ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ロボットタクシー(株)の現状

2017年02月06日 | ITS
ZMPとDeNAの合弁事業で2020年までに無人タクシーを走らせるとしていた「ロボットタクシー」株式会社だが、ちょっと雲行きが怪しい。
以前のエントリーで2020年までに無人タクシーを「走り回らせる」ことは絶対にできないだろうと指摘したが、まさにそのような状況になりつつあるように見える。

ZMPは昨年末に予定していた上場を直前にキャンセルした。その理由を「顧客情報の流出」としているが、本当だろうか?
追い打ちをかけるように今年に入ってDeNAがZMPとの合弁を解消し、自動運転については日産自動車とすすめると発表された。

ロボットタクシー社の実証実験は老人向けの巡回買い物バスサービスと言うようなものになっている。
それはそれでこの先非常に重要なことなのだが、コミュニティでボランティアの運転手を選び運営するようなことで解決するレベルの問題なのではないか、と思っていた。
自動運転にする理由は運転手の人件費でしかなく、このあたりがもっと大きな世界をみていたDeNAの思惑とずれていたのではないか。

というか、本格的な自動運転のためにいまGoogleやカーメーカーが投下している経営資源と「ロボットタクシー」社のそれとの差はあまりに大きい。
実際に車、自転車、歩行者がいるトラフィックに運転者なしで出ていくためには相当な量のデータ蓄積と高度な制御技術が必要であり、ロボットタクシー社のR&Dレベルでは失礼だが難しい。おそらく当面は専用レーンをはしる路線バスのようなもの以上にはならないだろう。