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”Le Voyage Dans La Lune”by Air
なかなか素敵な幻想音楽に出会ってしまった。
映画史初期の傑作というか、世界初のSF映画とも呼ばれている、フランスのジョルジュ・メリエス監督作品「月世界旅行」(1902年)を音楽化したアルバムである。制作したのはフランスのエレクトリカのチーム、Air。もともとはモノクロ&サイレントの、この短編映画のサントラを作っているうちに構想が広がり、フル・アルバム化となったようだ。
もともと映画が持っていた春の宵の夢のようなのんびりとした幻想にあわせて、電子楽器の使用を控えめにして、アコースティックな柔らかい手触りの音楽に仕上げているのが好感が持てる。不思議な懐かしさに満たされた空間に控えめに響く、古めのシンセやメロトロンの音色が、たまらなく美しい。
この妖しげな春の夜の夢の一刻の、なんと愛しいことだろう。目の前に見えているのに容易には行き着けない、あの月面の冒険行に乾杯しよう。