ITSを疑う

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ETC運用に関する疑問

2006年09月19日 | ITS
さて、昨日ETCの不正利用について書いたが、ひとつ腑に落ちないことは、なぜこの犯人は半年以上にわたって通行が出来たのか、ということだ。
毎回毎回、合計200回以上もゲートを跳ね飛ばしていたのだろうか?

私は夏休みに東関道でゲートを突破した。何かの不具合で通過時に車載器が反応しなかったのだ。しかしゲートは下がらなかった。
突破してしまったことは間違いない。ETC車載器の履歴に支払い履歴は残っていない。

昨日のエントリーにあるように、ETCゲートの不正通行は(故意か過失かはわからないが)年間20万件を超えている。
ETCゲートでゲートが閉じて直前車が急停止した場合の後続車追突リスクはかなり高い。そんな状況が年間20万件発生している。仮に1%のリスクでも事故発生2000件だ。

私がゲートの管理者なら、不正通行でもゲートを下ろすな、と指示するだろう。
人命は最優先だ。事故はなんとしてでも避けなければならない。

ここからは私の推測だ。
カード差し忘れなどによるETCゲートの追突事故などが多発したことから、高速道路会社はゲートを下ろさないようにしているのではないか?
あるいは、ある一定速度を超えている場合は危険なのでおろさない、などの制御をしているのかもしれない。
そもそも有人ゲートでも、支払い拒否に対しては「無抵抗」を指示しているのが道路会社だ。

それはそれで良い。そもそもゲートをおろすから事故がおきる。
しかし、今の仕組みはゲートを前提にしているため、不正通行の事後取り締まり規定が欠如している。課金や簡易的な罰金という制度がないのだ。
その結果が、半年も野放しにされ、結局は「逮捕」という最終手段をとるしかない。

私も8月に突破した。私は逮捕されるのだろうか?それとも、この先請求書も送られてこないままうやむやになるのだろうか? どちらも納得しがたい。
1回ならうやむやで、200回なら逮捕だとすると、その境目はどこにあるのだろうか?100回まではOKとか?

昨日の逮捕記事は間違いなく氷山の一角だろう。
不正通行に対する行政処分のような制度がないので、とりあえずは「目に余るやつは逮捕だぞ」という抑止を狙っているのかもしれないが、本当にこんなやり方でいいのだろうか?

そもそも、ゲート方式を採用した時点で追突事故のリスクはわかっているはずだ。
さらに、カードの差し忘れ、期限切れなどによる問題の発生も、わかっていたはずだ。
以上の前提条件からは「完全ノンストップ通過は無理」という結論しかないように思える。事前ゲートで一旦停止させるか、路面バンプで徐行させるなどの対策が必要だ。

はたしてこうした事柄はきちんと検討されていたのだろうか。どうも疑わしい。


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