ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ITSコネクト (アナログ停波跡地利用)

2017年02月27日 | ITS
ITSコネクトに関しては15年10月に記事を書いている。長いがその生い立ちまで含めて記載した。
それから一年以上経過してどうなったのだろうか?

未だにITSコネクトの認知は非常に低いと思う。
トヨタはクラウンに引き続きレクサスRXやプリウスにもオプション設定し、東京名古屋では無料装着キャンペーンもあったようだが、トヨタ車全体の装着率はまだコンマ以下の状況だろう。

装着した車同士であれば見通しの悪い交差点などでの衝突回避警告が出る。また対応する交差点等でも警告がでる。救急車には装着されていて、その接近を知らせてくれる。
しかし、装着車がほとんどいないのであればお金を払ってつける人はいない。
また装着車がほとんどいなければ、国は対応する路側機の設置もできない。
事実、装着した人のコメントをみても救急車が来ることがわかるのには驚いた、という程度のことしかない。

この悪循環を断ち切るためには標準装備や無料装着しかなく、だからトヨタもプリウスでキャンペーンをしたのだろう。
しかしこの装備は現時点ではトヨタだけ。
トヨタが独占しているわけではなく、他社が乗ってこないというのが実情だろう。

レーダーやカメラ+画像認識の進歩により車の衝突安全性は大きく向上している。しかし見通せない交差点の事故は防げないので車車間通信は必要なのだ、という理屈はわかる。しかし、そうした事故の発生率自体さほど多くなく、安全装備としての優先順位は低いし、ユーザーもそう感じているからお金を出してまでつけようと思わない。

業界トップ企業の責務として国策であるアナログ波の跡地利用に参画し、車に実装してしまうトヨタには敬服するしかないが、これが今後ITSのスタンダードになるとは到底思えない。

Nottvの失敗といいこれといい、アナログTV跡地利用はどうにもおかしな状態になっている。