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日本の米作 優遇措置撤廃

2013-12-07 | ラジオ
日本政府は国民の主食である、お米の生産に対する、これまで長年行ってきた、ま伝統的な保護政策を止める決定を下した。
2014年度の財政年度から、お米の生産者に与えられていた助成金は半分に減らされ、2018年からは助成金そのものが完全に打ち切られる事になりそうだ。
これまで日本では当局が政府が、お米の生産の割当を厳しく決める一方で、農民からは高い値段で、お米を買い上げるという特別なシステムが機能していた。この措置は国内の生産者を保護し、お米の消費が縮小することによる市場価格の下落を阻止するためのものだったと言える。それが何故今になって政府は、そうした措置を止める事にしたのだろうか。

ロシア最高経済学院の専門家である、アンドレイ・フェスュン氏は、それは日本政府が環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPPの交渉プロセスに参加していることと関係している、そう指摘し次のように続けた。
「日本政府の決定は、政治的および経済的という二つの側面を持っています。その二つは互いに密接に繋がっています。まず経済的な側面というのは、TPPのメンバー国となれば、他の国々からより安い農産物が日本市場に入って来るようになります。そうなれば国内の生産者が破産する可能性も出てくるわけだ。その一方で日本のハイテク製品の競争力は、国外市場で強まることになるでしょう。日本政府は巨大ビジネスや経済のハイテク部門を、生き残りその生き残りのために、農業を犠牲にする用意があるということです。
もう一つの政治的な側面ですが、ここ数十年の間、日本の有権者で農業に従事する人々の影響力が、急激に減少したという点です。長靴を履いて田んぼで働きたいと望む人は、益々少なくなってきています。当然ながら、そうした人々の声に耳を傾ける必要性も減ってきています。おそらく、そうした事を計算に入れて、与党自由民主党は、今はもう選挙の際、農民票を特に期待するには及ばないと考えたのでしょう。都市部の有権者の支持獲得が、まず必要と言うわけです」
フェスュン氏は、このように述べている。

TPP交渉プロセスに参加するなかで、自由民主党はルールの最終的な承認まで、日本の農業にとって有益な例外を勝ち取りたいと言ってるが、最高経済学院のフェスュン氏は、恐らくそれは無理だと見ている。
「これはベルトを締める必要が生じる時、また重要な決定を下すとき、いつも言われる美辞麗句です。病人に貴方はひどい病気だと言ってはいけないのと同じです。普通は、そうした場合、すべてうまく行きますよ。貴方はもうすぐ良くなりますよ、と言うものです。
TPPでは、すべての加盟国が農業も含めて、共通の基盤の上に立ちます。そうした事でまず有利なのは、マレーシアやタイといった東南アジア諸国です。日本はハイテクや自動車産業で自分達の優位性を手に入れるでしょう。
その方が、お米を作るよりも、はるかに多くのお金を稼ぐ事ができます。
問題は、どの程度まで日本は、自国の農業を犠牲にするのかという点です。しかしこの問題は現在すでに、日本社会に直接向けられた、より心理的な問いかけになっているようだ。ここ数十年間、日本における、お米の消費量は落ち込んでいます。それにもかかわらず、お米は日本人の食卓に毎日、やはりなくてはならない存在なのです」
フェスュン氏は、このように指摘している。

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米作、お米を作ることは常に、日本経済の最も重要な部門で有り続けた。それゆえ日本人の主食、お米の生産に対する優遇措置撤廃という決定は、極めて重大な意味を持つことになるだろう。

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11月30日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル