みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

エデュアルドの限定版Su-22 その2

2010年08月13日 00時01分14秒 | 航空機(露・軍用機)
 話があちこち飛んで申し訳ありませんが、エデュアルドの限定版Su-22、まずレジンパーツから。左の明るいグレーが射出座席、下の方の明るいグレーがコクピットの隔壁やパネル、その上の暗いグレーは射出座席の細かいパーツ・スロットルレバー、一番上は機外パーツ、といったところです。
 中でも特筆すべきは射出座席。新しいロシア機がみんな装備しているK-36射出座席ですが、各社のをいろいろ比べてみると、何と言ってもこのeduard BRASSINのものが、一番パーツが細かいんです。ご覧の通り座席本体だけでも二分割されていて、ヘッドレスト部分が別部品。しかも単に接着するのではなく、ヘッドレストの下から出ているブームが座席の背の穴に刺さるようになっています。右上の暗いグレーのレジンパーツは射出座席の背部につくブームです。さらにこれに小さなレジンパーツが付き、さらに背当てやベルトやバックルがエッチングパーツで付くようになっているんです。大変細かい。Su-22の場合、キャノピーがガッパリと上に開くので、完成後もよく見えるのが救い。完成後にあまり見えなくなるんなら、こりゃもったいない。
 上の暗いグレーのパーツは、機首下面のアンテナ基部、垂直尾翼側面のアンテナカバー、垂直尾翼側面のチャフフレアディスペンサです。ただしこれらは、ペルー空軍所属のアップデートされた輸出型にのみ装着されます。
 元のKP/OEZのキットの出来がよいので、これだけ高品質のパーツは十分に似合いますね。コクピットも、計器パネルがエッチングというのはよくある話ですが、再度コンソールも、レジンパーツにさらに部分的にエッチングパーツを貼り付けるようになっています。抜きもシャープだし、他の機体用のパーツも、できれば別売りしてくれませんかね。キットはもういやと言うほど在庫を持ってますから…。

タミヤのエッチング精密ノコギリ

2010年08月11日 00時09分38秒 | 工具・材料
 最近タミヤから発売されたエッチング製精密ノコギリを買ってみました。買った状態は左のようになっていますが、それぞれの刃を取り出して畳むと、ノコギリになります。デザインナイフの柄に装着して使う、と書いてあります。ミニスケールを主に作っている私はデザインナイフは常にメインで使う工具ですが、私の常用のやつはこのノコギリには小さかった。一つ大きなやつの柄が正解です。
 このノコギリの特徴は、一枚の刃を二箇所で山折り谷折りして使うことです。N字のように畳むので、デザインナイフの柄に入り込む部分は本来のエッチング三枚分の厚さになるわけです。おかげで柄ががっちりと噛み込むことができます。もちろんノコギリの刃の部分はエッチング一枚ですから、切りシロが非常に薄い。今までもエッチング製のノコギリはありましたが、そのまま使うもの、附属の柄を装着するもの、それからカッターナイフの柄に装着するものなどがありました。デザインナイフの柄を使うってのはとてもいいアイデアですね。精密で慎重なカット作業には、この柄は非常に手になじむんです。
 最初に店頭で見たときは、えらく複雑な形になっているなと思ったのですが、畳んでノコギリにしてみて分かりました。うまく強度が出るようになっているんですね。写真右下、矢印をつけた部分は、デザインナイフの柄から飛び出して、ノコギリの刃の基部を支えるようになっているんです。つまりこの部分だけ、エッチング二枚分の厚さになるわけです。おまけにここは山折り部分ですからそれだけ強度がかせげます。
 そうすると、その裏側にもうまいこと突出部を重ねて、エッチング三枚分にして刃を挟めばもっと強度がかせげる、とは誰でも思いつくところです。ところがそううまくはいかないんですね。写真右上をご覧下さい。ここにはタミヤ様のロゴマークがあるんです。ここにも突起をかぶせたら、ロゴが隠れてしまうんですよ。
 というのはもちろん冗談です。写真左側のパーツ状態をよく見れば、この位置に突起を作ろうとしても刃と鑑賞してしまうので、この刃の幅では補強部分を作ることはできないことが分かると思います。
 で、肝心の切れ味はと言うと、他のエッチングノコとそれほど変わらない感じでした。特に刃の根本に補強部分があるからといって、安定度が格段に上がるわけではありません。やはりエッチング製ですから、刃は結構しなり(たわみ)ます。でもエッチングノコならそれは当然。このノコギリがカット以外に筋彫りにも使えるというのは、切れ味よりもナイフの柄による保持性のよさだと思います。さて、どんどん使ってみましょう。

「長空雄鷹」に見るMiG-15 その4

2010年08月09日 00時00分51秒 | 映画
 さて、主人公の旧友二人が再会する場面です。一人がMiG-15を整備中のところへ、赴任したもう一人が現れ、再会を果たします。さて、その後ろをトラックに引かれたMiG-15がゆっくりと横切っている。我々の目は、役者のクサい演技よりもうしろの飛行機に釘付けです。何度も触れたように、この映画に出演しているMiG-15は胴体後半に「中國人民志願軍」の文字を書いています。旧字体になっていますが、これは朝鮮戦争の時点ではまだ現在の中国語で用いられている略字体(簡体字)がまだ導入されていないからだそうです。朝鮮戦争の場面では、こうした旧字体が当たり前なんです。他の点はともかく、この点についてはさすがに自国のことだから、時代考証ができていますね。機番は3021。映画の最初のシーンで並んでいた機体と一連の番号です。
 MiG-15を引っ張っているのは、トランペッターから1/72でもキットが出ていた「解放」型トラックでしょうかね。それから、飛行機が通り過ぎた後、人物の間と右側の背景に対空砲が並んでいることにもご注目。常時対空砲が空を睨んでいる、という緊迫した前線基地の様子を演出したかったんでしょうが、手前をゆっくり引かれて行く飛行機と、その手前で旧交を温めている主人公達とは、あまりにほんわかのんびりしていて、どうもうまくいっていない感じがします。所詮プロパガンダ映画の限界でしょうが、映画製作者全体の力量の問題もあるんでしょうか。

エデュアルドの限定版Su-22

2010年08月07日 16時06分04秒 | 航空機(露・軍用機)
 エデュアルドの限定版Su-22/17 M3フィッターを入手。これは元々KP/OEZ系の製品で、KPからは1/72のシリーズが出ていて、二十年以上前にOEZから1/48の最初のMiG-21MF/bisが出たときは感動しましたね。このSu-22は最初にM4が出て、続いてM3が出ました。違いは垂直尾翼直前のエアインテークの有無で、ここだけ金型の差し替えで別パーツになっていました。その後もこのシリーズは箱替え、デカール替え、別ブランド製品と、何度も発売されていて、私ももう何箱も持っているんです。
 でもこのたび、エデュアルドから限定版が出たので、やっぱり買ってしまいました。どうもこのキット、好きなんですよ。昔々、とりあえずろくにディテールアップもせずにささっと作ったとき、あまりのかっこよさにしびれてしまいました。エデュアルドの限定版と言えば、レジンパーツにエッチングパーツにマスキングシート満載、というやつでしょ~? おまけに、今度発売されるのはM4ではなくM3でしょ~? そりゃ実機はM4の方がアップデートされているのでしょうが、外見はやはりM3の方がかっこいい。こりゃ買いですよ。
http://www.1999.co.jp/10120573
http://www.eduard.cz/info/photos/1149/
http://www.eduard.cz/products/card.php?id_product=6764
 このシリーズ、一部では「オレンジライン」と呼ばれているようですが、箱には「LIMITED EDITION」とあるだけで、そういったことは書いてありません。一番の売りは「eduard BRASSIN」レーベルのレジンパーツでしょう。これの特徴はと言うと、他のメーカーのSu-22用パーツと後で比較するとして、先に横道に逸れることにします。

 組み立て説明書の裏表紙にこの限定版の目録が載っています。ミラージュⅢとミラージュ2000とSu-7は既発売のものです。さらに「LATE 2919 RELEASE!」としてMiG-21MFとSu-25が載っているのではあ~りませんか! 特にMiG-21MFは「限定版」と「プロフィパック」が両方用意されているようです。どんな内容になるのか、楽しみです。Su-25についてはエデュアルドのサイトにもう予告が出ているようですよ。
http://www.eduard.cz/products/card.php?id_product=6843&name=&catalogue_nb=1150&type=&pgroup=&scale=&product_month=&product_year=&page_start=0
それに説明書のPDFも。
http://www.eduard.cz/products/pdf/n11/1150.pdf
これでだいたいの内容は分かります。コクピットはバスタブ型のレジンではなく、エッチングパーツの組み合わせになっているようです。
 さて問題はMiG-21MFの方です。実はこのキット、結構好きなキットなのですが、いくつか重大な欠点があるんです。上下貼り合わせの主翼パーツに妙な段差がある、なんてのもその一つですが、まあ根気よくすり合わせをすればこれは何とかなる。もしくは翼関係だけアカデミーから流用するか。まあおかげで、あのアカデミーにも利用価値があるということにはなりますね(アカデミーは全体形状に問題大ありで、実に残念なキットなんです)。
 一方もっと大きな問題は、キャノピーの形状と、そこに繋がる胴体側のラインです。ここだけが大きくMiG-21らしさを損ねているんです。今までの雑誌やネットの作品でも、ここを上手に修正しているものはあまり見たことがありません。今までは、キャノピーだけ別売りのバキュームフォームの透明塩ビパーツを使うしかなかった。しかも、胴体側は自分で修正するしかなかった。その上そのバキュームのキャノピーが入手難と来た。さあ、この限定版MiG-21、肝心のこの部分に別パーツを用意してくれているんでしょうか。そのうちエデュアルドのサイトに予告が出ることだと思いますので、注意しておきたいと思います。しかし、コクピットパーツも今売っているものはほとんどアカデミー用ですから、OEZ用が入っているだけでも価値はありますのからね。結局買っちゃうかな。

「長空雄鷹」に見るMiG-15 その3

2010年08月05日 23時23分27秒 | 映画
 最初の当たりに出てくる整備のシーンです。空軍が協力しているだけあって、掩体の中の雰囲気はよく出ていると思います。ただし、本当に整備しているならもっといろいろ工具が出ているはずで、また給弾中や給油中という感じでもありません。機体を磨き上げている、というところでしょうか。
 さて、ここに写っている機体は、細かいところから判断してMiG-15bisだと思います。塗装は、機体後半に「中國人民志願軍」と書いてある以外は特に特徴はありません。機首と尾翼先端は赤が塗ってありますが、これはよく見る塗装。一つ気になるのは、キャノピーの形状で、やや標準的ではないもののようです。これについては後ほど詳しく論じます。
 この後、整備中の主人公は、遠くから転任してきた旧友と再会します。京劇じみた大げさな所作が、いかにもプロパガンダ映画っぽい。

「長空雄鷹」に見るMiG-15 その2

2010年08月03日 22時23分42秒 | 映画
 映画のタイトルの後、オープニングの部分です。この映画は1976年の作品ですので、朝鮮戦争からは二十年以上経ってからの撮影です。しかしMiG-15は余剰機がずっと後まで使われていましたから、この映画にも本人役で出演したんですね。うちの掲示板の常連さんは、1983年に北京でTu-16と一緒に国慶節用の展示飛行の訓練をしているMiG-15を北京で見たと言ってました。あれは確かにMiG-17ではなかった、とのことです。80年代になっても副次的用途に使っていたってことですね。

 さてこのシーンでは、機番が3002→3003→3004と並んでいるようです。他のシーンに出ている機体も、これに続いているような番号なので、恐らく一部隊まとめて撮影に協力したんでしょう。四桁の機番はどうも朝鮮戦争以降のものだと思われます。撮影当時の機番のまま使ったんだと思います。
 もう一つ、胴体後半に「中國人民志願軍」の文字が書かれていることにもご注目。これは以前のブログ
http://blog.goo.ne.jp/m4-mee/e/7def9e361173c4cbcac0f50e5faaa03f
で採り上げた、ニュース映画(プロパガンダやらせ映画)の出演機とは異なる塗装です。この映画の機体は「中國人民志願軍」の文字が主翼の後ろに一行で書いてあります(朝鮮戦争当時のニュース映画では機首に二行)。恐らくこの映画用に書いた文字ではないかと思います。というのは、元々この位置はマークや番号がない場所です。そこに字を書けば、映画の撮影後はそれを消すだけで済みます。機首の番号を消して、そこに文字を書き直すよりは楽ですからね。他にも細かい点で気づくことがありますが、それはまた次回以降。

支那映画「長空雄鷹」に見るMiG-15

2010年08月01日 23時24分44秒 | 映画
 暑い日が続きます。みなさんお元気でお過ごしですか。ここのところ模型を作る時間がなくて、七月などブログの更新日数が微々たるもので、おはずかしい限りです。八月に入ったら少しは計画的にと思っています。製作途中のものとか、レビューしたいキットや書籍とか、いろいろたまってますし。

 先日、本体掲示板の常連さん(中国語の先生)から、中国の古い白黒映画のDVDを見せてもらいました。いや、MiG-15が出てくる朝鮮戦争のプロパガンダ映画だからなんですがね。「老電映経典珍蔵」というDVDのシリーズで(電影は映画の意)、朝鮮戦争の空戦ものも何枚か入っているのですが、他はMiG-17がMiG-15を演じていたりしてたので、ちゃんとMiG-15がMiG-15を演じているこの「長空雄鷹」という作品を通して見てみたんです。
 現地で買ってきたDVDですから、もちろん日本語字幕も吹き替えもなし。そばで常連さんに解説してもらいながら見たんですが、一時間以上同時通訳させるなんて大変なことはしません。こんな単純でオチの見えたプロパガンダ映画ですから、要所要所を訳してもらえれば十分。
 しょっちゅう一時停止しながら、飛行機や軍事に関することをああでもないこうでもないと論じながら、おかしなところになんじゃこりゃとツッコミを入れながら、大変楽しみました。特に、作っている人達は大まじめなプロパガンダ映画だけに、現在の我々から見ると大変滑稽に見えるところは、実に笑える。
 そこで、模型製作に参考になりそうな場面、笑える場面をこれからちょこちょこご覧頂きたいと思います。本当はパソコンでキャプチャーすればよいのでしょうが、たくさんキャプチャーするのは面倒なので、テレビの前に三脚立ててデジカメで画面を撮影しました。元が古い白黒映画な上に、デジカメだと干渉縞が出たりして画質がとても悪いのですが、まあご勘弁願います。

 作品名は「長空雄鷹」、中国語の略字体(簡体字)だと「长空雄鹰」となります(文字化けしてないかな)。映画のデータはここに書いてあります。中国語ですけど。
http://www.picturechina.com.cn/bbs/thread-6160-1-1.html
監督:王楓・王亜彪、脚本:陳立徳、主演:李鉄軍・王煕岩・盧桂蘭、長春電影製片廠1976年作品。まああんまりいないとは思いますが、どうしても欲しいとおっしゃる方は、国内ではここ
http://www.toho-shoten.co.jp/toho-web/search/detail?id=177387&bookType=ch
でも入手できるようです。またここで
http://www.tudou.com/programs/view/a0RX32uNgkA/
映像を見ることもできます。「Youtube」には
http://www.youtube.com/watch?v=PWz_4pCkgx4
挿入歌の部分しか無いようです。