ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

安全走行支援サービスの苦悩

2006年09月24日 | ITS
国交省のITSホームページによれば、9月26日に第3回目の参宮橋実験の検討会が実施される。

リンク先文書には
「この社会実験において、交通事故の削減効果が継続していることや、実験モニターへのアンケート調査から本サービスが長期的に有効と考えられていること等の結果が得られました。」
とあり、どうしても実現したいという意思が現れている。

以前からこの実験については書いているが、もっとも実現を難しくしている点は「路側機と車載器のアンマッチ」なのだ。

ETCは普及が進み、今後車載装着率が60%以上になることは間違いないと思う。
しかし、ETCに対応したDSRC路側機の設置はするとしてもゼロスタートで、莫大な費用がかかる。

一方、車と通信する路側機としてはVICSビーコンがすでに4万5千箇所設置されている。
これらの状況から、すでに路側インフラとして存在するVICSビーコンを活用するという方向が打ち出されたのだ。

しかし、VICSビーコンの受信機はカーナビ装着車の10%程度であり、この装着率は決して右肩上がりではない。3メディアナビキャンペーンなどという施策を打ったようだが、まるでインパクトがなかった。

既存のインフラを活用しようという考えはまったく正しい。
しかし、ここできちんと評価しなくてはならないことは、
「4万5千箇所も路側機があるのに、なぜ車載VICSビーコンが普及しないのか」
ということだ。

結局、路側電光掲示板にも掲示される内容が車載モニターに表示される程度のことで数万円の出費をする消費者はいない、ということなのだ。

そしてまさにこれが参宮橋実験のあやうさなのだ。



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