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台湾には、Alpha Music(新點子音楽)とか、Water Music(華特國際音楽)といった、トランスやらユーロビートのコンピレーションを連発しているレーベルがありまして、そのジャケも、ご覧の通り中華風の濃厚な美学に煮込まれたようになっております。
まあこれなんかは、中身は日本でも聞かれているような欧米のその方面のアーティストの楽曲が収められているんですが、ときに台湾オリジナル音源の、こちら日本人からみるとギョッとさせられるような代物に出会うことがあります。”舞曲大悲咒”なんてアルバムも、その一例でしょうねえ。これ、お経をクラブ系の音楽にアレンジした企画ものなんですよ。
先日話題にしたマレーシア華人の仏教ポップスなどは、つつましやかな歌声で御仏の教えを伝えようとする神妙な出来になっていたんだけど、これは次元の違うものでしょうねえ。ちょっと曲目表示を写してみますと、
1)大悲咒(GANBA CLUB MIX 微笑全球舞動版)
2)大悲咒(REGGAE MIX 雷鬼混音舞動版)
3)大悲咒 (BUDDHA MONK MIX 菩提謎境舞動版)
4)大悲咒 (ORIGINAL MIX 梵唱原音慈悲版)
5)大悲咒 (DANCEFLOOR MIX 加長混音舞動版)
となっております。おりますと言われたってどうするんだよとお思いでしょうが、いやまったく。”微笑全球”とあるから草野球でも始めるのかと思えば雷の鬼が”混音”してしまうし、菩提謎境なんぞと言われるとなんとなくありがたい場所のような気もしますが、まあ、とどのつまりはよく分からん。
音自体は、「いつもはR&Bを歌ってます」みたいな感じの女性コーラスが、トランスな、クラブな音をバックに、僧侶の読経の節回しを譜面に起こした、みたいなメロディをのどかに歌い上げて行きます。何しろ中国語なんで、何のお経が取り上げられているのかも分からないんですが。あれこれミックスがあるようですが、あんまり違いは分からず。聴き始めは新鮮なんだけど、ずっと聴いているとちょっと飽きます。
これなんかは仏教ポップスの系譜に連なるものと言っていいのかどうか、迷わされる代物であります。敬虔な宗教的祈りの感触は、まあ、感じられない。やっぱり企画ものなんだろうなあ。ジャケなんかも凄いです、まるで巨大ロボ・アニメみたいな銀色に光り輝く仏様が、宇宙から撮った地球の写真をバックにアルカイック・スマイルを浮かべていらっしゃる。
このような企画、仏様相手に悪乗りしてしまっていいのか?と我が日本人なら躊躇してしまうところなんでしょうけど、この辺、中国の人の感性はタフだわ。
たとえば仏教国・タイの人々などは、このようなアルバムを見たらなんと思うのだろうか?というか、現地にもひょっとして似たようなものが存在していたりして?
などと突っ込むのも畏れ多いんだけど、宗教と音楽の不思議な関係は、いつも気になるところです。
仏教国・タイでは、時々、外国のTVCMクルーがやって来ては、有名なお寺で水着のモデルを仏像の傍でべたべた、ぐにゃぐにゃはべらした映像を撮って、直ぐに物議をかまします。そういう事は非常に神経質ですね。
こんなアルバムがコチラで発売になろうモノなら、大騒ぎでしょう。キット。この国の人が決める事ですから、私には判らないですが。。
しかし、仏教寺院で水着のモデルって、不謹慎とか言う以前に、どういう感性だ?って首を傾げさせられる話です。
タイではやはり、こんなアルバムはありえませんか。なんか、別の意味で凄い物件って、眠っていませんかねえ、そちらに?(笑)