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人間好き育てる教育を

2013-01-17 23:25:26 | 教育・子ども

競争激化させた安倍改革

教育基本法を改悪し教育に統制と競争を持ち込んだ安倍内閣が復活。安倍首相の「教育改革」が何をもたらすのか、本来の教育とは何か、教育評論家の三上満さんに聞きました。

 安倍晋三首相は第1次内閣の時、「いかに日本の教師がダメか」と教員を攻撃し、彼らのいう「教育改革」をやりました。その1つが、「全国一斉学カテスト」であおり、「特色ある学校づくり」といって学校を生徒集め競争の中に投げ込んだことです。
 当時、東京・足立区では、区内の学カテストの小中学校のI位から最下位までの一覧が出されました。前年から上がったか下がったかまでついて。その結果、成績の悪い生徒の点数を合計から省くなどの問題がおきました。
 学校間競争をさせられれば当然、学級間、子ども開の競争になります。
 安倍氏と教育について意気投合している橋下徹大阪市長は「教育は2万%強制」だといい、石原慎太郎氏は「初期の教育はほとんど体罰だ」などと言います。しかし、そんなものではない。

 ■喜びを共有

 子どもには大好きなものが三つあります。一つは「やれそうな気がする」、仲開から「一緒にやろう」と励まされるような目当てを持つこと。
そして頑張って「できた」達成感が二つ目。
最後の大好きは、「できた」と喜んでいるときに誰かから「よくやったね」とほめてもらうことです。
 子どもたちはもともと、他人より上に立つことだけに喜びを感じるような情けない存在じゃないですよ。根っこには、ほかの子の達成や成功を「良かったな」と喜ぶものをもっています。
 だから教育というのは、競争に勝つことだけに喜びを感じる人間にすることとはまったく違って、支えあって生きることを学ぶものだと思うんです。いいところをうんとほめて、子どもを自分好きにさせる、「人間好き」に育つための共同体が学校であり教育の世界なんですよ。

 ■差別の体制

ところが今の教育は、どんどん人間嫌いになっていく共同体です。
 戦後の教育には長年にわたって統制と競争が持ち込まれてきました。教員を評価して差をつけ競争させると同時に、上意下達の組織構造に変えてきました。財界の労働力確保の手だてとして、一部のエリート、それに従う中間管理層、技術層、だまって働く労働者を選別する競争の教育が進められ、小泉内閣と第1次安倍内閣で学校選択制、飛び級、民間人の登用などが持ち込まれました。

「人間好き」育てる教育を

  「いじめ」が大問題です。いじめを心から喜んでやる子はいません。自分の背負わされた困難、とりわけ競争・差別の教育体制から落ちこぼされていくことへの怒り、むかつきが、他者への攻撃になって現れるのです。
私が経験した子どものいじめ問題は全部そうでした。


 自民党は「いじめ撲滅」といって全国に「いじめ防止条例」をつくるといっているけれど、少人数学級など教師がいじめに気づけるゆとりが求められますし、いじめがおきたら、子どもたち全体が人間を学ぶ機会にすることが必要です。子どもはそれに応えるだけの根っこを持っているという信頼が土台です。教師たちを差別し、追い込んでおいて、いじめは防止できません。


 教育の根本は現場にあります。子どもたちが文化祭や運動会などで友だちと「よしやろう」とハッスルする、それを組織する職人的技量の教師がいっぱいいますよ。「教育行政」がいかに踏み込んできても、そういうものを奪い取れるはずないんです。
 安倍政権の進める「教育改革」に対して、教育の大きな共同戦線を作っていかなけれぱと思います。
  (聞き手 下渕雅史) しんぶん「赤旗」より