ITSを疑う

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国交省の平成29年度道路予算概要 続き2

2017年02月16日 | ITS
前回の続き。

予算概要に「ネットワークを賢く使う」として道の駅への一時退出などの説明がある。
しかし、これにはかなり疑問がある。

まず、SA.PAがない区間で高速道路を一旦おりて道の駅に寄り道をした場合、「ETC2.0限定で」継続扱いにするという。
ETC2.0は移動経路をアップロードするから、再入路時に道の駅に立ち寄ったという経路データをチェックして継続扱いにすることは技術的には可能だろうが、そこまでするのだろうか?判定ミスによるトラブルもありそうだし、ETC2.0限定で1時間以内の再入路をすべて継続扱いにするのではないかと邪推してしまう。これはあくまで推測であり、違うなら教えて欲しい。

一番確実な方法は道の駅にDSRC路側機を設けて来場をチェックすることだろう。しかしこの方法はETC2.0でなくても通常のETCで出来る。ETCはすべてデータをアップリンクしている。
もし道の駅にDSRC路側機を設置するのであれば、通常ETCを対象にしない理由を教えてほしい。この施策は利用者の利便を向上するためのものであり、全ETCのわずか2%しかない2.0のみを対象とする理由がわからない。

理由がわからないと言ったが、実はETC2.0の普及促進なのだろう。
このパワーポイントの右半分にはETC2.0に限定した割引について記載されており、明確にその割引は「普及促進策である」としている。左半分もそれと同じ趣旨の施策だから同じページに書かれているのだ。

結局、全然利用者の利便向上なんて考えていないのではないか。
一向に普及が進まない2.0が少しでも売れるように道の駅への一時退出を利用しているだけのように思えるが、いかがなものだろうか。

(もう一つ。SA.PAの駐車場予約システムという記載があるが、これは具体的計画があるのか?本当にできるのだろうか?
予約管理をどうするのか?走行中に出来るようにするのか?ナビを使うのか?手間を掛けてやるほどニーズがあるのか?)