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中国設定の防空識別圏が持つリスク(1)

2013-12-15 | ラジオ
中国が日中間で領有問題が先鋭化している尖閣、中国名ではジャオユイダオ諸島の周辺に防空識別圏を導入したことは、アメリカ側からの予期せぬ反応を招いてしまった。
B52戦略爆撃機2機が、このゾーンを中国側への通告なく通過するというデモンストレーション飛行を行ったのだ。日本そして韓国政府も自国の空軍機を中国側に通告せずに、この空域を飛行させると発表した。必ずや起こりうる、そうした事態に中国は今後どのように対応するのだろうか。
今回の中国政府の決定が、この地域の軍事政治状況にもたらした結果について、ロシア戦略技術分析センターのワスィーリイ・カーシン所長の見解を、以下ご紹介したいと思う。

中国が防空識別圏設置を発表した瞬間すでに、アメリカや日本の空軍機が、この空域を中国側への通告なしにデモンストレーション飛行するだろう事は明らかだったと思う。
中国政府は、米軍機の飛行に対する最初の反応として中国の対空防衛力は、これら航空機の飛行を監視し、必要があれば、空域のコントロールを保証する能力があるといった、声明を出すにとどめた。その後、中国国防省は、28日、空域をパトロールするために、スホーイ30型戦闘機およびJ-11戦闘機、このJ-11はソ連のスホイ27型戦闘機を中国でライセンス生産したものだ。
これらの戦闘機が数機飛び立ったと発表した。ここで生ずる主な問いは、防空識別圏に次に他の国の空軍機が入ってきた場合、中国はどう対応するだろうかというものだ。

もし中国が政治的な声明や警告を出すにとどめるならば、その場合、中国は、この空域を実際的にコントロールしたいとする自分たちの要求を強めてゆく能力がないという事を内外に示してしまう。そうなれば防空識別圏の設定に関連した目論みは、中国の威信を大きく傷つけるに違いない。おまけに中国の対外政治的な利益のみならず、国民の目に映る中国指導部の威信にも傷がつくと思われる。

中国設定の防空識別圏が持つリスク(2)へ続く

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11月29日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル