南斗屋のブログ

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和解事例1584から1590

2020年01月10日 | 原子力損害
2019年12月26日、原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)から和解事例が公表されました(和解事例1584から和解事例1598まで)。今回は、1584から1590までの和解事例を紹介いたします。
1584=特定避難勧奨地点が設定されている南相馬市の地区の居住者の食費増加分に関するもの
1585=帰還困難区域(浪江町)の日常生活阻害慰謝料(増額分)に関するもの
1586=避難指示解除準備区域(南相馬市小高区)の賠償に関するもの
1587=旧緊急時避難準備区域内の特定避難勧奨地点(南相馬市原町区)における廃業損害に関するもの
1588=帰還困難区域(大熊町)に自宅を有する申立人の高額家財等に係る財物賠償に関するもの
1589=自主的避難等対象区域(福島市)の日常生活阻害慰謝料(増額分)に関するもの
1590=自主的避難等対象区域(福島市)の生活費増加費用に関するもの

和解事例(1584)
特定避難勧奨地点が設定されている南相馬市原町区片倉地区に居住する申立人らについて、原発事故前は自己所有の田畑で耕作した米及び野菜を自家用消費していたが、原発事故によって購入を余儀なくされたことを考慮し、申立人ごとに、最長で田畑の除染時期から1年後に当たる平成29年3月分まで、食費増加分(世帯人数に応じ、米につき年額4万円又は6万円、野菜につき年額8万円又は12万円)が賠償された事例。

和解事例(1585)
帰還困難区域(浪江町)から避難した申立人ら夫婦について、別々の場所への避難を余儀なくされたこと等を考慮して、平成23年4月分から平成24年8月分までの日常生活阻害慰謝料(増額分)として、夫婦それぞれに月額3万円が賠償された事例。

和解事例(1586)
避難指示解除準備区域(南相馬市小高区)から避難した申立人らについて、財物損害として、不動産、自家用車、家財道具の賠償がされたほか、住居確保損害、申立人母の就労不能損害(平成26年2月分までは原発事故前の収入の全額、同年3月分から平成27年2月分までは同収入と再就職後の中間収入との差額分。)等が賠償された事例。

和解事例(1587)
旧緊急時避難準備区域内の特定避難勧奨地点(南相馬市原町区)において飲食店を経営していた申立人らについて、原発事故による避難に伴う飲食店の廃業損害につき、事故前収入の5年分相当額から既払金(平成23年3月分から平成27年7月分までの営業損害(逸失利益)として支払われたもの)を控除した残額が賠償されたほか、財物損害(自宅兼店舗である建物及び家財道具)が賠償された事例。

和解事例(1588)
帰還困難区域(大熊町)に自宅を有する申立人の高額家財等に係る財物賠償について、申立人の陳述等を基に価格評価を行い、東京電力の直接請求手続において支払があった動産の一部(ピアノ、ひな人形等)に対して追加賠償がされ、また、同手続においては支払がなかった動産の一部(テレビ一式、薪ストーブ等)に対しても、同様に賠償がされた事例。

和解事例(1589)
自主的避難等対象区域(福島市)から避難した申立人らのうち、原発事故当時80歳台で要介護1であった申立人の平成23年3月分から同年8月分までの精神的損害(増額分)として10万円、避難先で同人の介護を余儀なくされた申立人3名の同期間の精神的損害(増額分)として主たる介護者1名につき4万円、従たる介護者2名につき各2万円が、それぞれ賠償された事

和解事例(1590)
自主的避難等対象区域(福島市)に居住し、原発事故後も避難をしなかった申立人らについて、原発事故前は自家消費用の野菜を栽培し生活していたが、原発事故後は、畑の放射性物質の汚染から野菜の栽培を断念したために負担した生活費増加費用(自家消費野菜)として、平成24年1月分から平成27年3月分まで月額6500円が賠償された事例。



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