3月7日、予算委員会の質疑を紹介します。
天空劇場(綜合商事)への無駄遣いを糾す
Q、請願が提出され継続審議となっている。東京芸術センターについて聞く。
綜合商事との基本協定で確認されているのは、第1条で産業振興と経済活性化を図ることを目的に公民パートナーシップのもとで、あだち新産業振興センターを建設・運営する。
第3条では事業プロポーザル提案の第2次応募提案を基本とする。さらに第4条パートナーシップ事業では区が年間の6割に相当する日数分を利用料(建設費、管理運営費、近隣の類似施設の使用料を勘案して協議して決定した一般利用料金)を一括して綜合商事に支払うとなっています。これは事実ですね。
A、そのとおり
Q、天空劇場の利用料金ですが近隣の類似施設の使用料を勘案するとしていますが高い。―表で説明する。
ホール名 |
利用料金 |
付帯設備、使い勝手、専門家の意見 |
天空劇場(400名) 実際は380名 |
平日 34万円 土日 38万円 |
緞帳なし、ピンスポットがない、音響電源がない、会場の音が響き学校の体育館のようだ。 座席がお粗末、2時間のコンサート持たない。 専門家の意見―コンサートホールと言えない。 インカムなし、 Aセット3万円(音響、照明 人件費27300円) Bセット5万円 |
ほくとピアつつじホール(402名) |
平日 6.6万円 休日 7.95万円 |
Aセット 5000円 Bセット10000円 |
かめありリリオホール(610名) |
平日 10万円 休日 12万円 |
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西新井文化ホール (906名) |
平日 11.4万円 休日 14.1万円 |
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Q、利用料金だけでも公共の近隣施設の3倍から5倍の一般利用料をとっている。高すぎると思いませんか。
A、料金の設定するとき、綜合商事は20年償却を主張、区側は30年を主張して25年になった。一概に高いとは言えない。
Q、民間の施設では確かに、高いところもある。これが市場原理からいっても、それだけの利用料金をとられても仕方がない立派なものなら理解する人がいるかもしれない。施設について聞く。
天空劇場には緞帳と照明のピンスポットは常設されてますか。
A、ない
Q、まるで体育館のようだという意見もある。素人のカラオケ大会も耐えられない。座席もおそまつ、インカムも少ない。とてもホールとはいえない。
備品類は暴利だ。二度と借りないという人もいた。施設の改善要望はあった思うが改善したのか。
A、綜合商事では改善していない。
Q、金をかけないで学校の体育館のようなホールに高い料料金を設定して、6割の区の優先料金をもらえば、かりに6割219日分を相場の3倍の利用料が綜合商事に入ってくれば、657日分1年半分の収益は確保される。
したがって、残りの4割の利用率も区民の要望もまったく関係ないんです。
ここに綜合商事の自分勝手な実態が如実に現れているといっても過言ではない。結局、メイン施設の予定場所がハローワーク足立にかわってこの施設はたんなる貸しビルになったといっても過言ではないと思う。
この事業はプロボーザル提案の第2次提案を基本とするとしたが、150万人の集客力として期待されたデイリー山崎も撤退し、千葉銀行になった。NHKのアーカイブスのデジタル化をするとした本体のデジタルデジタルファクトリーは撤退、さらにデジタルファクトリーひとつとして期待された黒澤あきらスタジオも撤退、おはこ市場も消えた。入居企業が採算が取れないとなれば撤退し、基本協定違反の違反の状態がつくられた。結局、この繰り返しが行われ、綜合商事は利益を確保する。
持ち株会社というのはもともと、戦前、財閥を形成し、独占体をつくっていった経過があり、戦後は独禁法で禁じられていたもの、92年の規制緩和で復活し、特段の税控除があり、利益追求のしくみがフルに生かされるものです。ここに、構造改革路線によるPFA的手法、PPP事業、民営化の矛盾がある。
Q、綜合商事にとっては土地代が顕在化しない場所に最小の経費で建物を建てて利益を追
求してきた。綜合商事に対し、何らかの区の負担分を減らすような交渉をし、新年度予算案にそのような内容は含まれているのか。聞きたい。
A、含まれていません。
Q、私は綜合商事のやっていることは基本協定に反していることを指摘し、第3
条の最適化条項、第12条の損害賠償など規定を活用してたたかうべき、そ の際、おおきな力になるのは請願採択し、議会があらたな議決と区民世論をバックにたたかうことだと思うがどうか。
A、区としては利用率の改善につとめ、区民利用を改善してきた。
Q、もともとこの事業プローザル方式ではじまったのですが、ボタンの掛け違いはいくつかあったと思う。
綜合商事が基本協定に反する事態をつくりだし、施設計画を大幅に変更したときに地主である区は何も言わなかった。
いま、請願が出され、綜合商事側の天空劇場のつかいがっての悪さ、これまでとってきた土地の権利金・保証金を無償として、3.6億円、地代も相場の半値とした優遇策で12億円余、さらに天空劇場のべらぼうな使用料の設定を改めるべきとした区民の請願を採択し、議会の議決を背景にして綜合商事に反転攻勢に出るべきことを指摘し次の質問に移る。