・テート殺害事件というノンフィクションを融合させ、60年代ハリウッドの業界人たちの姿をタラちゃんらしい独特の趣向と演出で描いています。

 60年代のアメリカンなファッションと音楽がまず目に耳に楽しい!ヲタクなタラちゃんらしく、当時の映画やTVのネタ満載。あまりにもマニアックすぎるし、さすがにリアルタイムでは知らないので、ちょっとついていけないところも多々ありましたが、面白かったし勉強にもなりました。タラちゃんが誰もが知ってる名作とか意識高い系アート作ではなく、くだらなそうでチープなB級映画やドラマをこよなく愛してることが、すごく伝わってきます。

 当時のハリウッドの大通りや撮影現場を再現したセットが、大規模かつ精巧。CGだらけ映画を観狎れてしまってる目を、およそ驚かすばかりです。いろんな出演作でいろんな役やってるリックの衣装だけでも、相当の製作費がかかってそう。あと、当時の車!私は車には全然詳しくないのですが、どの車もレトロかつオシャレ。特にポランスキー監督とシャロン・テートが乗ってた二人乗りのミニが可愛かった!車好きの人も必見映画です。リックの出演作のポスターとかにも、タラのこだわりが感じられました。それにしても当時のアメリカ人って、セレブも庶民もテレビドラマが好きだったんですね~。
 
 この新作は、いつものタラ作品より小粋さが増していて、タラちゃんもすいぶん円くなったな~と思いきや、いよいよシャロン・テートが…なラストになって、思いもよらぬ展開そして阿鼻叫喚のヴァイオレンス!最後の最後に、タラちゃん節炸裂!過激すぎて大笑い!ブラピとレオの大暴れも愉快豪快でしたが、クリフの飼い犬が驚愕の大活躍!あんなにおとなしく賢い名犬だったのに、ご主人さまを助けるため最恐の狂犬に!そして火炎放射器!なんでそんなもんが家に?!まるで岡田あーみん先生の漫画みたいな狂ったパニックが笑えました。犯人たちが哀れすぎ!

 これからシャロン・テートが惨殺されるのか~と、恐怖と緊張感を抱かせておいて、え!?何?どーいうこと?!な予想外すぎる展開と結末に、うう~んそうきたか~!とニヤリとさせられるタラの脚本、やはり冴えてました。話の面白さだけでなく、主演スターの魅力を活かしつつも他の作品の彼らとは違う面や演技を引き出すところも、タラちゃんは天才的です。レオナルド・ディカプリオは「ジャンゴ」、ブラッド・ピットは「イングロリアス・バスターズ」ですでにタラ作品に出演済みですが、落ちぶれることなく今なお第一級のスターであり続けている二人の顔合わせ、さぞや演技の火花を散らしてることだろうなという期待は、いい意味で裏切られました。二人とも、ただもうカッコいい、可愛い。ヘンな力みがなくて、軽やかで楽しそうだった。
 まずはレオ。オスカーを受賞した「レヴェナント」以来、久々のお仕事復帰。
 
 レオもすっかりおじさんになったけど、可愛いおじさん。エキセントリックな役や演技がほとんどなレオですが、今回はメソメソしたりイジイジしたり情緒不安定、コミカルにネガティヴなレオが新鮮でチャーミングでした。台詞が出てこず泣きそうな顔になるレオが可愛すぎ!デカくて貫禄も恰幅もある風貌と、内面の大人になりきれないナイーヴな少年っぽさのギャップもレオの独特さ、魅力です。プライベートと仕事で衣装とっかえひっかえなレオ七変化も楽しい。リックだけでなくリックが演じる役のシーンもたくさんあったので、撮影たいへんだっただろうな~。ダメ男だけど演技に真摯なリックに好感。落ち目なのにあんなプールつきの豪邸に住めるなんて、ハリウッドスターの稼ぎってやっぱ桁外れなんですね。
 クリフ役のブラピは、顔はおじいさんだけど、カラダと雰囲気は若い!

 優しさと男気、そして危険な香り。女は惚れる男も憧れる、そんなカッコいい役はブラピぐらいのスターじゃないと、演じても説得力ありません。カッコいいけどカッコつけておらず、ひょうひょうとラフな明るさがまた素敵。笑顔がすっごく優しいんですよね~。Tシャツとジーパンがあれほど似合うアラフィフ男優、ブラピの他にいません。屋根のアンテナを修理するシーンでは、上半身裸になるファンサービスも。四捨五入で60歳になるおっさんの体とは思えぬ肉体美です。

 クリフに甘えるリック、リックを甘やかすクリフ、ほとんどハリウッド版おっさんずラブでした。二人の友だち以上恋人未満な関係は、BLでもゲイではなく流行りのブロマンスなところが、腐女子受け間違いなしです。リックとクリフ、きっと爺になっても同じ調子で仲良くやってそう。
 シャロン・テート役を、今ハリウッドで最もアゲアゲな女優、マーゴット・ロビーが好演してます。セレブ感がありながら、すごく気さくで気が善いシャロン。自分の出演作を独りで映画館に観に行って、スクリーンの中で転んでパンツ丸見えとか、かなりチープでアホな自分の姿を楽しそうに見てる彼女、おおらかで明るくて可愛かった。いい人の役だけど実際は性格悪いんだろうな、と思わせる女優が多い中、マーゴットは美人だけど人柄も良さそうで好きです。

 ↑ レオは今作で、ブラピはもうひとつの新作「アド・アストラ」の宣伝でそれぞれ来日してくれました。二人ともいい感じにおじさんになって、若い頃とはまた違った魅力。日本の某事務所のおっさんアイドルたちも、年齢にふさわしい仕事すればいいのにね…
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危険運転の男たち 相棒スキンヘッド

2019-08-11 | 北米映画 15~21
 「ワイルド・スピード スーパーコンボ」
 元FBI捜査官のホブスと元英国特殊部隊員のショウは、人類を滅亡させるウィルス兵器を奪おうとした謎の組織に襲われ姿を消したMI6の女性諜報員で、ショウの妹であるハッティを見つけ出し兵器を取り戻すため、反目し合いながらも手を組み敵を追うが…
 人気シリーズ、初のスピンオフが待望の日本公開!喜び勇んで観に行きました(^^♪前回作「ワイルド・スピード ICE BREAK」ではドミニクを差し置いてほぼ主役になってたホブスとショウが、正式に主役に昇格し再タッグ。それぞれの出身国アメリカとイギリスみたいに性格もカルチャーにもギャップがあるようで、超人的な肉体と身体能力、不死身の生命力、そしてツルピカまぶしいハゲ頭と、共通点も多い似た者同士でもあるホブス&ショウのワイルドすぎる相棒っぷりが、ゴキゲンで笑えます。元々コメディ色が濃ゆいワイスピシリーズですが、今回は頭からしっぽまであんこが詰まった鯛焼きみたいに、完全なるコメディ映画になってました。ブライアンのことがあってから強まった、ベタベタしいファミリーの絆テイストが苦手だったので、辛気くささを排除したカラっとしたノリが私には嬉しかったです。

 ホブスとショウのケンカしながら息の合った共闘が、とにかく愉快痛快でコミカル。二人のやりとり、かわす会話は、粗暴なんだけどなかなか小粋でもあって、ハリウッドのアクション映画にしては台詞も秀逸。行く先々で大暴れ、街もビルも車も破壊しまくるワイスピおなじみの展開なのですが、いつも思うけど一般人が可哀想!一般人が誰も死んでないはずはないし、死ななくても自分の車や家があんなメチャクチャにされたら誰に損害賠償請求?!と、いつも疑問に思ってしまう私ですワイルド・スピード EURO MISSION」に続いて、またまたロンドンがメチャクチャにされてたのがお気の毒。製作者、イギリスに恨みでもあるのでしょうか。ロケとかどうやったんだろ。

 ワイスピといえばのぶっとびハチャメチャカーアクションですが、今回も冴えてました。特に驚嘆で目がテンになったのは、ロンドンでのカーチェイスで、巨大トレーナーの下を車とバイクがかいくぐってすり抜けるシーン。ありえねー!!けど毎回よく思いつくな~と、いつも手を変え品を変えなアイデアに感嘆。あと、サモアでのラスト決戦、断崖絶壁でのVS軍用ヘリ。もちろんCGの手助けなんだろうけど、こんなんほんまに撮影したの?と見いってしまうエンターテインメントな創意工夫です。

 猛暑に観るにはピッタリな、喉ごしのいいビールみたいなスカっとした映画なのですが、後に引かず観終わったら内容ほとんど思い出せないそういう系統の映画でもあります。ワイスピシリーズやアベンジャーズシリーズが大好きなのは、それが理由でもあります。これ誰?そんなことあったっけ?と新作を観るたびに思ってしまうことになりますがホブスの兄が天才的メカニックだったり、ご都合主義がいっぱいなところも、もうワイスピのお約束です。
 ホブス役のドウェエン・ジョンソンも、ショウ役のジェイソン・ステイサムも、今やすっかりハリウッドの大物スター。その魅力と貫禄を遺憾なく発揮してます。ドミニク役のヴィン・ディーゼルと違って、今や超大物な俺だから!なスカした感じが二人には希薄で、ノリよく一生懸命やってる真面目さも素敵。二人とも見るからに魁夷で、ぜったい死なない無敵感がハンパない。屈強すぎる肉体と、武器より我が拳な肉弾戦闘スタイルが圧巻。ちょっと前に観た某事務所タレントのアクション映画とかお遊戯だったな~と、ロック様とステイサム氏の漢(おとこ)っぷりと引き比べずにはいられません。ド迫力の死闘同様、コメディ演技もなかなかな二人。前作でお笑いに手ごたえを感じたのか、最近はコメディ映画出演にも積極的な二人ですよね~。

 黒いキカイダー、敵役(悪役ではない)イドリス・エルバもカッコよかったです。彼が乗る近未来的バイクが、孫悟空の筋斗雲みたいでクール&スタイリッシュ。チャラチャラした軟弱そうな、ルックスだけいい若造が出てこず、敵も味方も頼もしい大人の男ばかりなところも、このスピンオフの特性と魅力でしょうか。ホブスとショウの家族秘話も見どころですが、どっちもトンデモない一家で笑えます。あれじゃあフツーには育たんわ。特にショウ家にはいまだに謎多し。長男は元英国の特殊部隊で後に最強の殺し屋、弟も犯罪組織のボス、妹はMI6の諜報員って、ありえるの?!堀の中から再登場のショウママ。ママにだけは頭が上がらないショウのマザコンぶりが可愛い。ヘレン・ミレン、最初と最後だけながら、前回よりも登場時間が長かったかも。前回で電撃復活した弟オーウェンもまた出てきてほしかった。ホブスにミッションをもたらすエージェント役で、某人気スターがノークレジットでサプライズ出演してます。彼が次回は重要な存在になることを示唆するラスト、まだまだ引っ張るつもりだな〜と苦笑&期待
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脱獄男子♡

2019-07-23 | 北米映画 15~21
 「パピヨン」
 1931年のパリ。金庫破りのパピヨンは、殺人の濡れ衣を着せられ南米にある絶海の孤島送りとなる。偽造犯のドガと手を組み、生き地獄のような流刑地から脱出しようとするパピヨンだったが…
 スティーヴ・マックイーンとダスティン・ホフマン主演作のリメイク。大スターと名優が競演した旧作は、どちらかと言えば意識高い系映画ファン向けで、ライトな映画ファン、特に若い女性が食いつくような作品ではありません。その点この新版は、明らかに女性、特に腐女子を標的にした作りになってます。はっきりBLではなく、それより高度?な、いま流行りのブロマンス映画。セクシイなイケメンと可愛いイケメンが、命がけで助け合い庇い合い支え合い、ついでに脱ぎまくり合いなんて、腐女子狙い以外のナニモノでもないです。マックイーンとホフマン、二人とも偉大な俳優だけど、まったく腐的な萌えや妄想ができない。同じ内容でも、出演者によってまったく異なるテイストになるんですね。

 旧作のほうが、主演男優の格も作品のクオリティも評価も断然高いと思いますが、いまだに観る気がしないんですよね~。この新版にはすぐに飛びついたのにやっぱ私にとっては、非イケメンの名作<<<<イケメンの凡作駄作、なんですチャーリー・ハナムとラミ・マレックの顔合わせは、なかなか美味しゅうございましたとにかく二人とも、狙ってるとしか思えぬほど見た目も演技もBLカップルでした。

 「キング・アーサー」でもめちゃイケだったチャーリー、カッコいい外国人俳優my Best 10には確実に入りますわ。たまに若き日のブラピに似て見えるイケメンで、惚れ惚れしてしまうような肉体美に目はクギづけ!これでもかと言わんばかりに脱ぎまくってます。特に屋外シャワー、からの乱闘シーンでのケツ丸だし、あそこも見えそうな際どいアングルでの全裸は、眼福すぎるファンサービス。日本の某事務所タレントやヘボい俳優を見慣れた目には、そのラフでタフな精悍さといい強靭で美しい肉体といい、清冽なほどに“男”です。金髪・色白なので、男らしいけど男くさくないところが、濃ゆい男が苦手な女子にとっては口あたりがいいのです。
 日本でも大ヒットした「ボヘミアン・ラプソディ」でオスカーを受賞し、今をときめくスターとなったラミ・マレックを目当てに、多くの映画ファン(特に腐女子)はこの作品を観に行ったことでしょうか。

 フレディ役に続いて腐女子狙い撃ちに出たラミちゃん。ちびっこで童顔のメガネ男子なラミ、周囲の野郎どもからア○ルを狙われ(そこに大金を隠してるからだけど)常にオドオドキョドキョド、子犬のように不安そうに怯えながら、男気あふれるチャーリーのそばにピッタリ寄り添ってるのが可愛すぎ。チャーリーの肩に顔を埋めて寝たり(さすがにウザがったチャーリーが、スヤスヤ眠ってるラミを押しのけるのが笑えた)、今にもキスしそうなほどの至近距離と甘いウィスパーボイスでの内緒話などのシーンでのラミの仕草や表情が、いちいち乙女すぎ。ドガ、もうちょっとズルくてひねくれたキャラにしてもよかったのでは。俺が守ってやらねば!な、ほとんど可憐なヒロインになってたし。チャーリーほどではないけど、ラミもよく脱いでます。小柄でほっそりしてるけど、ボヘミアンの時よりも引き締まったカラダになってます。彼も屋外シャワー乱闘シーンで、キュートなケツを披露してます。

 とまあ、本来なら男たちの厚い友情のドラマ、地獄からの緊迫した決死の脱出劇、極限状態で身も心もボロボロになる迫真の演技、を堪能するはずの映画はずなのに、おっさんずラブを観てるのと同じぐらいのライトな楽しさしか感じませんでしたゲイ役で人気を博したことがあるイケメン(チャーリーもTVドラマ「クイア・アズ・フォーク」で)の起用によって、幸か不幸か腐女子ウハウハなプリズンブレイク映画と化してました。

 登場人物の誰ひとりとしてフランス人に見えなかったのは、まあいいとして。あの流刑地、あの脱獄、実話というのが驚きです。今でも北朝鮮の強制収容所とか、似たような地獄が現実にあるのが怖い。私なら半日で死ぬわ。脱出し回顧録を出版したパピヨンは、勇敢な不屈のヒーローになってましたが、何となく吉本興業の横暴を被害者ヅラで暴露した宮迫とカブってしまった。パピヨン、犯罪者ですから。金庫破りなんかせずにまっとうに生きてたら、あんな目に遭わなかったはずですし。

 ↑チャーリーの新作は、マシュー・マコノヒーやコリン・ファレル、ヒュー・グラントと豪華共演のガイ・リッチー監督作“The Gentlemen”です。ラミは007最新作で敵役!どっちの作品も楽しみ(^^♪
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逝かせる男

2019-07-15 | 北米映画 15~21
 「ブレイン・ゲーム」
 同一人物の犯行と思われる連続殺人事件の捜査を担当するジョーとキャサリンは、ジョーの旧友でサイコメトラーの元医師ジョンに捜査協力を求める。犯人が自分と同じ能力を持つことにジョンは気づくが…
 大好きなコリン・ファレルがサイコキラー役、と聞いて楽しみにしていた作品。ようやく観ることができました。でもコリン、映画が始まってもなかなか出てきません。中盤になって、やっと本格的に姿を現します。最近のコリンは、ヨルゴス・ランティモス監督の「ロブスター」や「聖なる鹿殺し」で、メタボおじさん化のイメージが強いけど、彼の原型はスラっとスマート。痩せてたらカッコいいんです。いや、デブおやじなコリンも全然イケてますわ。嵐とおっさんコリンだったら、まったく迷うことなく後者に抱かれたいです

 連続殺人鬼役ですが、悪役ではなく悲しいカルマを背負ってしまった男の役。コリンはワルっぽいけど悪っぽくはない。骨の髄まで悪な役はできない俳優。加害者よりも被害者が似合う。今回のコリンも、可哀想な男にしか見えなかった。それはあの美しく悲しい瞳のせいでしょうか。雨に濡れた捨て犬みたいな表情と瞳に、今回もキュンキュンしちゃいました

 苦しんで死ぬことになる人々を、その前に安楽死させるサイコメトラーサイコキラーなコリンですが、殺すシーンがほとんどないし、物静かでナイーヴな雰囲気と喋り方が何だか母性本能をくすぐる可愛らしさで、その繊細さと男くさい風貌のギャップがコリンの魅力です。私も被害者たちと同じ境遇になったら、コリンに優しくイかされたい、じゃない、逝かされたいです首の後ろ、延髄を一刺しして即死させる殺し方(必殺仕事人の三田村邦彦みたいに)も、怖いけど慈悲深くもあって、ヘンな言い方ですが善い殺人鬼?に私には思えました。殺人そのものよりも、自分は気の毒な人々を救っているという思い込み、歪んだ独善のほうが怖かったです。

 今回のコリンのように、いい男、いい役者だと、ステレオタイプな役でも魅力的に見せることができるのですね。実際、コリンの役もですが、映画そのものもサコメトラーとか犯罪プロファイリングとか、アメドラでよくあるネタを安易にブッ込んでる、どっかで見たことある感ハンパないデジャヴ映画でした。目新しさが全然なくて残念。いろんなものが見える予知能力者って大変だな~と同情、もっと美味しく予知能力を活かせばいいのにと思った。

 主役のジョン役は、英国の重鎮俳優アンソニー・ホプキンス。ホプキン爺さん、もう何やってもレクター博士にしか見えん!無敵感もハンパなくて、ピンチに陥っても全くハラハラしないです。コリンのような若造(ホプキン爺からすると)に負けるわけがなく、はじめっから勝敗の行方は決まってるのがつまんなかったです。ジョー役はジェフリー・ディーン・モーガン。執念深い殺人鬼役だった「ノー・エスケープ」とは別人みたいな素敵熟年!いい男!ちょっとコリンに似てる?十数年後のコリン、あんな感じになりそう。キャサリン役のアビー・コーニッシュは、シャーリーズ・セロン+ニコール・キッドマンを骨太に頑強にした感じの美人。

↑ この頃のコリン、ほんと好き~コリンの新作“The Gentlemen ”は、マシュー・マコノヒー、チャーリー・ハナム、そしてヒュー・グラントが豪華共演するガイ・リッチー監督作品。楽しみ!
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アホーニューワ~♬

2019-06-19 | 北米映画 15~21
 「アラジン」
 コソ泥の青年アラジンは、身分を隠して町にやって来たジャスミン王女と親しくなる。王国を支配しようと企む大臣ジャファーは、王女に会うため王宮に忍び込んだアラジンを捕らえ、彼に魔の洞窟から願い事が叶うとされている魔法のランプを盗ってくるよう命じるが…
 名作との誉れ高いアニメの実写版。オリジナルのアニメは未見。大ヒットした実写版「美女と野獣」をさほど面白いとは思えなかった私なので、やっぱヨゴレたおっさんにディズニー映画は向いてない…と期待薄で観に行ったのですが、どうしてどうして、すごく面白かったです!映画じたいよりも、楽しむことができた自分に感動
 日本人にも馴染み深いおとぎ話ですが、こんな内容だったっけ?と戸惑うほどに、何もかもがアメリカンなノリ。舞台が中東だろうがヨーロッパだろうが、どこであろうとコテコテのアメリカ風味にしてしまうディズニー、恐るべし!ほとんどアメリカ人のアラビアンコスプレ映画なのですが、中でも最もイマドキなアメリカキャラだったのが、ヒロインのジャスミン王女。その言動、そして歌までも、まるでMe,too運動でした。美人だけど、もう社会の理不尽さをイヤというほど味わって怒り心頭なアラサー女性って感じで、とても世間知らずなお姫さまには見えなかったです。

 まさにハリウッドの威信をかけたような、豪華絢爛なセットや衣装が目を驚かせ楽しませてくれます。美女と野獣ほどCG感、人間要らなくね?な感じが強くなかったのも良かったです。あまりにもゴージャスで、質素が好きな日本人の目には下品でケバケバしい悪趣味な成金に映ります。ジャスミン王女の部屋とか、あんなところで落ち着いて寝られんわ。日本人とは根本的に美的感覚が違うのですね。実際にも中東の王族や要人が感激し畏怖したという、日本の皇居のミニマリズムのほうに真の美、高貴さが感じられます。
 ミュージカルシーンが、いかにもアメリカンなノリで好き。特にアラジンがアリ王子として来城するシーンが、圧巻のド派手さで楽しかったです。魔法の絨毯でアラジンとジャスミン王女が夜空を飛ぶシーンで、あの有名な曲が流れてきてスウィート&ロマンティックな気分をアゲてくれます。

 アラジン役のメナ・スマードは、うう~ん、たまに錦戸亮に似て見えたり、私好みのイケメンじゃなかったのが残念。アラジンの見た目もキャラも、少年っぽすぎるというか、ジャスミン王女のほうがかなり年上に見えた。ジャスミン王女役のナオミ・スコットは美人!アラジンとは逆に、大人っぽすぎなような気がしないでもなかったけど。アラジンより、ジャファー役のマーワン・ケンザリのほうがイケメン♡

 アラジンより、ジャファーに抱かれたいと思いました顔が優しいのであまり極悪に見えなかったし、あの役にしては若すぎて貫禄とか面妖さ不足も否めなかったけど、いい男なのでノープロブレム(^^♪本国オランダではセクシー俳優として人気みたいなマーワン、ラスト近くの巨大な魔人に変身するシーンでは肉体美も披露。「オリエント急行殺人事件」など英語圏映画への出演も増えたマーワン、ハリウッドでも成功するといいですね。本国の出演作も観たい。
 アラジンといえばのキャラ、魔法のランプの魔人ジーニー役は、大物スターであるウィル・スミス。

 セクシーで可愛かったウィル・スミスも、すっかりおっさんになりましたね~。でも、カッコいいおっさんです。イケメンなだけで無芸な俳優よりは、はるかに魅力的です。元々は人気ラッパーでコメディアンだった彼が、久々の本領発揮なはっちゃけ演技。シリアスな時より、やっぱコメディな彼のほうがイキイキしています。ちょっと張り切り過ぎてイタい、とも思ったけど。
 魔法のランプを手に入れたら、皆さまは何を願うでしょうか。私は3つなんて欲張りません。願い事ひとつだけ~♪by 小松未歩。でもめちゃくちゃ強欲な願いなので、ジーニーに嗤われることでしょう

 ↑ マーワン・ケンザリ、1983年オランダ生まれの現在36歳。嵐と同世代!本国の主演作日本公開をI wish!


 
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ニート探偵 ロス疑惑の怪

2019-06-17 | 北米映画 15~21
 今日6月17日は、大瀬良大地くんの誕生日!Happy birthday dear 大地~
 あの可愛かった、初々しかったルーキーも、早や28歳。わしも年をとるわけじゃのお。結婚もしたし、今やカープのエースにもなって、すっかり大人の男性。嬉しいけど寂しい気もする母親気分。それはそうと。明菜もビツクリな難破船状態に、再び陥ってるカープの再浮上を頼むわ大瀬良くん!この先ずっと大瀬良くんのことを応援するでしょうけど、そろそろ新たな赤い鯉人にも出会いたいとI wish!


 「アンダー・ザ・シルバーレイク」
 ロサンゼルスで暮らす無職の青年サムは、同じアパートに住む女性サラと親しくなる。だが、突然サラは失踪してしまう。彼女の行方を探るうちに、奇妙で不可解な出来事や人々と次々に遭遇するサムだったが…
 なかなかシュールで笑える迷宮映画でした。わけのわからない人々、わけのわからない出来事や状況に主人公だけでなく、観客も翻弄されつつ次に待ち受けてるものが楽しみになってしまします。サムは引き返せないほどドップリ謎のぬかるみにハマっていきますが、私だったら面倒くさいし怖いし途中で諦めるでしょうけど

 すごい行動力と気力体力ですが、そのエネルギーをもっと有益なことに使えよ~と呆れてしまいました。まず仕事しなさい。働きもせず家賃も滞納してるくせに、煙草や車に使うお金はあるなんて。日がな一日必死に真相を追う姿が、かなり世間的な常識とズレてます。真実を知ったからといって何のメリットもないのに、殺されそうになっても執拗に探り続けるサムもまた、どこかコワレてる異常者の一人にも思えました。現実?幻覚?妄想?な体験や光景など、どう考えても正常な精神状態じゃなかったし。

 サムが若くてイケメンなところも、残念すぎる笑いを誘います。ヘタレなニートなのに、そこで発揮するのか?!な勇気と努力も無駄すぎて滑稽。見た目も頭もいいし、別にコミュニケーション障害とかではなく友達もいるし、探りを入れる時の人好きのよさも魅力的だし、もったいなさすぎ。何が彼を社会からはみ出させたんだろう。夢見てたような人間になはれなかったと言ってたけど、若いんだから十分やり直せる!やり直せ!と、おやじな私は叱咤したくなりました。何やかや小賢しい屁理屈や言い訳を並べ、できるはずのことをやらない若者って、ほんと最近多くて嘆かわしいですよね~。
 サム役は、大好きなアンドリュー・ガーフィールド

 作品ごとに、どんどんいい男になっていってるガーくんですが。この映画でも、ニートなダメ男役なのにイケメン!顔の濃さがほどよい。脂肪無縁なほっそりスレンダーなスタイルも不変。顔、小っ!足、長っ!それよりも何も、イケメンなのに何やってんの?!な役と演技に驚かされます。かなり突き抜けてます。ちょっと変わったことしたぐらいで、俺ってスゴいだろ?演技うまいだろ?と言わんばかりな日本の若手俳優や某事務所タレントとは違う本物の役者魂の持ち主。気持ち悪いスレスレな珍妙さが絶妙。やたらとケツ出すシーンが多かったのもインパクトあり。GFと真昼間から下だけ脱いでバックからズコバコ、エロ本をオカズにシコシコ、貯水池からすっぽんぽんで逃げ帰るetc.日本のお笑い芸人でさえ二の足を踏むケツ出しっぷり。

 犬にションベンひっかけられてヒエー!とか、イタいほどにアホな愚姿。後年、黒歴史になるのではと心配になるほどでしたが、そんなリスクなどものともしない果敢さ、チャレンジ精神こそ役者にあるべき資質、ということを教えてくれるガーくんでした。同じような役ばかり、好感度UP狙いみえみえな俳優ほどつまんないものはないですし。

 パーティーやセックス、ファッションやドラッグなど、ロスのセレブやミュージシャンなど業界人の享楽に爛れた生活や文化が異様。いぬ殺しやホームレスの王さま、フクロウ女など、いったい何だったんだろう?な謎は未解決のまま?いろいろ経験して人間的に成長したサム、なんてありきたりなラストじゃないところも、ワタシ的には良かったです。「第七天国」、そしてジャネット・ゲイナーが意外な形で登場。

 ガーくんの最新作は、「博士と彼女のセオリー」のジェームズ・マーシュ監督の“Instrumental”です。ピアニスト役だとか🎹
 
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KKK★アメリカファースト

2019-05-27 | 北米映画 15~21
 「ブラック・クランズマン」
 1979年のアメリカ。コロラドスプリングの警察署で黒人初の警察官となったロンは、白人至上主義集団クー・クラックス・クラン(KKK)への潜入捜査に抜擢される。ロンと相棒のフリップは二人一役で、KKKのメンバーとの接触を試みるが…
 昨年のカンヌ映画祭でグランプリ、今年のオスカーで脚色賞を受賞した名匠スパイク・リー監督の新作を、やっとこさ観ることができました~。評判通り、すごく面白かったです!とっても強烈でゴキゲンな快作でした。映画ってやっぱ、楽しい!面白い!が最重要ですよね。あと、驚きと刺激が加われば無敵。もうね、最近は誰が観てもOKなユルいヌルい無難映画ばかりなので、この作品はまさにキノコ狩りでマツタケ発見したかのような僥倖です。数々の問題作を世に放ち、物議を醸してきたスパイク・リー監督。一貫してアメリカに巣食う黒人差別を糾弾する映画を撮り続けてる彼の作品中、この新作はかなり異色と言えるのではないでしょうか。今回もコッテコテでガチガチの黒人差別糾弾映画なのですが、かなり笑えるんですよ。コメディ仕立てになってたのが、まずもってスゴい特色です。

 もう見るに耐えない、聞くに耐えない非道すぎる黒人差別をコレデモカ!と突きつけられるのですが、心が痛んだり暗くなったりする代わりにプっと笑えるシーンや台詞が満載。深刻で重い内容なのに、軽やかなシニカルさとポップなノリのおかげで、凡百な差別告発映画とは違う愉快痛快な問題提議映画になってました。声高に過激に激怒する告発調から、アメリカの暗部・恥部を嗤う余裕へと成熟したスパイク監督です。とにかくこんな映画、日本では絶対に作れません。 

 KKKの連中のイカレっぷりを、徹底して滑稽に描いているのがコメディ色を濃ゆくしています。スパイクさん、KKKをディスりまくり。出てくるKKKメンバー、そろいもそろってアホバカ。狂ってるとしか思えない思考回路や言動なんだけど、暗い狂気なんてカッコよさは微塵もありません。悪ではなく愚者として描かれていた差別主義者たち。それが返って監督の激烈な嫌悪と蔑みを浮き彫りにしていました。フリップと親しくなるKKKのメンバーが、魅力も共感も感じさせないけど個性的で笑えるキャラばかり。特に疑い深いフェリックスと、見るからにノータリンなアイヴァンホー、フェリックスのデブ嫁が笑えた。彼らの口汚すぎるトンデモ差別用語も非道すぎて、一周回って笑えました。特に冒頭の政治家?のおじさんの演説、もう笑うしかない頭のおかしさ。このおじさん、完全にあの人とカブります。

 笑えると同時に、もちろん戦慄も。こんなイカレた連中に支持されているレイシスト大統領の存在に。白人以外は汚物同然だと信じてるトランプさん、どんだけ我慢して阿部首相と仲良く握手やゴルフしてるんだろ、と同情さえしちゃいます。トランプさんもですが、白人至上主義者って強い憎悪や嫌悪があって差別してるわけじゃなさそう?交通ルールや社会常識を守ってるに近しい軽さが、返って怖いです。黒人側にある溶けない憎悪や怒り、頑なな警戒心と猜疑心もまた深刻で、歩み寄りの困難さだけは笑えませんでした。
 主役のロン役は、名優ゼンゼル・ワシントンの息子ジョン・デヴィッド・ワシントン。

 若い頃のパパほど美男ではないけど、おおらかさとふてぶてしさを併せ持った男らしい面構えが素敵。パパよりどっしりした恰幅のよさも、頼もしさ抜群。何かすごく可愛く見えてしまう愛嬌ある表情や仕草など、パパよりもコメディの才を感じる好演でした。アフロヘアとカラフルなファッションもオシャレでした。現在34歳のジョン・デヴィッド、嵐とかと同世代なんですね~。若々しいけど大人っぽいところが、嵐と真逆ですね。
 ユダヤ人のフリップ役は、スターウォーズシリーズのカイロ・レン役で日本でも人気のアダム・ドライバー。彼はこの作品で、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。

 アダムさん、ぜんぜん大熱演なんかしてないのに、ほぼ無表情なのに、すごいインパクト。演技に見えない演技の名手ですね。ドキュメンタリーの中の人物みたいなリアルさ自然さだけど、無音な不気味さ、不穏さがジワジワ…ゴゴゴゴ…と出ていて、はっきり異常者よりヤバい雰囲気。風貌も独特。イケメンなんだけどヘンにも見える小顔と、ヌオオオ~っと威圧感ある巨体のアンバランスさも奇妙で個性的。危険な任務は主に彼の担当だったので、見せ場も主演のジョン・デヴィッドより多く、KKKになりきってる姿はマジで洗脳されたのでは?と不安になるほどの迫真の演技でした。

 ↑このラストシーン、すごい好き!それにしても。カッコいいけどアフロヘアって大変そう!
 ロンとフリップのコンビに、ベタな友情や悩みを盛り込まず、サラリとした仕事仲間で終始していたのも、ありがちな刑事ドラマにらなずにすんだ要因。ミュージックビデオみたいな斬新な演出、そして音楽も秀逸で、サントラが欲しくなりました。やっぱり出てきた!なトランプさんや、シャーロッツビル事件など、実際の映像を使ったラストが、ポップで軽快な本編とギャップのある重さ痛ましさで、アメリカの今をあらためて憂慮せずにはいられませんでした。

 ↑ SWの最新作公開が待たれるアダムさんの新作は、先日カンヌ映画祭でお披露目されたジム・ジャームッシュ監督のゾンビ映画“The Dead Don't Die” です。ジョン・デヴィッドはクリストファー・ノーラン監督の新作に主演!アゲアゲな二人です

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これでおしまいヒーロー大集合

2019-05-01 | 北米映画 15~21
 今日から令和!争いや災害のない時代になるといいですね。
 皇室の静かで厳かな儀式も、日本らしい美しさでした。新天皇皇后両陛下のご成婚前後の映像に懐かしさと隔世の念を覚えずにはいられなかった私は、もう旧世代人間…
 喪に服す暗い始まりだった平成と違い、明るくおめでたいムードで幕を開けた令和。私の名字や会社も新しくなるといいな〜。いや、ならんでいいわ。新時代になっても個人的には今までのままでいたい私です♫

 「アベンジャーズ エンドゲーム」
 サノスによって人類の半数が消えてしまった世界。生き残ったアベンジャーズのメンバーは再結集し、世界を元通りにするための戦いに挑むが…
 シリーズ待望の新作にして最終回!正直、名残惜しさより安堵。シリーズものが苦手な私にとっては、数少ない全作コンプリートなシリーズなのですが、いいかげん引っ張り過ぎ。だんだん次回が楽しみ半分しんどいになり、前作「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」あたりからはもうこれ以上は無理、に。なので、アベンジャーズ最後の戦いには、嬉しい開放感を覚えました。有終の美を飾る今作は、3時間を超える超大作!長いなとは思いましたが、ぜんぜん苦痛ではありませんでした。すごく面白かったです!ナンダカンダでやっぱ、このシリーズが大好きなんですね私。

 でもでも。もう何がなんだかわけがわからないほど、いろんなことが乱発、いろんなキャラが乱立し、もうシッチャカメッチャカになってましたわ前作でアベンジャーズの半分が消えたこと以外、詳細は忘れ果ててしまってたので、これどーいうこと?これ誰だっけ?と、全然ついて行けてないことが露見でも話はもうぶっちゃけどーでもヨシ子。大好きな人気俳優たちが豪華集結してることが、私にとってこのシリーズ最大の魅力だから。よくみんな途中降板せずにやりきったな~と、あらためて労をねぎらいたいと存じます。初期の頃に比べると、さすがにみんな老けた。映画の中の時間はそんなに経ってないはずだけど、リアルではかなり長期に渡りましたから当然のこと。みんな老けたけど、いい感じに円熟味を増しました。ロバート・ダウニー・ジュニアとか、カッコいい爺さんになりそうだし。シリーズ以外の作品でも会いたい、と思わせてくれるスターに、みんななりました。私の好きなキャラが、最終回でもチャーミングだったのが嬉しかったです。

 クリス・ヘムズワースasソーと、マーク・ラファロasハルクは、もう完全にお笑い担当。コメディ要素が濃ゆいのもアベンジャーズシリーズの魅力なのですが、特にソーは男前おバカとして突出した存在に。今回は、アル中のビール腹となって引きこもり、という笑撃の変貌!とても神さまとは思えぬ崩れっぷりで笑わせてくれます。顔だけはイケメンのままなのも笑えた。

 どちらかと言えば地味なキャラだったホークアイが、今回もっともカッコよく見えるほどの見せ場と活躍!「S.W.A.T」とかイケてたジェレミー・レナーも、すっかりおじさんになりましたが、彼も渋みを増して若い頃とは違った魅力を備え始めてます。ヤサぐれて東京で暴れてた彼と闘う悪い日本人役で、真田広之がチョイ役で登場。彼も老けたな~。ダウニー・ジュニアやジェレミー・レナーと違って、悪い老け方してる。老けた上にいまだにこんな役しかやらせてもらえないとか、とてもハリウッドで成功してるとは思えず、何だか悲しくなってしまいました。

 ラスト近くになって、やっとあの御方が登場!そう、アベンジャーズの中でmy最愛ヒーロー、ブラックパンサーです!きゃー❤陛下~♡待ってました~💛陛下の復活に私のテンションは一気に上昇しましたが、遅すぎる登場に加えて見せ場もほとんどなく、顔見せ程度の出演にガッカリ。最後だけ出演なら、ベネディクト・カンバーバッチasドクター・ストレンジと、クリス・プラットasピーター・クイルのほうが、登場シーンは少ないながらも笑える言動をしてくれたりしたので、陛下の扱い方に不満!

 今回はタイムスリップ作戦がメインで、過去のシーンに懐かしい~!え?こんなんあったっけ?嵐。ロキやソーの母上、ドクター・ストレンジの師匠など、亡きキャラの再登場も驚喜でした。ラストの大決戦は、まるで関ヶ原の戦い。今や大物スターなアベンジャーズの面々が集合してるシーンは、ひょっとしたら合成?スケジュール合わせるの、不可能そうだし。今の技術だと、もう同じ場にいなくても共演しているように見せることも簡単でしょうし。大好きなアベンジャーズメンバーですが、今回???なキャラが登場していて当惑。「アントマン」と「キャプテン・マーベル」は未見だったせいか、彼らの加入に唐突感と違和感を覚えました。アントマンは何かイライラするキャラだし、キャプテン・マーベルは大物ぶっててナニサマ?な女だったし。最も???だったのは、アイアンマンの嫁が女アイアンマンみたいなキャラで参戦してたこと。あんなキャラ、いましたっけ?演じてるグイネス・パルトローは、まだ女優やってたんですね。今は女優というより炎上セレブとしてのほうが有名ですもんね。顔ももう女優は無理っぽいし、これが引退作になることでしょうか。

 地球の平和のために何人かのメンバーが落命したりスーパーな能力を失ったり、もう次回作はできないようにした終わり方が、潔くて好感。それぞれの道を進むメンバーの中では、やはりあのイケメンコンビの今後が気になります。前作で仲良しになった?二人が、最後になって正式?に仲間になったのが笑えた。アライグマのロケットが人間の姿に戻ってめでたくブラッドリー・クーパー登場!となれば、いい男トリオ主演の最高すぎる新シリーズができそうなんだけどね。

 ↑ アベンジャーズの皆さん、お疲れさまでした!クリス・ヘムズワース&クリス・プラットのWクリスには、アベンジャーズ以外の作品でも共演してほしいな~。この二人だとどうしてもコメディになるでしょうけど、シリアスなドラマで激突もmust be marvelous!
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もしも彼氏が冤罪で

2019-04-12 | 北米映画 15~21
 「ビール・ストリートの恋人たち」
 幼なじみのティッシュとファニーは深く愛し合い、結婚も間近に控えて幸せの絶頂にいた。しかし突然、ファニーが身に覚えのないレイプ事件の犯人として逮捕されてしまう。妊娠していたティッシュは、獄中のファニーを献身的に支え、彼を救い出そうとするが…
 オスカーを受賞した「ムーンライト」のバリー・ジェンキンス監督待望の新作です。ムーンライト同様、シビアで理不尽な社会の中で、傷つき苦悩しながらも愛に生きる若い黒人の物語です。それにしても。レイプ冤罪だなんて、ただでさえ差別に苦しめられているというのに、神さまはどれほど試練を与えれば気がすむのでしょう。ファニーへの濡れ衣も、ちゃんと調べれば無実だとすぐに判明するのに、黒人だからそんなのよくある話、みたいなアメリカって本当に恐ろしい国。あんな非道で悲惨な目に、いつ自分が遭うかわからないと戦々恐々して暮らさねばならない黒人の苦患は、日本人がいくら様々な映画や小説にふれても想像を絶します。

 全編にわたって、悲しみと絶望が澱のように沈殿しているのですが、若い恋人たちの愛が夢のようなムードで描かれてもいます。差別って怖いな~許せないな~というネガティヴな感想よりも、若いっていいな~こんなにも深く強く愛し愛されるなんて素晴らしいな~という賛嘆や羨望を強く感じました。ティッシュとファニーの筒井筒な恋は微笑ましく初々しく、そしてひとつになりたいという想いは切なく情熱的で。ただ並んで歩いてるだけのシーンが多いのですが、すごく満ち足りていて幸せそうで、まさに二人のため世界はあるの~♪なんですよ。交わす言葉も少ないのですが、愛に言葉はあまり重要ではなく、心で通じ合ってる風情が素敵でした。ラブシーンも、若者にしかない官能的な美しさでした。

 ティッシュとファニーのキャラも、若者らしく一途で純真で不器用なところが愛しかったです。ティッシュは可憐で受け身な女の子に見えて、何があってもファニーへの愛を信じ揺るがない挫けない強さが凛々しかったです。ファニーの優しさ繊細さは、愛される女を蕩けさせるほどso sweet!ちょっとダメ男なところも女の母性本能をくすぐります。無職なのに結婚や家探しとか、のんきすぎるのではと思わないでもなかったけど、そんな小さいことは気にしない、幸せな未来しか思い描かないのも若さの特権でしょうか。

 ↑ デートシーンの中では、雨の中を赤い傘さして歩くシーンが特にロマンティックで好き
 ティッシュとファニー、ちょっと恋に酔いすぎたのか、あまりも二人だけの世界でフワフワキラキラしてしまい、自分たちがどんなに厳しく危険な環境にいるのか忘れてしまったせいで、好事魔多しになってしまった。もうちょっとしっかりしてたら、と思いつつ、世故にたけて何でもソツなくこなす若者の話なんてつまんない、スキだらけで愚かなほどにキラキラドリーミーな若者のほうが、見ていて魅せられます。

 悪魔のような白人よりも、善き白人のほうが多く登場していたのが、とても救いになりました。白人だって、みんながみんな黒人を虐げてるわけではないんですよね。心優しい白人の中では特に、新しい部屋の大家さんが善い人でした。どうしてそんなに黒人によくしてくれるのかと訝しむファニーに、愛し合ってる人が好きだからと答える大家さん。うう~ん、いい台詞ですね!ちょっとホロっとなりました。
 黒人側にも腹ただしい連中はいて、ファニーの母親&妹二人の偏狭さと意地の悪さは、差別以上にムカつきます。いくら愛する男と結婚できても、もれなくあんな姑と小姑がついてくるなんて、私なら先が思いやられすぎてゲンナリするわ~。ティッシュのママ&姉が、ティッシュを侮辱する姑&小姑にガツンと喝を入れるシーンが痛快でした。女同士のキャットファイトが深刻ながらも笑えた。ティッシュの愛情深く気風のいいママ役のレジーナ・キングは、この映画でオスカーの助演女優賞を受賞。いい役、好演、だけど、演技的には「女王陛下のお気に入り」のエマ・ストーンとレイチェル・ワイズのほうが、インパクト&クオリティは格段に上です。

 表面は慎ましいけど心は強い、というちょっと古風な日本女性みたいなティッシュを演じたキキ・レインは、パワフルで自己主張が強い黒人女性の中にあって、おとなしやかではかなげなところが返って独特な魅力に。不安そうな表情や瞳が印象的でした。ファニー役のステファン・ジェームズは、カッコカワいいイケメン!優しそうでナイーヴそうなところが役に合ってました。ラブシーンで見せる肉体美も眼福です。でもファニーは別に肉体労働もスポーツもしてない芸術家肌の青年なのに、なぜあんなに肉体美?キキちゃんもちゃんと脱いでましたが、愛し合うシーンで生まれたままの姿になるのは当然。不自然な隠し方をするウソくさいセックスシーンなら、ないほうがいいです。
 善い白人役で、ディエゴ・ルナとデイヴ・フランコがチョイ役ながら爽やかな好演。ムーンライト同様、映像の美しさもこの映画の魅力。どこかアンニュイで冷ややかだったムーンライトに比べると、色彩は華やかになってました。ティッシュら女性たちのファッションが可愛くておしゃれ!今にもミュージカルになるのでは?な音楽の使い方、センスも抜群です。

 ↑ 若手黒人俳優の中では、今後の活躍が最も期待されるステファン。とにかくカッコカワイくて何着てもオシャレに見える!新作は何と!これまた大好きなチャドウィック・ボーズマン主演作“21 Bridges”!二人を同じ画面で見られるなんて、幸せすぎる!日本公開が楽しみ(^^♪
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