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長期金利初のマイナス-アベノミクスで市場混乱

2016-02-10 23:37:03 | 税と国あり方

9日の東京債券市場で長期金利が初めてマイナスとなりました。日銀が1月29日にマイナス金利政策の導入を決定して以降、市場金利は急低下。アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)で金融市場が混乱しています。金融取引で金利を決める指標とされる長期金利がマイナスをつけたことで、預金金利のさらなる引き下げなど国民生活を脅かす影響が広がりそうです。

 長期金利の指標となる10年物国債の利回りは一時、前日に比べて0・075%低いマイナス0・035%を付けました。国債を買って満期まで保有しても損失となる異常事態です。

 9日の金融市場では円高が急激に進み、1年3カ月ぶりに1ドル=114円台に上昇。日経平均株価は急落しました。日経平均株価の終値は前日比918円86銭安の1万6085円44銭で、下げ幅は2013年5月23日以来の大きさでした。日銀のマイナス金利は株価上昇を狙ったものでしたが、早くも効果が消え去りました。異常な金融緩和政策の行き詰まりを示しています。

 金利低下と円高・株安が進んだ背景には、世界経済に対する強い不安があります。中国経済の減速などで投機筋が、比較的安全な資産とされる日本国債を買う動きを強め、長期金利が低下しました。日銀はマイナス金利で市中の金利低下を狙いましたが、思惑を超えて長期金利までがマイナスになりました。

 日銀のマイナス金利は、アベノミクスの「第1の矢」として行っている「異次元の金融緩和」の一環です。ヨーロッパでも同様の事態が行われていますが、国民の生活苦を打開する政策なしに金融緩和に頼るアベノミクスが混乱を広げています。