1010 Radio

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ヤクザに借金を返すため原発の瓦礫撤去

2013-12-06 | ラジオ
テレビ局・Russia Todayは、ヤクザが借金の取立てに福島第一原発での瓦礫撤去作業をさせているという取材を放送したが、これはすでに2年前、スズキトモヒコ氏が著書「ヤクザと原発」のなかで明らかにしていたことだった。当時これは大きな反響を呼んでいた。
当時、東京電力はヤクザとの関係をすぐに否定したが、日本においてビジネス、さらには政府そのものがヤクザと関係を持っていることは何も驚くには足りない。

ヤクザと原発 福島第一潜入記
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文藝春秋

17世紀にはヤクザの親玉の一人であったバンズイン・チョウベイという人物が、借金取立てとして江戸城の普請に当たらせている。福島原発をめぐるケースは、それに放射線を加えたようなものだろう。

裏社会の日本史
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筑摩書房

ロシア科学アカデミー・日本研究センターのダリヤ・セニナ研究員は、日本でヤクザとの暗黙の協力関係が存在していることは、ロシアの専門家たちも知っていると指摘している。
「ヤクザは国家の力が及ばない部分での秩序を保つものです。第一に、それは賭博、武器の売買そして歌謡界です。それらの分野ではヤクザが一定の均衡を維持しており、国家にとっても利益のあることだ」
研究員の話だ。

政治家と株と暴力団―走って書いて30年
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本の泉社


最近では三菱UFJ、みずほ、住友三井などがヤクザとの関与がないか調査を受けている。今年7月、名古屋の飲食店のオーナーが山口組を相手取って訴訟を起こしたこともセンセーショナルな出来事(語尾が何を言ってるのか不明)。
ロシアの専門家たちは、これが前例を見ないヤクザ対策の始まりと考える必要はないと指摘している。セニナ研究員は、最近の出来事はむしろ、経済的必要によるものだと話している。
「みずほに対する捜査は、日本の金融規制に関係している。失われた20年の間、非常に厳しい銀行危機を乗り越えた日本は、金融リスクを取り除こうとしているのです」
研究員の話だ。

裏社会「闇」の構図―ヤクザとカタギの黒い関係 (文庫ぎんが堂)
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イースト・プレス

なおモスクワ国立国際関係大学のドミトリー・ストレリツォフ氏は、政府にとって都合のよいPRでもあると指摘している。
「これは日本政府が、より厳格な金融規制を行っていることと関係しています。安倍政権はこの点で批判を受けていますが、政府財政の改善で一定の成果を見せなくてはならないのだ。ですから、この点で一定のプロパガンダ的な性格を帯びています。つまり日本政府は金融のグレーな部分を黙って見ているのではないということです」
ストレリツォフ氏の話だ。

銀行部門に対する規制厳格化は、いまや世界の流れとなっている。しかし日本での、みずほのような懲罰的措置は、長年にわたって築き上げられてきた、政府とヤクザの関係を壊してしまう恐れもある。政府がそのような関係を壊せるだけの準備があると考えられる根拠もない。

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相変わらず若い女性アナウンサーの声が出ていないため非常に語尾が聞き取りにくい

11月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル