ITSを疑う

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戦後70年談話と中国の反応

2015年08月15日 | ITS

あまりブログで政治的なことは書かないようにしているが、戦後70年の節目の時に中国にいるので中国メディアの反応と感じたことを書いておく。

中国ネディアの最右翼(なのか、最左翼なのか、要は一番過激)な環球時報はWEB版で「安倍談話は満足できるものかどうか」というアンケートをしており、97%が「不満」。もっともこのメディアの読者はそうした人が多いので、一般市民の意見を必ずしも代表しているとはいえないだろう。

環球時報の社説は日本のメディアと同様に、「お詫びの言葉を直接言っていない」「この先の子孫にお詫びの宿命を追わせるべきでない」あたりに噛み付いているが、お詫びの言葉が入ったことを評価はしないまでも、きちんと伝えている。

敗戦後、引揚者たちが中国を含むアジアの人たちに助けられたことへの感謝の部分は報じていない。おそらく多くの中国人は全文を読まず、要約記事しか目にしないからこれは伝わっていない。

ということで、これは大体予想された反応であり、党中央から正式は声明が出ない以上は中国メディアとしてはこの程度の記事しか書けないだろう。その他の大部分は海外メディアの報道を引用してお茶を濁している。

それよりも思うことは、日本のメディアだ。私は70年談話は全体を通して見れば良い内容だと思う。また、こうした談話は高度に外交的配慮がされているものであり、その表現も慎重に考えられているのだろう。
それに対して国内メディア各社がニュースやコラムであら探しや採点のようなことするのはどうかと思う。中国のメディアがそれをするならわかるけどね。物事は全体を見るのは大事でしょう。

報ステの解説をした人は、この先の若者にお詫びの宿命を背負わせたくない、の部分に噛み付いていた。この先の若い人たちが海外で過去の日本が行った行為に対する非難のような場面に遭遇しなんの反応も示さないとしたら問題だ、お詫びするかしないかではなく歴史に対する正確な認識を持ってほしい、という言い方だったが、要は日本人が過去に何をしたかを認識してその気持を表わせ、といっている。

これには私は同調できない。戦争は私が生まれる前の出来事であり、私には1ミリも責任がない。日本人としての謝罪の気持ちなんてのも全くない、というかその立場にないと考えている。首相は自分の意志でこの国の長になっている人間だから国の過去の過ちを詫びなければならないが、私は自分の意志で日本人になったわけではない。

異論はあると思うし、これは私が愛XX心という感情をあまり感じない人間だからかもしれないが、その国の人間だから過去のその国の過失に対して詫びるべきだ、という考え方はむしろ戦争の原動力となりうるナショナリズムそのものではないかと思う。