かつて、足立区東伊興に住んでおられた故細井ゆうじ都議は足立史談会の重鎮として活躍されていましたが、その著書「穂波人波」に自らを生きざまとして「人生わらべのことく」という精神で何事にも挑戦していくと発言しておられました。私もこの言葉が好きでよくたとえ話をしました。
アメリカの詩人、サミュエル・ウルマンの「青春の詩」にもこんなくだりがあります。「年を重ねただけでは人は老いない。理想を失うときに、初めて老いがくる」理想を情熱におきかえてもいいでしょう。ウルマンは、青春とは人生のある期間をいうのではなく、心の様相をいうのだと歌います。たとえ、肉体は衰えても、その胸中に燃え盛るものがあるかぎり、人は若さを失わないと、それを体現する人たちがいます。最高齢75歳で芥川賞に選ばれた黒田夏子さん。5歳から創作をはじめ、筆歴70年での受賞でした。登山家の三浦雄一郎さんは今春、80歳でエベレスト登頂に挑みます。本人は「80の手習い」と、一から訓練を重ねています。
世界で活躍するのは、テニスのクルム伊達公子選手です。42歳でむかえた四大大会の全豪オープンで快挙連発。猛暑のなか、初戦で同大会女子の最年長勝利を飾ると、ひと回り以上も年若い選手に競り勝ち、18年ぶりに2勝。ダブルスでも強豪ペアを破り3回戦に進んでいます。これには周りもびっくり。現役復帰前のライバルからは称賛をこめて「クレージー」といわれるとか。しかし本人は「年齢は単なる数字にすぎない。コートでは私が何歳であろうと関係ない」と意気軒高です。そんな姿に励まされながら、少しでも見習いたい。伊達さんは以前こんなことも語っています。「心のなかで限界をつくらなければ、人間の可能性はひろがっていくと、私は信じている」(しんぶん「赤旗」より一部引用)