ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

風の渡る日に

2011-10-20 03:33:49 | アンビエント、その他

 ”風の輪郭”by 津田貴司

 この人の音楽は、どう紹介したらいいのか・・・さまざまな自然音や身の回りの何気ない物音をコンピューターで変調させて、それを絵の具代わりに音楽という絵を描くアーティスト、とでも言えばいいのか。

 このアルバムで彼は、”風”をテーマに音楽を描いている。
 生まれ、たゆたい、吹き抜け、淀み、走り抜ける空気の流れ。自在に姿を変える電子音の塊としての風は、キラキラ輝きながらその存在を歌う。そのありようは、まるで地球そのものの呼吸のようだ。

 作り物の電子音のはずなのに、心洗われるような瑞々しい響きがある。新鮮な果実のように豊富に水分を含み、脈打つ命の律動を感じる。なんなんだろう、この音楽は。
 おぼえて歌えるようなメロディなどどこにもないのに、聴く者の魂にスッと馴染んでしまう。太古からこの地上で鳴り渡っていた、大自然の歌うメロディのように。

 中盤、宙に浮かんだ大量のガラス瓶のような響きを立てる”風”が谷間を駆け抜け、大空に駆け上がって行くシーンが、たまらなく美しい。

 こんなに皆に聴いてもらいたい音楽なのに、残念ながらYou-tubeには揚がっていない。しょうがないから、津田貴司の参加した音楽イベントの記録など、下に。まあ、このアルバムで聴ける音楽とは大分表情は違うのだが。






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