ITSを疑う

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イタリア・スペインの道路会社合併にまつわるごたごた

2006年11月08日 | ITS
せっかくヨーロッパに来ているので、欧州の高速道路事情について書いてみよう。

イタリアの高速道路運営会社Autostradeはスペインの同運営会社Abertisと合併の方向で調整をしているが、イタリア政府はこれを認可しない(新会社には道路の使用権を与えない)という声明をだしている。

これに対してEUは、EU域内の資本提携を政府が規制することはEU法規制に抵触するとしてイタリア政府に対して強く警告しており、EUが法的処置に出る可能性が高い。

Autostradeはベネトン一族が大株主で、南部を除くイタリアの大多数の高速道路を運営している。最近はIC非接触カードによるキャッシュレス支払い「Telepass」を導入している。
去年の11月にミラノに滞在した時、TelepassはTVコマーシャルをしていた。

そもそもイタリア政府とAutostradeはあまりうまくいっておらず、この問題以前にも政府は同社に対して「必要なインフラ投資を行っていない」とクレームをつけていた。

イタリア政府が合併に反対する理由は、公には
・高速道路は社会インフラであり、公共利益を損なう。
・Abertisの大株主にスペインの建設会社が入っており、建設会社は高速道路会社の株主になれないというイタリアの法律に抵触する。
ということになっている。

実際合併自体は1対1なのだが、イタリア政府にしてみれば高速道路というインフラをスペインにもって行かれる、という思いがあるのだろう。どこの国でもインフラには利権が付き物だ。

この合併が実現すると、総延長6713km、従業員20000人の世界最大の高速道路運営会社となる。

仮にわが国の高速道路会社が外国資本と合併するということになったら、道路族はどんな反応をするのだろうか。


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