みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

チャーチルの新刊書

2010年05月06日 22時22分32秒 | 書籍
 前回紹介したホーネットの英兵ヘッドと一緒に買ったもの、チャーチル戦車の新刊です。Ampersand Publishigの『The Churchill Tank : a visual history of the british army's infantry tank 1941-1945』。チャーチル戦車の専門書は出来るだけ買っておこうとは思っているのですが、写真はどうも似たようなものが多くなってきて、もう十分かなと思っていたところ、ホビーリンクジャパンのサイトをぶらぶら見ていて見つけてしまいました。うーん、どうしようかな~。表紙の写真からして他の本で見た写真だし…。ええい、まあいいや、買っておけ。
 というわけで結局買ってしまったのです。結論から言うと、当たり!でした。確かに、今まで他の本で見た写真がほとんどです。でもこの本のよいところは、A4判の横長で、しかも原則として1ページに写真1枚ということです。つまり、写真が比較的大きい。おまけに、写真の解像度が非常に高い。で、意外なほどに細部がよく分かる。いや~、ドットのぎざぎざ見え見えの写真を掲載しているどこかの国の戦車雑誌は見習ってほしいものです(あ、最近はよくなってるのか…)。
 この表紙の写真にしても、他の本で見たことはあるんですが、でもカラーで、こんなに鮮明なのは初めてです。今までだってよく注意して見れば気づいたはずですが、この本で初めて気づいたのが、このチャーチルMk.Iの車体スポンソン側面の汚れ方です。チャーチルの初期型は履帯がむき出して、マッドガードはついていません。それで泥の中を走行すると、キャタピラについた泥がそのまま上面までくっついて上がり、車体上面でこぼれ落ちる。だから車体側面に上方向から付着・堆積するんですね。牽引ケーブルの上にもどっちゃりつもっています。そして側面にくっついた泥も、明らかに上からたれて落ちてきた形。側面の味方識別用の赤白マークが完全に見えなくなっています。実際の本だとこのあたりがよく観察できるんです。
 中のページはすべて白黒ですが、同様に結構細かいところまで観察できる。各タイプ別に分けて、Mk.Iから順番に配列されています。当たり前と言えば当たり前ですが、各タイプの写真の混乱や間違いは全く見あたりません。いや、チャーチルのサブタイプを間違っている出版物や動画って、結構あるんですよ。リベットの形、ピストルポートの形、外部搭載品用のベルトの形、フラッグケースの形などなど、大変参考になりました。
 著者はDavid Doyleという人。版元のAmpersand Publishigはフロリダの会社。巻頭には、『Mr. Churchill's Tank』の著者でボービントン戦車博物館のDavid Fletcher氏が序文を寄せて、「アメリカの著者、そしてアメリカの出版社からこの本が出てとてもうれしい」ってなことを書いています。
 表紙をよく見ると「Part One: The gun tank, Mk I-VIII」と書いてあります。そこのガンダムな人、ガンタンクだなどと言わないように。もちろん、パート1が通常戦車型、ってことですよね。ってことは、つまりパート2はホバートのファニーズ、工兵特殊車輌ってことですよ! こりゃもう買いです。早くパート2が出ないかな。
 ついでに刊記をよく見ると、この出版社の「Agent in Japan and the Far East」がホビーリンクジャパンだと書いてありますよ。ああ、なるほどね。他ではあまり見かけないわけだ。