さて、タミヤの塗装説明から見てみましょう。タミヤの古い三人組み「イギリス歩兵セット」(MM107)では、簡単に
ヘルメット:カーキ色
軍服:カーキ色
ベルト・パウチ:ダークイエロー
となっていました。ではこの三人組みの発売当時のカーキ色って、どんな色だったかと言うと、私はパクトラ・タミヤのカーキ色としてはっきり覚えています。模型店でこのカーキ色を買ってきてみたら、箱絵の軍服の赤茶色とはかけ離れていて、また「コンバット!」のイメージともかけ離れていて、子供心に驚いたから、鮮明に記憶しているんだと思います。でもまあ、軍服はそれでよいとして、ヘルメットもカーキ色というのは少々疑問です。
ではタミヤの新しい五人組「イギリス歩兵巡回セット」(MM223)の塗装指示はどうなっているでしょう。
ヘルメット:XF-62 オリーブドラブ
軍服:XF-52 フラットアース
ベルト・パウチ:XF-49 カーキ
です。なるほど、ヘルメットはオリーブドラブですか。昨日挙げた洋書『British Soldier: From D-Day to V-Day』には、恐らく個人のコレクションと思われるヘルメット各種の写真が出ているのですが、やはりオリーブドラブが妥当なところです。もちろん米軍のオリーブドラブとは色合いが少し違いますが、そこは微調整すればよいこと。問題の軍服はフラットアースが指示されています。ってことはこの巡回セットでは軍服をやや淡いレッドブラウンくらいだと考えているということです。そしてベルトやパウチはカーキ色。この軍服とパウチとの色の対比は、巡回セットの箱絵に近い感じ。
面白いのは、古い三人組みでは軍服がカーキ色だったのに対し、新しい巡回セットではベルトやパウチの方がカーキ色だと言うことです。昔は情報量が多くなく、カーキと言えば軍服色ということでそのまま塗装指示とした、でも現在ではいろいろと考証が進み、実際の色に近い塗料をちゃんと選んで指示した、ということだと思います。
ここでちょっと脱線。「カーキ色」という言葉はそもそもどんな色を表すのでしょうか。試しに『Oxford 現代英英辞典』を引いてみますと、
1. a strong greenish or yellowish brown fabric, used espexially for making military uniforms
2. a dull greenish or yellowish brown colour
1、緑もしくは黄色の強い茶色の布地。特に軍服を作るのに用いられる。
2、やや緑がかった、もしくは黄色がかった茶色
なるほど、とにかくカーキ色とくればまず軍服の色というのが基本なんですね。黄色の入った茶色、というとちょうどタミヤエナメルのカーキの感じでしょうか。緑の入った茶色というとどんな感じでしょう…。でも『Oxford 現代英英辞典』には「カーキ」の語源までは書いてありません。そこで『ジーニアス英和大辞典』を見ますと、語源について触れられていて、
(19c)ヒンディー語khaki(ほこりっぽい、ちり色の)より
と書いてあります。なるほど、「埃のような色」から来ているんですね。ところがさらに『研究社新英和中辞典』を見てみますと、
ペルシャ語「ほこり(色)」の意
と書いてありますよ。おいおい、ヒンズーとペルシャどっちなんだ? しかし「埃のような色」から来ていることは確かなようですね。
ヘルメット:カーキ色
軍服:カーキ色
ベルト・パウチ:ダークイエロー
となっていました。ではこの三人組みの発売当時のカーキ色って、どんな色だったかと言うと、私はパクトラ・タミヤのカーキ色としてはっきり覚えています。模型店でこのカーキ色を買ってきてみたら、箱絵の軍服の赤茶色とはかけ離れていて、また「コンバット!」のイメージともかけ離れていて、子供心に驚いたから、鮮明に記憶しているんだと思います。でもまあ、軍服はそれでよいとして、ヘルメットもカーキ色というのは少々疑問です。
ではタミヤの新しい五人組「イギリス歩兵巡回セット」(MM223)の塗装指示はどうなっているでしょう。
ヘルメット:XF-62 オリーブドラブ
軍服:XF-52 フラットアース
ベルト・パウチ:XF-49 カーキ
です。なるほど、ヘルメットはオリーブドラブですか。昨日挙げた洋書『British Soldier: From D-Day to V-Day』には、恐らく個人のコレクションと思われるヘルメット各種の写真が出ているのですが、やはりオリーブドラブが妥当なところです。もちろん米軍のオリーブドラブとは色合いが少し違いますが、そこは微調整すればよいこと。問題の軍服はフラットアースが指示されています。ってことはこの巡回セットでは軍服をやや淡いレッドブラウンくらいだと考えているということです。そしてベルトやパウチはカーキ色。この軍服とパウチとの色の対比は、巡回セットの箱絵に近い感じ。
面白いのは、古い三人組みでは軍服がカーキ色だったのに対し、新しい巡回セットではベルトやパウチの方がカーキ色だと言うことです。昔は情報量が多くなく、カーキと言えば軍服色ということでそのまま塗装指示とした、でも現在ではいろいろと考証が進み、実際の色に近い塗料をちゃんと選んで指示した、ということだと思います。
ここでちょっと脱線。「カーキ色」という言葉はそもそもどんな色を表すのでしょうか。試しに『Oxford 現代英英辞典』を引いてみますと、
1. a strong greenish or yellowish brown fabric, used espexially for making military uniforms
2. a dull greenish or yellowish brown colour
1、緑もしくは黄色の強い茶色の布地。特に軍服を作るのに用いられる。
2、やや緑がかった、もしくは黄色がかった茶色
なるほど、とにかくカーキ色とくればまず軍服の色というのが基本なんですね。黄色の入った茶色、というとちょうどタミヤエナメルのカーキの感じでしょうか。緑の入った茶色というとどんな感じでしょう…。でも『Oxford 現代英英辞典』には「カーキ」の語源までは書いてありません。そこで『ジーニアス英和大辞典』を見ますと、語源について触れられていて、
(19c)ヒンディー語khaki(ほこりっぽい、ちり色の)より
と書いてあります。なるほど、「埃のような色」から来ているんですね。ところがさらに『研究社新英和中辞典』を見てみますと、
ペルシャ語「ほこり(色)」の意
と書いてありますよ。おいおい、ヒンズーとペルシャどっちなんだ? しかし「埃のような色」から来ていることは確かなようですね。
私は子供の頃の刷り込みで、イギリス兵と言えば軍服はカーキ、ベルトはダークイエローと思いこんでいました。そういえばユニバーサルキャリアを作ったときは軍服の塗装指示はフラットアースでして、これは特別な軍服なのかと思っていました(汗)。
こういう考証はいいですね。私のように資料を余り見ないでいい加減に作るモデラーにとっては勉強になります。って自分で調べなきゃね。
いらっしゃいませ。
ユニバーサルキャリアですね、ええっと、カチカチ(クリックの音)。
ああ、こんな感じの色です。
戦車兵はグリーンの場合がありますが、
歩兵や車輌乗員は、こういう褐色系の軍服です。
でもこの時は、クレオスやタミヤではなく、
トールペイント用水性塗料を自分で調合なさったんですよね。
フラットアースの瓶生とはやはりひと味違います。
いやしかし、根生殿のプラモギャラリーは、
過去の作品がすぐに検索できて、大変便利ですね。