ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

エキサイト乗り物ニュース ETC2.0に対する正しい認識

2015年08月03日 | ITS
エキサイト乗り物ニュース 「ETC2.0はスマホに勝てるのか、その将来は」というタイトルから、スマホとの競合ってそんなに関係ないんじゃないの?と思って読んでみたら、私のブログで主張していることとおおむね同じ内容で感心した。ライターさんの名前がないが、今まで内容もよくわからず「ETC2.0で割引き拡大」としか報道していない他の大手メディアとは大違いだ。

まず最初の記事、都心は環状線のほうが渋滞しているから、の箇所だけは東京限定の話であり一般論ではない。
しかしそこから以降は正論。

・割引はETC2.0でなくともできるはずであり、これは[我田引水な普及策」だ
・すでにGoogleマップでプローブによる渋滞情報は誰でもとれるのに、いまさら役所がプローブやって勝てるか
・ゲートレス料金所もすでに渋滞は解消しており、徐行するかしないかの差にどれほどの価値があるか
・駐車場などの民間需要は見込めない
・今後ETCが目指すべきは更なるコスト低減と100%普及であり、いるかどうかわからない機能を追加して価格を上げるのではなくむしろ機能を絞るべき

そして、これら誰が考えてもその通りだと思うことに対して国交省が無理やりETC2.0の普及をしようとしているのは「これまでITS(高度道路交通システム)を国策として進めてきた国交省の省益やメンツを守るためにすぎず」というのもその通りだと思う。あと付け加えれば、この施策に付き合わされて開発投資をしてきた関係メーカーへの配慮もあるだろう。

ETC2.0とそれにまつわる話は複雑で一般人にはなかなか理解できない。そうした中、「割引になる」「安全に寄与する」「渋滞が解消する」という耳障りの良い話をすれば誰からも批判はされない。このままだ将来に対してなんの価値も生まない無駄な公共投資が行われることになる。
国交省はETC2.0についてゼロスタートで見直し、その財源はETC100%普及に振り向けるべきだ。