昨日、祇園の「両足院の半夏生の庭園特別公開」へ行ってきました。両足院は、京都で最古の禅寺の建仁寺の第35世「龍山徳見禅師」が開創された、建仁寺の塔頭寺院です。通常は一般公開はしていません。(座禅や精進料理、ヨガ体験等を定期的に行っています)
庭園は白砂と苔に青松が美しい唐門前庭と、枯山水庭園の方丈前庭、そして池泉廻遊式の書院前庭があります。書院前庭の池の周りに半夏生が茂っています。
半夏生はドクダミ科の植物で、長さ10~15cmほどの花穂があがり、花のすぐ下に位置する葉の表面が白く変化します。名前の由来は「半夏生」(夏至から数えて11日目、太陽の黄経が100度になる日)の頃に花を咲かせることに由来する説と、葉の一部を残して白く変化する様子から「半化粧」とする説があるそうです。夏至から数えて11日目・・・今年の夏至は6月21日だから、来月の始めがピーク?なのでしょうけど、今年は開花が早く、すでに十分見応えがあります。
受付で呈茶券付拝観券(1100円)を買い求めると、臨池亭にてお抹茶が頂けます。武士も気軽にお茶を楽しめるようにと、躙口(にじりくち)などはなく、広く景色が楽しめる茶室です。お菓子には両足院の寺紋が焼印され、餡は緑色で半夏生を思わせます。ちなみに両足院の開山の龍山禅師が中国から帰国した際に、共に帰国(来日)した林浄因(りんじょういん)が、お饅頭を日本に広めたといわれています。その後、子孫は、両足院の住持、禅僧、商人となり、現在も御菓子老舗「塩瀬総本家」として繁栄しています。
お抹茶を頂いた後は、庭を散策できます。この庭の池は鶴が羽を広げた形となっており、池に流れる水は、清水寺の音羽の水だそうです。清水から祇園へ水が・・・なんだか不思議~。
拝観券のみ(600円)の場合は、歴史や寺宝についての説明を伺った後、書院に座って庭をのんびり眺めることができます。
庭を楽しんだ後は、狛寅さんが守る「毘沙門天堂」へ・・・。祀られている毘沙門天は、鞍馬寺毘沙門天の胎内仏だったものです。比叡山が織田信長によって焼き討ちにあった際、鞍馬の僧が尊像の安全を危惧し胎内仏を黒田家ゆかりの茶家に疎開させました。その後、関が原の戦に黒田長政が尊像を内兜に収めて奮戦し勝利を収めたといわれています。維新の変革で明治10年ごろ両足院に寄進されました。毎月第2日曜日には寅市が開催されています。【前ぶろぐ】
両足院 http://www.ryosokuin.com/index.html 拝観所要時間:30分~
半夏生の庭園特別公開は7月10日までです。ちなみに雑節の半夏生は7月2日です。
【おまけ】両足院の茶席で頂いたお菓子がとても美味しかったので、どこのお店か伺ったところ「松寿軒」さんとの事でした。帰りに寄って、水無月(170円)と上用まんじゅう(300円)を買ってきました。とちらもすごくおいしかったです。
松寿軒 京都市東山区松原通大和大路西入弓矢町19-12
茶席の半夏生のお菓子は特注品なので販売はありません。
半夏生は北区の等持院でもたくさん見られます。【前ぶろぐ】
そして、おかし、すごくおいしかったです。
ここの水無月、また食べたいです。