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後戻りの利かなくなった日中関係(2)

2013-12-27 | ラジオ
ストレリツォフ教授は、両国ともあまりにも激しく罵り合ってしまったとの見方を示している。見方を変えれば、日本も中国も事をあからさまな武力対立に持ち込みたくはない。外交官たちが、現在の対立状況を軍事紛争の段階までエスカレートさせぬよう、裏工作で対話を行って、状況打開、非公式的合意の締結の道を探るだろうことは明白だ。
ロシア人の中国問題専門家のウラジーミル・コルスン氏は、中国との関係を整える上で、日本の政治家も外交官も中国の情勢を考慮する必要があるとして、次のように語っている。
「現在、中国のブログ界やイエロープレスでは生活圏の拡大、中国に対する西側の犯罪、世界資源の公平な分配に中国が従事する義務について盛んに討議されている。
こうした声明はよりバリューのある見解を表わす人たちも行っている。厳しい発言の大方の部分は日本に関係している。というのも、新リーダーの習近平国家主席の政治ブレンドは、中国が長い間待ち望んできたものだからだ。これを実現化するためには、ナショナリズムのスローガンの下に国民を一致団結させねばならない。このためには、目に見える形での外敵があることが必須となる。その役割を日本が担わされているのであり、これは尖閣だけが悪いのではない。
現在、日本が批判されている点は外交政策上の行動のみならず、憲法または国防戦略を見直し、集団防衛権を獲得しようとする意図があることだ。この批判は日本の政治に対する国内の見解でも伺える。
たとえば中国では『誰が日本をコントロールするのか』という本が出版されたが、これは新華社通信で翻訳され、あらゆる新聞で公表されている。この本は中国人の読者に対し、日本の体制は不安定であり、封建主義的性格を持っていると説明している。
見方によっては日本は北朝鮮と似たり寄ったりで、その理由は日本を牛耳っているのは5つの家系だけであり、議員制度も何度も同じ家系から当選するしくみになっており、役人の大半は東大の出身者で固められているというわけだ」
中国問題専門家の話だ。

コルスン氏は、こんなふうに中国で世論形成が行われていることで一定の成果が生まれているという。北京の東には、いまやものすごく人気のレストラン「毛沢東」があるが、そこに行くと成果の一端が伺える。
半時間ほど酒を飲ませ、反日的プログラムを鑑賞したあと、可愛らしい教養あるインテリの中国人が、いきなりテーブルに飛び上がってこう叫ぶ。「東京を空爆せよ」「日本人を殺せ」コルスン氏は、日本は残念ながら中国の反日感情をあおるために頻繁にその原因を作ってしまうと語っている。
特に尖閣諸島の国有化については、あまりに悪い時期を選んだとしかいいようがない。ところが日本は、そうは思ってはいないのだ。

外交〈下〉
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日本経済新聞社

12月18日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル